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女子WCT、2番手争いは熾烈

10フランスGPライア

 藤波貴久がトップスタートから2位となったフランスGPでは、ジュニアカップに久々にライア・サンツ(レプソル・モンテッサ・ホンダ)が出場し、11位でポイントを獲得した。そしてその前日土曜日には、女子世界選手権開幕戦が開催されていた。
 優勝はもちろんライア・サンツ。しかし2位以下は、なかなか熾烈な争いが展開されていて、そこには、ライアを追うレディース・ライダーによる世代交替の図式も見られたのだった。
*写真は日曜日のジュニアクラスに参戦のライア。土曜日の女子世界選手権は、ピンクのゼッケンにゼッケン1番をつけて走っている。写真は、クリックで大きな画像が開きます。


 ライアはこれまで、ジュニアカップを世界選手権でのフィールドに定めて参戦していたが、ジュニアカップの戦いは年々激戦となり、ライアもポイント獲得圏外となることが多くなってきた。セクション難度も高まってきて、去年シーズンには、大きなケガではないものの、負傷も経験している。
 チームとしては、ライアに望む第一番の目標は女子世界選手権の連覇。突出した実力の持ち主だから、ふつうに参戦していればなんの問題もなくチャンピオンなのだが、2007年にはたったひとつのミスでタイトルを逃している。過去20大会に参戦して1戦だけ2位になった。その結果で、チャンピオンになれなかったのだ。世界チャンピオンは、少しの油断もなく全力でぶつからなければいけない目標だ。
 そこでチームとライアは、女子世界選手権に専念するため、ジュニアカップへの参戦を控えめにしている。今回のフランス大会は、まず女子世界選手権に参戦してきっちり優勝を収め、その勢いでジュニアカップへも参戦という構図になっている(でもライアは、実はエンデューロへの参戦にも熱心。来年のパリダカ出場も予定されている。ライアのエンデューロ参戦の様子はこちらの映像でも見ることができる。この映像には、イリス・クラマーがライダーとミーティングしている姿もある。>>FIM・ウイメンズ・エンデューロ
 ライアのスコアは、2位の1/4の11点。クリーン数も倍以上だ。といっても、いつもなら女子世界選手権でのライアは、オールクリーンを目指して当然、のような戦いっぷりだから、ライアが6セクションで減点して11点とるというのは、なかなかの難セクションだったにちがいない。
 今回は、長年のライアのライバルであり、2007年にライアから世界タイトルを奪っていったイリス・クラマー(ドイツ)が出場していない。ライアもだいぶベテランとなってきたが、それでも25歳。イリスは29歳になった。去年はイギリスのクック・レベッカにランキング2位の座も奪われたし、このあたりが潮時、なのかもしれない。
 しかしイリスがいなくなった2位争いは、イリスが絶好調だった時代より、はるかに熾烈になっている。
 去年、イリスを凌いでランキング2位となったのはクック・レベッカだったが、そのクックが今回の開幕戦では4位に沈んでいる。かわって2位となったのがジョアンヌ・コルス、3位はエマ・ブリストだった。
 クックはこれまで女子世界選手権参戦16回、エマは11回、ジョアンヌはたった6回、今年が3年目の18歳だ。そしてこの3人、いずれもイギリス人。イギリスは2006年、2007年、2009年とトライアル・デ・ナシオンに勝利しているが、この層の厚さを見れば、勝利はちっとも不思議ではない。しかもイギリスは、これ以外にも優秀なライダーがたくさんいる。エマとジョアンヌはTDNの代表となったのは09年が初めて。それまでは彼女たちより実力のある先輩たちがイギリスをしょって立っていたのだった。
 今回5位のレオッタ・ロシータは、ドイツ人。イリスが女王の座に君臨していたときにはナンバー2だったが、これでドイツを代表するライダーとなった。13歳の時から女子世界選手権に参戦していて(今は16歳以上じゃなきゃだめだ)2003年からTDNのドイツ代表として走っている。ドイツは今回の8位にイナ・ウィルドが入っていて、これにイリスを加えれば、今でも世界のトップチームのひとつに数えられる。
 6位のサンドラ・ゴメスは、今年ジュニアクラスでチャンピオンを争っているアルフレッド・ゴメスの妹。まだ7大会目だが、着々とトップグループの仲間入りをはたしている。スペインは、長らくライアの独り舞台で、スペインにはライア以外にちゃんと乗れるライダーがいないという状態が続いていたが、ここへきて、ちょっとその様子に変化が見られている。2008年、ゴメスも代表選手に加わって、スペインチームが勝利したことがあった。このときは、ライアが他のふたりを必死にひっぱってチームを盛り上げて、もちろん自分は最大限に減点を少なくして勝利を勝ち取った。いわばライアの勝利だった。2009年は2位とイギリスに敗退したが、これはスペインチームの勝ち取った2位だった。今度はライアだけの実力ではなく、スペインチームとして優勝争いが見られるかも知れない。去年のランキング7位コンディ・ミレイアも10位に入っている。
 7位のジュフェ・サンドリーンは、フランスの国内選手権で女子部門のチャンピオン。フランスは女子チームの育成に一生懸命で、2004年にはTDN勝利を果たしているが、どうも最近は調子が上がらない。それでも、2004年TDN勝利チームの一員、ジョルネ・マリリーンが9位となって、フランス復興を期待させている。
 つまり、今回のトップ10の中には、2004年当時のTDN代表選手だったライダーは3人しかいない。ライアだけを見ていると、その実力は圧倒的で、まだまだ世代交替は先のことのように思えるが、実は世界女子の世代交替は、確実に進んでいるのだった。
 今シーズンの女子世界選手権は、世界選手権最終戦チェコ大会の土曜日に第2戦が、ポーランドでのTDNの金曜日に最終戦が開催されることになっている。



FIM提供の女子フランス大会
Plath Rider Number Nation Machine 1lap 2Lap Time Total Clean
1 Laia Sanz 1 SPA Montesa 8 3 0 11 24
2 Joanne Coles 4 GBR GasGas 31 15 0 46 11
3 Emma Bristow 6 GBR GasGas 30 31 0 61 10
4 Rebekah Cook 2 GBR Sherco 33 30 0 63 9
5 Rosita Leotta 5 GER GasGas 40 31 71 8
6 Sandra Gomez 8 SPA GasGas 39 38 0 77 9
7 Sandrine Juffet 10 FRA GasGas 44 38 0 82 6
8 Ina Wilde 9 GER Sherco 44 47 2 93 6
9 Maryline Journet 12 FRA Beta 48 46 0 94
10 Mireia Conde 7 SPA Beta 51 46 0 97 4

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