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ボウのワンマンショーのバルセロナ

 2月6日、バルセロナでのXトライアル第3戦は、トニー・ボウが圧勝。2位にカベスタニーが入り、3位がラガ。オッサはデビュー2戦目にしてファイナル進出を果たした。前回マルセイユで首を負傷した藤波は、首の痛みもあったが元気に出場。しかし6位となっている。

2011バルセロナのチャーナー

若手注目株はジャック・チャーナー。マインダーはイタリア人のミケーレ・ボシが担当している。

 バルセロナ。インドアトライアルのシリーズとしては最大にして、もっとも重要な一戦。たとえばロードレースでいえば、ホンダの契約ライダーは鈴鹿サーキットでのレースを特別な戦いとみているが、ちょうどバルセロナ大会もこれと同じ。藤波の住む町に近い、バルセロナから1時間ほどのジローナにあるガスガス、オッサ。バルセロナ近郊の山あいに工場を持つシェルコ、そしてバルセロナにワークショップを持つモンテッサ。どのチームも、これが地元での凱旋試合になるわけだ。
 スペインのインドアセクションは、どんどんと高くなっていく。トップライダーは、そんな、自分だけしか走破できないセクション設定を好む。イギリスやフランスでは、突発事件が起きやすい木や岩の組み合わせが多いが、バルセロナでは上がるか落ちるかの単純明快なセクションも多い。
 会場となるパラウ・サン・ジョルディ(Palau Sant Jordi)は、1992年のバルセロナオリンピックの際につくられた屋内競技場。日本人建築士の手になる建築だが、その広さはインドアのシリーズでは唯一。去年からは、トライアルと同時に、エンデューロのインドア選手権も開催されている。
 今回は、ワイルドカードの出場はなく、ノミネートライダーの8名のみが参加。この中から6名を選抜するのが、クォリファイラップ。持ち時間の中で、5つのセクションを走って減点を競う。ランキング順に上位4名、下位4名がくじを引いて、スタート順を決める。ランキング4位なら、スタート純が5番目より早くはならないが、ランキング5位だと、運が悪ければ一番先頭に走らなければいけなくなる。藤波と同点でランキング5位となっていたファハルドには試練のくじ引きだったが、なんと一番最後を引き当てた。藤波は上位グループの最初を引いてしまって、ランキング4位争いの二人は、仲良く4番目と5番目にトライした。
 今年、不運に見舞われているのが、昨年ランキング4位のイギリス人、ジェイムス・ダビル。去年からのレギュレーションでは、ちょっとしたくじ運や失敗が結果に大きく響くようになっていたが、ここに乗じて(というとダビルに失礼。ごめんなさい)表彰台を獲得するなどしたのが、ダビルだった。ダビル以外のトップライダーは、みなクォリファイ敗退の危機に瀕したりしている。中でも不運が続いたのが、藤波だった。その藤波の役を、今年はダビルがやっているように見える。
 今回のダビルは、ブラウンに続いて2番目のスタートだった。すぐに自分のトライになってしまうから、ブラウンのトライを観察している時間はない。ぶっつけ本番で挑んで、自分よりあとからスタートするライダーよりも好スコアをマークしなければいけない。クォリファイで敗退するのは2名だけだから、現実的にはブラウンとチャロナーを上回ればいいのだが、これがそう簡単ではない。ダビルの持ち味は、高さの走破力だった。もちろんボウにはかなわないが、トップライダーが落ちるところをぐわしと上がってしまうことがある。それが今年は、マシンをスイッチして間もないこともあってか、まだ本領が発揮されていないようだ。
 一方、ルーキーらしい積極的な戦いをしているのがチャロナーだ。ジュニアチャンピオンを獲得してXトライアルのノミネートライダーとなったチャロナーは、去年のウイグと同様で、丁稚奉公のようなもの。とてもとても、世界の強豪と張りあえるわざと度胸は備わっていない、はずだった。しかし挑んでいく。勢いとしては、今のチャロナーは、ダビルを超えて、トップ5への切り込みを企てている感じだ。
 クォリファイの結果も、まずそのとおりになった。ボウはたったの2点。カベスタニーが11点と大差がついた。ボウにしか登れないポイントがあるのだ。ラガが13点、ファハルドが14点で続いた。藤波は16点。2位から5位までは、点数的には接戦といえる。少し離れて、チャロナーとダビルが20点で並んだ。同点の場合は、タイブレイクセクションがあって、白黒をつける。ここでチャロナーはクリーン、ダビルは5点になった。これでチャロナーがダビルを下して、セミファイナルに進出することになった。ブラウンはオール5点の25点。インドアは若手が参入するには厳しい舞台だ。
 藤波は、最初のセクションでマシンを落としてしまい、フロントまわりにダメージを負った。競技中にマシンの修復をしているヒマはない(スタビライザーの交換だから5分もあれば完了するはずだが、それですでにタイムオーバーになってしまう)。去年仕様のスペアマシンに乗り換えるか、このまま走るか。藤波はエンジン特性に慣れているマシンでの競技続行を選んだ。その結果が、16点での5位クォリファイ通過だった。

