© トライアル自然山通信 All rights reserved.
藤波、まず1日目を勝利
「ウイダー日本グランプリ」1日目(土曜)
藤波貴久優勝!!
世界選手権第3戦日本大会「ウイダー日本グランプリ」
栃木県/ツインリンクもてぎ
5月22日、もてぎは、またも雨だった。台風2号は金曜日のうちに通過して、金曜午後には汗ばむほどの陽気になったのだが、明けて土曜日は、朝から霧に包まれ、そのうちしとしと雨も降ってきた。昨年のように本降りではないのがせめてもの救い。
ここまでランキング3位の藤波は、ここで一気にライバルに追いつき、追い越したい。その勢いが、そのまま結果に出た。1ラップ目、藤波の減点はたったの2点。クリーンにリスクのある第1セクションと難セクションの第8セクションの2ヶ所で1点ずつをとったのみ。圧倒的な強さを見せつけた。ランキング争いのライバル、ラガは1ラップ目6位と出遅れ、ランプキンは2位。ランプキンのしぶとさはあいからずだ。

ところが2ラップ目、この調子のよさが、逆に2ラップ目の藤波の足を引っ張ることになった。1ラップ目にクリーンした6セクションで1点つくと、3点、そして5点と調子を崩していく。この5点は、カードへの接触をとられたものだった。さらに12セクションでも1点をついて、ここでついにランプキンに1点差に迫られた。もう1回も足をつけない緊迫の状況だ。
ここから藤波がふんばった。残る3セクションをすべてクリーンして、わずか1点差ながら、3年連続、ウイダー日本GPの1日目の勝利を飾った。
ラガは2ラップ目に3点で追い上げ3位。ランキングのトップ3が表彰台を占め、ランキングはランプキンが再びトップ。1点差でラガ、藤波がランプキンに3点差で3位となっている。
すべてのトライアル関係者の注目を集めたホンダRTL250Fは、小川友幸のライディングでデビュー。初めてのワークスチームでの大会、初めての4ストローク、しかもニューマシンのデビュー戦と、初めてづくしの小川は1ラップ目を11位、しかもタイムオーバー7点。しかし2ラップ目の小川は文句なしだった。1点以上の減点はなし。2ラップ目だけでいえば、なんと3位の好成績。この日の結果は9位だった。
小川自身のライダーとしての実力をいかんなく見せつけたのはもちろん、4ストロークの可能性を実証した貴重なリザルトとなった。
この小川に5点差で8位となったのは黒山健一。黒山はスタート直後に電気トラブルが発生し、長い修理を経て試合をはじめることになった。このタイムオーバーが6点。これがなければさらに上位に食い込めるところだったが、楽しく世界選手権を戦う姿が印象的だった。

今シーズン、ここまで1ポイントも獲得していない野崎は、はじめてまともに世界選手権を戦い、10位。大きな満足を得ていた。
11位にトニー・ボウをはさんで12位に「あと20点は減点を減らせたはず」とくやしがる田中太一。背中にダメージを負っている渋谷が13位に入った。世界選手権第3戦日本大会1日目結果
1 藤波貴久 13点
2 ドギー・ランプキン 14点
3 アダム・ラガ 18点
4 グラハム・ジャービス 28点
5 マーク・フレイシャ 30点
6 ジェロニ・ファハルド 36点
7 アルベルト・カベスタニー 37点
8 黒山健一 42点
9 小川友幸 47点
10 野崎史高 48点
11 アントニオ・ボウ 57点
12 田中太一 60点
13 渋谷勲 67点
14 シャウン・モリス 68点
15 タデウス・ブラズシアク 75点
○世界選手権シリーズポイント
1 -ランプキン 84/2-ラガ 83/3-藤波貴久 81/4-カベスタニー 67/5-フレイシャ 60/6-ファハルド 50/7-黒山健一44/8-ジャービス 40