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世界のニュース

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最終決戦前夜、スペインにて

2021年世界選手権はいよいよ大詰め。最終戦を前にしたツーデイズの1戦は、スペインだった。

もともとの最終戦はイギリスだった。トライアル・デ・ナシオン(TDN)が先に来て、その後最終戦イギリス大会という変則的な日程だったが、コロナ禍特別スケジュールということだったのだろう。しかしイギリス大会は中止になった。世界選手権とはいうけれど、トライアルの文化はヨーロッパが中心。ヨーロッパにとって、イギリスはEUから離脱してしまったし、感染状況や対策規制も厳しいから、イギリスとの往来はむずかしい。

オリンピックはできたのに、とは思うけれど、ふつうならできないはずのことを、オリンピックはかなりがんばって実現させたのだ、ということかもしれない。そのがんばりが、権力や金にものをいわせたものであったにせよ。

ということで、イギリスが中止になって、となると今回のスペイン大会が最終戦ということになる。トータル5大会8戦。去年は4大会8戦だったから、大きなちがいなく、開催数が減ってしまったさびしいシーズンとなるところだったが、そこにTDNがあった。昔のTDNは土曜日に女子、日曜日に男子が開催されていて、さらにその前日金曜日には女子の世界選手権があった。制度改革されて、今は男女とも日曜日に開催されている。そして今年は、土曜日に女子GPと女子トライアル2の最終戦が組まれていた。

会場内にある橋広大なトライアルパーク。こんな橋もある。

その土曜日に、トライアルGPとトライアル2も組み込むことになっだ。125とトライアルEはすでにフランスGPで終了しているが、他の4クラスの最終決戦はポルトガルで、ということになった。

最後の決戦を前にした2日間。しかしこのスペイン大会も、もともとの会場が開催できなくなって、急きょ去年と同様のこの町にやってきた。広大なトライアルパークで、パドックこそ世界選手権にはちょっとばかり狭いものの、子どもからおじいさんまで、地元トライアルクラブの面々が我が愛車でコースを追いかけたりする姿が見られたりして、なかなかほほ笑ましい印象。彼らは登録を受けてコースを走っているようだが、しかしライダーとしてはたいへんじゃまっけ。こういうシステムを作るからには、ライダーと観客は完全に別のルートを作っておかないといけないかもしれない。もっとも、じゃまで走りづらかったのは、トライアルGPのトップの選手だけだったかもしれないけど。

スタート直後とゴール直前には、二つずつの人工セクションが設けられていて、その他は大きく山の中を1周する間に8セクションが設けられていた。歩いて回るにはそこそこの距離だが、こっちのお客さんは歩くの「も」楽しそうだ。

2021スペイン大会のコース場内の移動コース。トニー・ボウを追うお客さんたち。

その土曜日に、トップクラスの話からすると、いまやトライアルGPクラスはたったの10人しかいない。ダン・ピースも出てこなくなっちゃった。ブノア・ビンカスは復帰したが、まだ本調子ではない様子。電動チャンピオンのロリス・グビアンをマインダーにしてフランス人コンビはそれなりに楽しそうではあった。

ビンカスはなかなか最下位争いから脱出できないが、ときどき最下位争いに加わってしまうのが、ホルヘ・カサレス、ジェロニ・ファハルド、そして藤波貴久だ。今シーズンの藤波はビンカスに負けていないが、カサレスもファハルドも負けたことがある。ビンカスもぜんぜんダメではないのでビンカスごときに、という言い方は失礼だ。今のトライアルGPはなにかまちがうと最下位争いになってしまう、そういう世界になっている。

2021スペイン大会の藤波上位を狙う藤波貴久のトライ。

ファハルドは口を濁しながら問題を抱えているとは白状してくれたが、あるいはファハルドのポテンシャルが特に落ちていなくても、他のライダーが追いついてきていて、実力伯仲になってきている、という状況はあり得る。2年前の日本GPでの小川友幸や黒山健一が最下位争いをしたけれど、彼らが年齢なりに落ちているというより、世界水準が上がっているのだ。それも、底辺がレベルアップしている。

ファハルド2021スペイン大会のファハルド

上位陣はというと、トニー・ボウとアダム・ラガの二大巨頭の争いは変わっていない。これに時々食い込むのがハイメ・ブスト。ボウの圧倒的強さは疑いようがないけど、ラガはどうかというと、全盛期の勢いに比べると、だいぶ陰りが感じられる。すっかりはげ上がってしまった頭のビジュアルがそう感じさせるのかもしれないけど、練習などでは完璧なライディングにならない感じがした。しかしラガの強さは、その精神力だ。ここぞとスイッチが入ったときの勝負強さはいまだにボウを脅かす。

2021スペインのラガ集中力と勝負強さ。ベテランのアダム・ラガはまだまだ強い。

うまさでいえば、マテオ・グラタローラの成長にはびっくりした。この3年ほど、マテオはトライアル2を走って、2度チャンピオンを獲得している。トライアル2できっちり勝ってくるというのが、こんなにライダーを成長させるものなのか。ちゃんと見れば別かもしれないけど、こちらが見ている限り、うまさだけならラガよりマテオの方がありだな、と思ってしまった。

2021スペインのグラタローラGPクラス上位の常連になった、イタリアのマテオ・グラタローラ。

もちろんミケル・ジェラベルトやガブリエル・マルセリらの若手の勢いもすばらしいが、復活したベテランのマテオの勢いや、ブストの切れきったスタイル、執念深さのラガらに比べると、まだもう少し小者感が目立ってしまう。藤波貴久は、さすがに41歳だからというのもあるけど、しかしこのライダーはつい今シーズンの開幕戦で勝利しているのだ。誰にとっても侮れるわけがない存在感にあふれている。