クォリファイ
Place Rider Machine 1 2 3 4 5 Time Total Tie
1 トニー・ボウ モンテッサ 2 0 0 0 0 0 2
2 アルベルト・カベスタニー シェルコ 0 5 0 1 5 0 11
3 アダム・ラガ ガスガス 1 2 0 5 5 0 13
4 ジェロニ・ファハルド オッサ 5 2 1 1 5 0 14
5 藤波貴久 モンテッサ 5 1 0 5 5 0 16
6 ジャック・チャロナー ベータ 5 5 0 5 5 0 20 0 0
——————————————-
7 ジェイムス・ダビル ベータ 5 5 0 5 5 0 20 5 0
8 マイケル・ブラウン ガスガス 5 5 5 5 5 0 25

2011バルセロナの藤波

珍しくダブルレーンで5点となった藤波。Xトライアルではつくづく運のない藤波だ。

 セミファイナルは、最初にダブルレーンでの一騎打ちがおこなわれる。クォリファイを通過した順に、1位と2位、3位と4位、5位と6位の対戦。足をついたらその減点、勝負に負けたらさらに1点減点。転倒して勝負に負けたら5点。まず転ばずに走るのが大前提。負けても1点だ。しかし今のXトライアルでは、ダブルレーンでの勝負の比重がけっこう大きい。かつてはダブルレーンといえば藤波の天下だった。しかし今、成績に影響する比重が重くなって、みんながみんな、スピードを訓練してきた。
 そういう点では、藤波がクォリファイを5位で通過したのは、ある意味ではラッキーだった。4位なら、今回で言えばラガと対戦することになる。とびきり速いボウはもちろん、カベスタニーやラガと対戦するより、チャロナーと対戦したほうが落ち着いて勝利を勝ち取れるというものだ。
 しかしそこに罠があった。チャロナーは藤波を相手に、一歩も引かずに勝負を挑んできた。藤波がリードを続けてマシンを進めるも、少しもあきらめない。逆に藤波には、チャロナー相手ゆえに落ち着きがあった。それで、ダニエルで飛んでいくところを一瞬止まって、安全策をとった。そこにチャロナーが一気に差をつめてきた。
 焦った藤波は、V字の谷渡しで失敗。登れずに落ちてしまった。万事休す。インドアのルールはバックしても5点ではないが(そのかわり足つき5回で5点になる)転んでしまったら5点だ。
 ボウとファハルドが勝って、ラガとカベスタニーが負けたダブルレーン。しかし負けたラガとカベスタニーも1点のハンディを負っただけだ。そこに藤波は、いきなり5点のハンディを背負った。残るは4つのセクションのみ。ここで上位4人に入れなければ、本日の出番はおしまいだ。といっても、そのうちのふたつは限りなく高く、あがれそうにない。結果、ふたつのうちひとつはボウ以外は全滅、もうひとつはカベスタニーとファハルドのみが上がって、他は5点。残る二つのセクションで、藤波が5点を挽回するというのは、絶望的な状況だった。最後のセクションを、藤波はお客さんにアピールしながらゆっくりと走った。足つき3回、タイムオーバー2点(30秒ごとに1点減点)で、トータルは5点。結果的には転倒と同じ減点となったが、地元バルセロナのファンにフジガス健在をアピールするには、貴重なプラス1分となったはずだ。
 これで、ボウは当然として、カベスタニー、ラガ、ファハルドのファイナル進出が決定。藤波はチャロナーに敗れて6位となった。チャロナーは藤波を破って、次の目標はスペインの四天王に定まった。

