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バルセロナで藤波が3位
2月10日、Xトライアル第2戦は、スペインのバルセロナで開催された。インドアトライアルの中でも、規模といい、トライアルのメッカ、バルセロナでの開催といい、もっとも重要なインドアとされている大会だ。
優勝はお定まりのトニー・ボウ。開幕戦はアルベルト・カベスタニーに詰め寄られたが、今回は圧勝といってよかった。2位は前回表彰台を逃したアダム・ラガ。そして3位表彰台に、やはり前回表彰台を逃していた藤波貴久が入った。

セミファイナル以降、藤波らしい切れ味を発揮。見事表彰台を獲得した。
バルセロナは、トライアルのメッカ。世界のトライアルメーカーは、ほとんどがバルセロナに拠点を持っている。しかも、ライダーの出身もバルセロナ近郊が多い。マンマシンともに地元での戦いは、いつにも増して気合いが入るところだ。

外周はエンデューロ。内側がトライアルの会場となっている
会場は、ここ数年の恒例となった、インドアエンデューロとの併設。外周をエンデューロが走り、インフィールドにトライアルのセクションがある。
スペイン製のインドアセクション(構造物はいつもだいたい同じもので、インドアスペイン選手権でも同じものを使うことが多い)は高さのあるトリッキーなものが多い。今年はだいぶ傾向が和らいだというが、それでもスペインのインドアの特徴は保っている。

トニー・ボウ。ウェアの色あいがちょっと変わった。
クォリファイは8名が出走。ランキング順(イコール開幕戦の順位だが)の下位4名でくじ引き、上位4名でくじ引きをした結果、最初に走るのがチャロナー。以下、ラガ、グラタローラ、藤波となった。上位4名はボウ、ファハルド、カベスタニー、フェレル。ルーキーのフェレルは、前回5位となったおかげで、いきなりオオトリを務めることになった。


7位と8位に終わったマテオ・グラタローラ(左)とアレッシャンドレ・フェレル
ここで好調だったのがラガ。ふたりめの出走順と、くじ運は悪かったが、第2セクションで1点をついただけのたった1点で5セクションを走り終えた。チャロナーは第1での1点以外は全部5点、グラタローラはすべて5点。そして藤波は、第1セクションで5点となって第3で1点。チャロナーと同点となって上位陣の結果を待つことになった。上位陣の4人が全員藤波とチャロナーの減点を上回れば、ラガと合わせて5人のセミファイナル進出が決まる。そうなれば、最後の1名は藤波とチャロナーのタイブレイクの結果次第ということになる。
上位陣、最初に走ったボウはあっさりオールクリーン。続くファハルドは5点二つで10点。カベスタニーも5点となったセクションは異なるものの10点。ボウ、ラガ、ファハルドとカベスタニーのセミファイナル進出は決まった。
最後に走ったフェレルは、前回の好調ぶりはどこへ。やはりルーキーらしい走りとなってしまってオール5点。これでセミファイナル進出は、21点で同点となっていた藤波とチャロナーの二人に決まった。ボウとは21点差、ファハルドらとも11点差だが、クォリファイの結果はこの先は同点とならない限りは参照されないから、セミファイナルについてはゼロスタートの気分で臨める。

■セミファイナル
ボウ、ラガ、ファハルド、カベスタニー、藤波、チャロナーの6人によるセミファイナル。
クォリファイはお客さんがいない非公開で、ひとりが5セクションを走る形式だったが、ここからはひとりが1セクションずつ走って勝負を決める。
セミファイナルの最初のメニューであるダブルレーンは、藤波、ファハルド、ボウが勝利した。スペイン人4人と日本人とイギリス人による戦いの始まりだ。

イギリス代表チャロナーは第1セクションはクリーンするも……
最初にトライするのはチャロナー(クォリファイで藤波とタイブレイクをおこない、藤波が勝利したから)。第1のチャロナーはタイムオーバーの1点(クリーンしても、制限時間をすぎると30秒ごとに1点の減点となる)、藤波も同じようにタイムオーバーの1点だった。他の4人はクリーンだった。
第2セクションではチャロナーだけが5点。藤波がタイムオーバーの1点で、他の4人はクリーン。セミファイナルは4セクションのみの短期決戦だ。第2セクションを終えたところでチャロナー7点、藤波2点、カベスタニーとラガが1点、ファハルドとボウは0点。チャロナーと藤波はセミファイナル敗退の恐れが出てきた。

前回2位から、今回は……。アルベルト・カベスタニー
第3セクション。チャロナー5点の後、藤波がここをクリーン。その後にトライしたカベスタニーとファハルドが5点となった。ラガとボウはクリーン。これでチャロナー11点でセミファイナル敗退が決定、カベスタニー6点、ファハルド5点、藤波2点、ラガとボウが0点となって、最後のセクションとなった。
最後のセクションは、結果ボウを含む全員が5点。ファイナル進出は、ボウ(5点)、ラガ(6点)、藤波(7点)、ファハルド(11点)。カベスタニー(12点)とチャロナー(17点)がセミファイナル敗退となった。

■ファイナル
今年2回目のXトライアル、ファイナル。最初のダブルレーンでは、ボウとファハルドが勝利者となった。藤波とラガは負けて1点減点。
ちょっと前は、ダブルレーンは藤波が強かったのだが、最近のXトライアルではダブルレーンが勝負に影響するウエイトが大きくなり、参加ライダーみんながダブルレーンに強くなっている。中でも抜きんでているのはボウだが、それ以外のスペイン勢と藤波は、ダブルレーンについてはほぼ同レベルとなっている印象だ。

今回は4位。ジェロニ・ファハルド
第1セクションは、ボウとラガがクリーン。ラガはタイムオーバー1点があり、藤波は1点にタイムオーバー1点。さらにファハルドは1点とタイムオーバー2点。
第2セクションはファハルドと藤波が5点、ボウは減点2にタイムオーバー1点。ボウはクリーンするもタイムオーバー1点。しかしここまで、セミファイナルの順位の逆順に減点を重ねていくから、順位の変動は起こりにくそうだ。
第3セクションは、ボウ以外の3人が全員5点。わかりやすいが、勝負の流れは単純になってしまった。

最後は離されてしまったが、今回ボウに肉薄したのは、アダム・ラガだった。
そして最後の第4セクション。ここで藤波が踏ん張った。5点となったのはファハルドとラガ。藤波は減点1にタイムオーバー2点の3点。ボウはクリーンでタイムオーバー1点(それにしても、Xトライアルのルールは文字にすると分かりにくい)。
ファイナルの4セクションとダブルレーン、それにセミファイナルの減点を全部加えると、優勝のボウは7点。2位はラガで21点、藤波が3位で23点だった。ファハルドはちょっと離れて28点。
終わってみれば、藤波は2位も狙えた結果だった。前回7位のラガが躍進で2位、前回2位のカベスタニーが5位と、今年は順位の変動が大きいのはおもしろい。ただし1位はどうやら安泰のようだ。

ランキングはボウが40点でダントツ。カベスタニーとファハルドが21点で同列ランキング2位。ラガが19点、藤波が17点で続いている。
次回第3戦はスペインのマラガ。全日本開幕戦が開催されるはずだった3月2週目の土曜日となる。


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