2021スペインのボウ土曜日はぶっちぎりだったトニー・ボウだが、日曜日は2位とぎりぎりの勝利だった。

土曜日の勝負は、ボウのぶっちぎりだった。勝負のおもしろさ的には、2位争いだ。この1戦で、ボウが勝利して、ラガが3位になり、日曜日にも再び3位になると、そこでボウのタイトルが決定する(もちろんラガが4位以下になってもいいのだが、それはあまり現実的ではない)。ラガとしてはするするボウがタイトルを獲得してしまうのは阻止したい。そこに立ちはだかったのがブストだ。1ラップ目、2位はブスト。2ラップ目、勝負は本当にぎりぎりだった。1点差でラガの勝ち。ボウとラガのポイント差、14点。

日曜日、今度はブストがボウに襲いかかった。1ラップ目、トップはブストで1点差でボウ。ラガはハイメに12点差で、ちょっと厳しい感じになっている。

ブストは、5点もある代わりに、5点以外がない。ボウは細かい減点を重ねつつ、確実にマシンを進めていく。大勝負は第11セクションだった。ここはむずかしいポイントだったのだが、ブストなら上がるだろう大岩だった。しかし落ちてしまった。そしてボウがあがった。これでボウは、辛くも1点差で天王山を制した。

2021スペインのブストVertigoのハイメ・ブスト。ボウに迫る走りを見せた。

ラガが3位になったことで、次なる最終戦で、ボウはほんの1点獲得すればラガが優勝したとてチャンピオン決定となる。10人しかいないのだから、完走すれば6ポイントになる。事実上チャンピオンは決まっているも同然だが、しかしなにがあるかわからない。たとえば感染リスクなどをきらい、飛行機には乗らず、スペインから最終戦までは陸路を選ぶという用意周到ぶり。わずか1点だが、最終戦に向けて、大きな大きな1点をとりにいくことになる。

■女子トライアルGP
1点とはいえ、こちらの1点はまったく意味がちがう。エマ・ブリストとライア・サンツ、女王同士の激突だ。ここまではブリストが2勝、サンツが1勝と、現チャンピオンが有利にシリーズを戦っている。

2021スペインのエマ・ブリスト土曜日サンツに負け、日曜日に勝利したブリスト。次戦で上位になった方がチャンピオンになる。

土曜日、サンツはぴたり決まった走りができずに、ミスが出ている。しかし大きな失敗がない。対してブリストは、こちらも走りが安定していない。ライディングが小さい感じ。

案の定、土曜日はサンツの勝利だった。しかも2位には、若いベルタ・アベランが入っていて、これがまたサンツに1点差だった。ここで勝っていれば大きな1勝だったのだが、若い彼女にはまだまだ未来があるだろう。ブリストは3位になってしまい、一気に5ポイント差をつけられてしまった。これでポイントリーダーは逆転。

2021スペインのライア・サンツガスガスを駆るライア・サンツ。

そして日曜日、今度は逆にブリストの日になった。サンツはクリーンセクションの第10で痛恨の5点、これで勝機を逸したのだが、しっかり2位には入った。3勝のブリストに対し、2勝のサンツ。両者のポイント差はたったの1点だ。最終戦では、上位に入ったほうがチャンピオンになる。勝てばもちろん、仮にアベランが勝利したとしても、2位になったほうが勝ち。こちらの勝負も見逃せない。

■トライアル2
このクラスも、タイトル争いは最終戦にもつれ込んだ。戦いの主役は二人のイギリス人、トビー・マーチン(TRRS)とジャック・プライス(シェルコ)。プライスは後半になって失速してきた。マーチンは比較的平均している。シーズン終盤になって、アニオル・ジェラベルトが2勝したり、ロレンツォ・ガンドーラが初優勝したりとトピックスはあるも、やはり安定感は二人のイギリス人に長がある。

2021スペインの武田呼人スペインに住み、Vertigo本社で働きながらTRIAL2に参戦する武田呼人。

このクラスには、武田呼人が参戦している。これまで、世界選手権には多くの日本人が参戦してきたが、まるっきり日本人一人で乗り込んでいった日本人は、近年では呼人だけ。今回は両日ともに最下位周辺の争いになってしまい、本人はいたく落ち込んでいたものだったが、呼人のいるヴェルティゴのパドックは明るい。それは呼人がそこにいるからでもある。成績がすべてのレースの世界だけど、少しだけ長い目で応援したい呼人である。

■女子トライアル2
スペインで優勝と2位を得て、最終戦を待たずにチャンピオンを決めたのはイタリアのソフィア・ラビノだった。4クラスのうち、唯一タイトルが決まったのがこのクラスだ。

2021年スペインのソフィア・ラビノ。女子トライアル2チャンピオンになるイタリアのソフィア・ラビノ。女子トライアル2チャンピオンを確定した。

ランキング2位はお母さんになったイタリアのサラ・トレンティーニ。今回でちょうど20ポイント差になったのだが、トレンティーニは開幕戦で勝利している。

土曜日に勝利したのは、初登場のチェコのペトラ・ブディノバ。2日目は4位となったが、次なるは、チェコからチャンピオンが生まれるのかという期待ももてる。

2021年、コロナ禍2年目のシーズンも、まもなく終了する。

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