セミファイナル
Rider ダブルレーン 1 2 3 4 Total
Pt Race Pt time Pt time Pt time Pt time
ボウ 0 0 0 0 0 1 0 0 1 1 3
カベスタニー 0 1 0 0 5 0 1 0 0 1 8
ラガ 0 1 0 0 5 0 5 0 0 1 12
ファハルド 0 0 2 0 5 0 3 1 5 0 16
チャロナー 1 0 3 0 5 0 5 0 5 0 19
藤波 5 0 2 0 5 0 5 0 3 2 22

2011バルセロナのファハルド

デビュー2戦目にしてファイナル進出を果たしたオッサとファハルド

 クォリファイでの結果は(最後の同点以外は)勝負に反映されずご破算となる。セミファイナルの結果は最終結果に反映されるので、ファイナルに進んだ時点で、ボウ3点、カベスタニー8点、ラガ12点、ファハルド16点という点差がついている。この時点で、おおむね勝負の予想がつきそうな点差である。
 ファイナルでは、まず総当たり戦のダブルレーンから始まる。4人だから、相手は3人。すべて負けると、ここだけで減点3。ダブルレーンが速くなければ勝ち目がないのがXトライアルだ。
 3回もやれば、ボウとても一度くらいは負けちゃったりするものだが、今回のボウは強かった。3戦全勝。一方ここで全敗して、足つき減点も加えてしまったのがファハルドだった。ラガとカベスタニーは2点原典ずつ。ラガはボウとカベスタニーに負け、カベスタニーはボウに負けて、ラガとの勝負の時に足つきをしている。
 ボウ3点、カベスタニー10点、ラガ14点、ファハルド20点。残るは3セクション。

ファイナル・ダブルレーン
Rider RACE 1 RACE 2 RACE 3 RACE 4 RACE 5 RACE 6 Total
Pt Race Pt Race Pt Race Pt Race Pt Race Pt Race
ファハルド 1 1 0 1 0 1 4
ラガ 0 0 0 1 0 1 2
カベスタニー 0 1 0 0 1 0 2
ボウ 0 0 0 0 0 0 0

2011バルセロナのカベスタニー

ラガとの勝負には勝ったが、ボウとはその差が開き始めている、カベスタニー

 ファイナルの3セクションは、これがまた高かった。もっともバルセロナに近いところにすんでいるボウは、セクション設営のお手伝いなどにやってきて、あれやこれやとアドバイスしていったそうだ。それで、ボウのお好みに合わせて、セクションはどんどん高くなっていく。ラガもカベスタニーもインドアチャンピオン経験者だが、今のボウにはちょっとかなわない。
 ボウのファイナル3セクションのスコアは、1回タイムオーバーがあっただけのオールクリーンで1点。文句なし、バルセロナの勝者となった。

2011バルセロナのラガ

往年の輝きが……。2位争い中のラガ

 初めてオッサでファイナルを走ったファハルドは、3つのセクションをすべて5点。今回はここまでで上等の結果かもしれない。ラガとカベスタニーは、最後の4セクションだけを見ればラガが1点だけ好スコアをマークした。ただし1点では、ここまての点差を逆転するにはほど遠い。カベスタニーが2位、ラガが3位で、バルセロナのXトライアル第3戦は幕を下ろすことになった。
 それにしても、4人が3セクションを走るから、のべ12回のトライがあったことになる。このうち、クリーンはボウを含めて4回だけ。5点が7つ。上がるか落ちるかのバルセロナという印象は、さらに顕著となっている。そしてまた、ボウが連勝し、ラガとカベスタニーが2位を争っていることで、チャンピオンシップはいよいよボウの優位が確定的となってきた。

2011バルセロナのボウ

堂々優勝。文句なしのトニー・ボウ(Photo:G2F/FIM)

ファイナル
Place Rider 第1セクション 第2セクション 第3セクション 小計 ダブル
レーン
セミ
ファイナル
合計
Pt Time Pt Time Pt Time
1 ボウ 0 0 0 1 0 0 1 0 3 4
2 カベスタニー 1 1 5 0 5 0 12 2 8 22
3 ラガ 0 1 5 0 5 0 11 2 12 25
4 ファハルド 5 0 5 0 5 0 15 4 16 35

 藤波貴久による結果報告はフジガスネットをご覧ください。

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