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ボウ、ようやくリーダー奪還のスペイン

6月23日、スペインはマドリードの北西のボブラドーラで、スペインGP開催された。優勝はトニー・ボウ。これでようやく今シーズン初めての2連勝。アンドラで奪われていたランキングトップの座も、取り戻している。藤波は2位争いをしながらも4位。

早くも頂上決戦。アダム・ラガ(左)と白いゼッケンをつけるトニー・ボウ
今回の世界選手権は第4戦、そして7回目のトライアルとなる。第1戦は日本GPもてぎ、第2戦はアメリカ、第3戦はアンドラと数えるのが一般的だが、今回のスペインGPは日曜日1日しか試合がない。2日間のGPと1日だけのGPが、両方第何戦と勘定されるから、シーズンでいったい何戦があったのかがわかりにくい。こういうあいまいさを残したまま進んでいくのが、ある意味のヨーロッパでもある。
さて、アンドラ大会の1日目でランキングが入れ替わって、アンドラの日曜日と今回と、2回連続で白いゼッケンをつけることになったトニー・ボウ。
いま世界選手権では、ランキングトップの選手は黒いゼッケンを着用することになっている。これまで、黒いゼッケンといえばボウの専売特許だったが、ボウ以外の選手が着用することもあるんだなぁというのが、アンドラの結果で得た再確認事項だった。
セクションは、2年前とほとんど同じだったというから、2年間のマシンやテクニックの向上っぷりを差し引いても、ノンストップルールにはむずかしいのではないかと思われたが、ボウとラガはもっとむずかしくしろと主催者に迫ったという。
しかし開けてみたら今回のオブザーバーは、アンドラよりもさらに厳しかった。結局、日本、アメリカ、アンドラ、スペインと、採点の携行はいまだ統一されておらず、アメリカで甘めになったかと思えばアンドラで厳しくなりスペインでさらに厳しくなり、いっこうに統一見解が出てくる気配がない。
ノンストップルールのおかげで、ボウの独走が阻止されているのはどうやら明らかだ。特に、ノンストップ向けの味つけをしてセクションが簡単になったらその携行は顕著で、今回のように5点の多い大会となると、それでも相変わらず、ボウは強い。
12セクション3ラップの1ラップ目、ボウは早くも独走体制をつくりつつあった。2番手はアルベルト・カベスタニー、3番手が藤波貴久だった。ボウのチャンピオン争いのライバルのラガは、1ラップ目には8位とびっくりの低迷ぶり。ただし2位カベスタニーは25点、3位藤波は35点で、8位ラガが40点だから、接戦が繰り広げられていたわけだ。
2ラップ目3ラップ目、ボウは1ラップ目のアドバンテージをしっかり守り、ラガの追撃を突き放して勝利した。1ラップ目のスコアを見れば、今日も安心してみていられる試合であることにはまちがいないのだが、今シーズンのボウはちょっとあやういところがあるから、1ラップ目のアドバンテージを守った今回のボウの勝利は、シーズンの行く末を占う意味でも、重要な結果となるにちがいない。
それにしてもしぶといのはラガだ。1ラップ目の結果のまま、8位で試合を終えていたら、チャンピオン争いもいきなり厳しいものになる。しかしラガは2ラップ目3ラップ目とよくもりかえして、最後には2位カベスタニーと同点までたどりついた。そしてクリーン数はラガが3つ多く、これでラガの2位が決定だ。優勝はできなかったが、最後には2位のポジションまで復活してくる勝負強さ。ラガの強さも、あらためてこの大会で光っている。
ラガが8位から2位に浮上してきたため、藤波は4位。カベスタニーがランキング争いでついに藤波と同点で並んだが、優勝経験のある藤波がランキング3位をキープしている。

スペインでは2位争いをしながら4位となった藤波貴久
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