© トライアル自然山通信 All rights reserved.

2020年のSSDTいろいろ
2020年SSDT(スコティッシュ6日間トライアル)は、5月4日にスタートする。SSDT公式サイト(ssdt.org)からはいろんなニュースが流れてくるが、ちょっといくつか拾ってみます。
のどかなSSDTの風景は、長くSSDTを撮り続けているエリック・キッチンさん撮影。
■電動マシン、SSDTに現る
最新のニュースは、2020年SSDTに、電動マシンがエントリーしている、ということだ。マシンはEM(エレクトリック・モーション)、ライダーはマルク・コロメとマシュー・アルプ。アルプはイギリスのEMインポーターで、コロメはご存知、2度の世界チャンピオン。そのひとつめがモンテッサ1996年にCOTA315R(ホンダRTL250R)でのもの、もうひとつが2017年にガスガスTXT-Eでのもの。コロメはモンテッサのあと、ガスガス、スコルパ、オッサ、など、数々のニューマシン開発に携わってきたが、最近はEMと組んで開発の仕事をしている。トライアルEクラス、初の世界チャンピオン、コロメが、SSDTで再び歴史をつくろうとしている。
SSDTが、とりたてて電動クラスを設けるとか、山の中に電源を備えるとか、そういう動きはなさそうだが、これが新時代に向けての第一歩になるのかもしれない。
今も昔も、SSDTはマシンの信頼性を確認するのに絶好のフィールド。各メーカーの新型マシンも、みんなSSDTに出場してその信頼性を世の中に示している。EMも、SSDT参戦によってその信頼性を世に問おうとしている。
(2020年3月12日)
■コロナウイルスショック
日本中、というか、世界中どこへ行ってもコロナウイルスとどう戦うかでもちきりだけど、SSDTも同様だ。なんせSSDTには、世界中のライダーがやってくる。
そんな中、スコットランドのお達しで、感染危機の高い地域からの参加は認められない、みたいなことになっている。これによって、具体的にはイタリア人ライダーの参加が認められないということになったようだ。
イタリアと地続きの(ヨーロッパはどこも地続きだけど)スペインは大丈夫なのか気になるところだが、今のところ、今年のSSDTに出場できないのは、イタリアのみのようだ。
(2020年3月11日)
■JITSIEとSSDTのパートナーシップ
JITSIEとSSDTら、複数年のパートナーシップを結んだ。12回のSSDT勝者であるドギー・ランプキンはJITSIEのアンバサダーでもあり、そういう流れからも、JITSIEとSSDTのつながりは自然な感じだ。
このパートナーシップ契約で、SSDTの関連商品はJITSIEが独占的に行うことになるという。
(2020年2月28日)
■2020年のスターゲストはバーニー・シュライバー
SSDTは、世界で最も厳しいトライアルといわれている。反面、基礎的トライアルテクニックがあれば(そしてももちろん優勝しようなどと思わなければ)、大ベテランになってからでも参加が可能なのもSSDTの一面だ。12勝をあげているドギー・ランプキンはまだ半分現役といっていいが、それ以外にも往年のチャンピオンがSSDTに出場してくる例は多くある。
2020年に登場する往年のチャンピオンは、バーニー・シュライバーだ。1979年FIMトライアル世界チャンピオン(当時のマシンはSWM)。20歳での史上最年少チャンピオンだった(ジョルディ・タレス、トニー・ボウも20歳でチャンピオンになったが、タッチの差でシュライバーの記録は破られていない)。ヤマハTY-Rに乗っている時に、全日本選手権に招待参加したこともある。フローティングピボットターンとバーニーホップは、シュライバーがオリジナルとされている。
シュライバーはアメリカ人(唯一のアメリカ人チャンピオン)だが、トライアルをやるために渡欧して、いまもフランスに住んで活動を続けている。
シュライバーはまた、1982年のSSDT勝利者でもある。SSDTでヨーロピアン以外のライダーが勝者となったのは、後にも先にもこのシュライバーだけだという。
SSDTは、そのシュライバーを2020年のGuest of Honorに任命した。シュライバーは再びスコットランドの地に立って、恒例のパレードを先導し、初日にライダーを送り出すことになっている。
写真は世界チャンピオン時代のバーニー・シュライバーが名物パイプラインを行くシーン。今は亡きイタリアのジュリオ・マウリさん撮影。
(2020年1月12日)
なお、SSDTの今年のエントリーは、とっくのとうに締め切られている。例年、SSDTのエントリーは年末頃に締め切られるから、もし2021年SSDTに出場しようという人は、今から準備をしておくのが正しいと思われる。