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TRRS、二人が表彰台に乗る
3月24日、Xトライアル第2戦フランスのシャロン・シュル・ソーヌで、TRRSライダー二人が表彰台に乗った。
今回の参加は、Xトライアルランキングのトップ3、トニー・ボウ(モンテッサ)、アダム・ラガ(TRRS)、ハイメ・ブスト(ヴェルティゴ)の3人に加えて、イギリス代表のトビー・マーチン(TRRS)、ノルウェー代表ソンドレ・ハガ(ベータ)、イタリア代表マテオ・グラタローラ(ベータ)、フランス代表ブノア・ビンカス(ガスガス)、そして昨年ランキング4位のガブリエル・マルセリ(スペイン・モンテッサ)の8人。
Xトライアルでは、8人がセクションを一気に走って減点を出し、その結果でその後のラウンド2以降への進出を決めるのだが、このラウンド1が、今回のハイライトだった。
前年のトライアル2チャンピオンは、例年Xトライアルへの招待状が渡されるが、たいていの場合、チャンピオンのごほうびにXトライアルの舞台を経験させてあげるね、という体のもので、ここで好成績をあげるなんて、ほとんど誰も期待していない、と思われる。そういう思いに反してXトライアルに出場して最初から成績を上げられるのは、せいぜいスペイン勢で、スタジアムセクションの経験があんまりない国々の選手は、なかなか食い込んでいけないのがふつうだ。
ところがどっこいトビー・マーチン。第1セクションをクリーン、第2、第3を1点、第4を2点、最終で5点。トップバッターのガブリエル・マルセリの19点に対し、マーチンは9点。なかなかの好スコアだが、この後トップライダーが登場して、そのスコアは打ち破られると思われていたはずだ。
ビンカス、グラタローラは5点3つ、ブスト、ハガ、そしてラガまでも5点がふたつ。5点がふたつという時点で、すでにマーチンにスコア負けだ。最後に登場した真打ちのボウは、しかし第2セクションで5点。ラガが1点で抜けた最終セクション次第ではボウがトップスコアを奪う目もあったのだが、ここも5点で、ボウとラガは総減点11点。なんとマーチンが堂々たるラウンド1のトップスコアをマークした。
ラウンド1はXトライアルではいわば予選で、これが勝負の結果に直結するわけではない。しかしそれでも、トライアル2からステップアップしたばかりのルーキーが、ボウやラガの大御所を破ってトップに立つなど、やっぱりふつうではない。トビー・マーチン、ふつうでないイギリス人の華々しいデビューとなった。
マーチンはその後、ラウンド2でも4番手のスコアをマーク、ラウンド1との合計でグラタローラに3点勝って、ファイナル進出の権利を得た。ファイナル進出ということは、表彰台は確定ということだ。
ファイナルではさすがに、ボウ7点、ラガ8点に対して、マーチンは27点と、ちょっぴり器のちがいを見せつけられてしまったが、しかしふつうはこれがラウンド1で見せつけられるものなのだ。ファイナルの舞台でこの活躍は、やっぱり称賛に値する。
TRRSが、ボウをはさんで2位と3位。表彰台にTRRSライダーが二人乗る快挙を達成するとともに、マーチンは3位で獲得するランキングポイント12点に加えて、ラウンド1でのトップスコアボーナス1点を加えて、今回の戦いで13点のポイントを獲得した。一躍ランキング4位に進出だ。
02_X-TRIAL_Chalon-sur-saone_2022_Results