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藤波、2日間パーフェクト勝利!

ついに両日優勝を果たした藤波
「ウイダー日本グランプリ」藤波、両日優勝!
シリーズランキングトップへ!
世界選手権第3戦日本大会「ウイダー日本グランプリ」
5月23日(日)栃木県/ツインリンクもてぎ
藤波貴久が、悲願の2日間パーフェクト優勝を達成した。
わずか1点差ながら、3年連続で日本GPの土曜日を勝利した藤波。しかしそれは、2日間パーフェクト優勝の序章でしかない。事実土曜日に勝利した藤波は、周囲の祝福の声にも、いまひとつ喜びをあらわにしないでいた。
「喜びは日曜日にとっておいて、大喜びをしないようにしていた」という藤波だった。
そして日曜日、お天気は曇り。岩にこびりついた泥はいまだ湿り気を含んでいて、難易度には大きな変化はない。セクションコンディションだけでなく、試合展開も、土曜日と似た状態で始まった。藤波は1ラップ目に好調をアピールする走り。15セクションのうち、足をついたのはわずかに1セクション。つるつるの泥を駆け上がる第8セクションで3点をカウント。これがこのまま藤波の1ラップ目の減点となった。
対してランプキンは、4つの1点、そして3点と5点がひとつずつで1ラップ目は3位。8セクションまでオールクリーンを続けていたフレイシャが2位で試合を折り返した。
2ラップ目、藤波は第6セクションで1点、これはまだ余裕の範囲。10セクションでは入り口でミスをして、安全策から3点を献上した。しかしここでもまだ、藤波はリードを守って勝利を確信していた。ところが次の11セクション、段々岩の最後でまさかの5点。
「タイミングもあっていなかったしアクセルも開けきっていなかった。最悪だった」という痛恨のミスとなった。このミスで、なんと藤波のリードは帳消し。藤波を追っていたのは、1ラップ目から一転、次から次へとクリーンを叩き出してきたランプキンだった。
藤波、ランプキンがともに12点で最終セクションへ。ランプキンに先行すること約15分、藤波がまずここをクリーン。情報では、わずかなクリーン差で藤波の勝利と伝えられるが、前日同様、結果が出るまでは安心できない。そしてランプキンが最終セクションをクリーン。ランプキンのクリーンは24。藤波は26! ここで、藤波の日曜日の勝利が決定、これはそのまま、2日間のパーフェクト優勝実現、ということになった。

4ストロークNEWマシンを
2日間とも9位へ導いた小川友幸
3位は、2ラップ目をたった5点にまとめながら、ランプキンの2ラップ目オールクリーンの前に2位の座を明け渡したマルク・フレイシャ。
4位は今シーズンめきめきと頭角を現しているジェロニ・ファハルド。完全にトップグループの仲間入りをしての戦いぶりだった。
もてぎに入るまでランキングトップだったアダム・ラガは、後輩ファハルドに2点差で5位。ランキングも一気に3位に後退してしまった。
前日の2ラップ目にはラップ3位の驚異の成績を残した4ストロークのホンダRTL250Fと小川友幸は、この日も序盤はぎこちない走りを見せる。しかし2ラップ目には、3回の減点でわずか8点。前日と同じく、2ラップ目に点数をまとめ、これまた前日と同じく9位のリザルトを残した。
「マシンへの慣れが決定的に足りないので、試合の序盤は2ストロークの乗り方になってしまっている。2ラップ目に点数がまとまるのは、4ストロークの乗り方がからだになじんでくるからだと思う」
つまりマシンへの慣熟が進めば、さらに上位も可能ということだ。小川友幸の実力、そして4ストロークのニューマシンの可能性を、見事に証明した2日間となった。

第8セクションを行く藤波

2位のドギー・ランプキン
黒山健一は、この日は小川に1点差の10位。設定変更で難セクションとなった10セクションで胸を岩盤に強打し、痛みをこられながらのライディング。あとでろっ骨の骨折ということがわかったが、この負傷をおしてこの成績。さすが黒山といえる。
黒山に続いては野崎史高、田中太一。9位から12位までを日本の世界ランカーが独占することになった。ただし、この日は渋谷勲がポイントを逃してしまった。
日本のファンに華麗な走りを見せつけたライア・サンツは、この日は5人参加のジュニアカップで5位となった。しかしその走りが完全に女性ばなれしていることは、誰にも理解できたのではないだろうか。
この日の勝利で、藤波はランプキンと同点ながら、勝利数でランキングトップに躍り出た。このパーフェクト勝利で、今シーズンのチャンピオン争いに、一気にはずみをつけたいところだ。
世界選手権第3戦日本大会2日目結果
1 藤波貴久 12点(C/26)
2 ドギー・ランプキン 12点(C/24)
3 マーク・フレイシャ 13点
4 ジェロニ・ファハルド 18点
5 アダム・ラガ 20点
6 グラハム・ジャービス 22点
7 アルベルト・カベスタニー 28点
8 アントニオ・ボウ 29点
9 小川友幸 32点
10 黒山健一 33点
11 野崎史高 39点
12 田中太一 49点
13 ジョセップ・マンサノ 51点
14 サム・コナー 53点
15 タデウス・ブラズシアク 54点
○世界選手権シリーズポイント
1-藤波貴久 101/2 -ランプキン 101/3-ラガ 94/4-カベスタニー 76/5-フレイシャ 75/6-ファハルド 63/7-ジャービス 51/8-黒山健一 50