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女子世界戦はじまる

ガスガスに乗るライア・サンツ。まず2勝をあげる
2012年女子世界選手権シリーズが開幕。ガスガスに移籍したライア・サンツが順調に2勝した。去年のジュニアチャンピオン、アルフレッド・ゴメスの妹のサンドラ・ゴメスがランキング2位。スペイン勢が好調だ。オッサのエマ・ブリスト、ベータにマシンを変えたレベッカ・クックが3位、4位につけた。

2位と3位でランキング2位のサンドラ・ゴメス
2012年女子世界選手権第1戦は、6月23、24日にアンドラ公国で開催された。男子世界選手権の開催日と同じ。この週末、アンドラでは男子の4カテゴリーと女子と、たいへんにぎやかなトライアル・ウィークエンドとなっていたわけだ。
ライアは今年26歳。先シーズン限りで長く在籍したモンテッサチームを離れ、ガスガスに移籍。エンデューロやレイドなどに活躍の場を広げていた。しかし冬の間にひざを負傷して、現在はケガからの復帰の最中だ。これまで、女子世界選手権では11回のタイトルを獲得。今シーズンは12個目のタイトル獲得への挑戦となっている。2012年女子世界選手権は、全部で3大会、最終戦はワンデイイベントだから、全5戦で開催される。
「一番じゃなきゃ、意味なんかない。2位や3位じゃしょうがない」
とライア。過去にライアは、たった1セクションを失敗しただけで、チャンピオンをとり逃したことがある。2007年、イリス・グラマー(現在は引退している)に破れたそれは、たいへん悔しいことだったにちがいない。
「今は、新しい体制で戦うことがとても幸せ。モンテッサとの関係は、ずいぶん長かったから、なにかを変えるにはいい機会だった。問題といえば、ここ数ヶ月戦っているひざのケガの問題があるけれど、それは日に日によくなっている。マシンとの相性もぐんぐんとよくなっているし、トレーニングもしっかりやっています」
ライアが初めて女子世界選手権に勝利したのは、2000年のこと。彼女がたった14歳の時だった。以来、2007年をのぞき、女子のトップで君臨し続けるのは、やはり容易なことではない。

オッサワークス、エマ・ブリストは土曜日に2位
さてアンドラに集まったのは、8つの国からの16名の女性たち。16歳から46歳までと、年齢も幅広い。
打倒ライアの最右翼は、昨年ランキング2位のブリスト。2006年に13位で選手権への挑戦をスタートさせてから、ランキング2位の座まで到達した。

昨年ランキング2位のレベッカ・クック。今回はちょっと不調
ブリストにランキング2位を奪われてしまったのが、同じくイギリスのレベッカ・クック。2006年からは表彰台の常連となり、2008年から2010年までランキング2位を続けている。今シーズンの、ベータへの乗り換えが成績にどう反映していくだろうか。
その他、トップグループを形成するだろうと思われるのが、フランスのサンドリーン・ジュフェ。今シーズンからJTGに乗って新たな挑戦をスタートさせる。去年は1度だけ表彰台に乗って、ランキング4位となった。スペインのサンドラ・ゴメスはコンスタントに4位と5位に入り、ランキング5位を獲得した。

最年少の16歳はイタリア娘。

最年長は46歳。フランスマダム。
イタリアのエリサ・ペレッティ(ガスガス)はまだ16歳(来月17歳になる)で、今回の最年少。彼女もライアと同様に、14歳でデビューをしている。フランスのブランディーン・ギロウは、エリサとは30歳差で、今回の最年長となる。
そしてまず土曜日、ライアの勝利は、まったく問題がなかった。14セクション2ラップ、その減点は、たったの3点、2ラップ目は、1点だけだった。
2位はブリスト。両ラップを一桁減点でまとめたのはいい走りっぷり。ただしトップにはやっぱり届かなかった。3位は、ゴメス。彼女はこれが初表彰台だ。ライアに続くスペイン勢ナンバー2。彼女はまだ19歳だから、これからの成長が楽しみだ。ゴメスはフランスのジュフェと接戦、最終セクションまで勝負がわからない展開だった。
ジュフェは22歳になったばかり。ゴメスには2点差で表彰台を逃したが、ゼッケン2のクックには3点差で勝利した。JTGでの初大会は、悪くない結果となったようだ。
クックの5位は、さぞや不本意だったことだろう。3位まで5点差。熾烈な3位争いに敗れた26歳だった。

オレンジのスコルパも走っている。こちらもイタリア娘
6位はスペインのマレイア・コンデ、7位にオーストラリアのクリスティ・マッキノンが入っている。南半球からの長旅だったが、マッキノンは自身最高位の結果を残した。
明けて翌日曜日、やはり勝利はライア・サンツのものとなった。この日は前日以上に点差が開いての勝利だった。ライアの減点は両ラップともに3点。2位にはゴメスが入ったが、その減点25点。圧勝だった。ゴメスは昨日に続き、自己最高位を更新している。
3位はクック。前日の低迷から表彰台復活だが、ゴメスと同点の1点の数の差での3位だから、ちょっとくやしい結果となった。

はるばる南半球から遠征。オーストラリアのクリスティ
ブリストは4位。2位以下が土曜日と日曜日で割れた結果、ライアのチャンピオンシップのリードはいきなり8点。ランキング2位はゴメス。さらに2点差でブリストとなっている。
女子世界選手権は、このあと3ヶ月のインターバルを置いて、スイスで3試合開催される。最終戦はトライアル・デ・ナシオンの前日の金曜日になる。
■結果

土曜日の結果

日曜日の結果