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藤波表彰台に(インドア・グラナダ)

藤波の走り
表彰台を獲得した藤波貴久

 アダム・ラガ絶好調の2005年インドア世界選手権。1月30日のグラナダ大会でもラガは4勝目を挙げたが、一方藤波貴久が表彰台を獲得。ここ2戦のクォリファイ敗退の雪辱をはたした。


 それにしても、ラガの勢いは止まらない。2年連続でチャンピオンとなった昨年は序盤に苦戦をした。それでも結果的には圧勝の感があったのに、今年は今の時点でまったく負ける気配がない。毎戦スタートオーダーを変えて、全員に公平性を持たせるという今年のルール変更によって、今回のラガはワイルドカードのベシュンについでの二番手スタート。第2戦での藤波はこれでだいぶ苦しい戦いとなったのだが、ラガにはそのハンディも大きな問題とならず。ランプキンが23点をとったクォリファイラップでたったの5点と実力を見せつけた。
 もっとも、今シーズンのラガは、ライバルに比べて試合環境が落ち着いているともいえる。今のところ、ラガを脅かす最右翼のカベスタニーは、シェルコに乗り換えたばかりだ。結果から見る限り、そんなに乗り換えに苦労しているようには見えないが、環境の変化が落ち着くまでには、やはり相応の苦労があるにちがいない。

ラガの走り
ラガに死角なし?

 そしてモンテッサの3人は、もちろんニューマシンの熟成に忙しい。こと藤波に関しては、第3戦まで毎回マシンが変わるというあわただしさだった。今回グラナダではトゥールーズと同じマシンに乗ったが、試合が翌々日なのだから、こちらはスケジュールのほうがあわただしい。チームは焦点をアウトドアの選手権に置いているから、インドアでの現在の苦戦は予定の範囲なのだろう。インドアは日常、なかなか練習できるものではない。まして、開発中のニューマシンとインドアセクションの相性は、毎回ぶっつけ本番。これが現在のモンテッサ3人衆の置かれた境遇だ。
 そして6人目のライダーのファハルドは、インドア世界選手権を戦うのは今年がはじめて。ラガと同じチームで慣れたマシン、スペインでは世界選手権以外にもインドアが盛んという背景を考えても、はじめてははじめて。今年のラガが、勝つべくして勝っているのも、なかば当然かもしれない。

表彰台のラガ
4連覇のラガ。まったく無敵

 さてクォリファイ、ベシュンに続いてスタートしたラガは、さすがにうまさを見せつけた。藤波も「うまいなぁと感心しながら見ていた」という走りで、スタート順のハンディはまったくない。もっとも、スペインのインドアで使うセクションは、スペイン選手権(インドア)でも使われているものであり、ラガにははなからお手のものだったという事情もある。とはいっても、うまさが抜群なのはまちがいない。
 ラガは8つのオブザーブドセクションをたった3点で走りきった。ベシュンは8セクションでクリーンひとつ、タイムオーバーも加えて39点。ほとんどオール5点に近い。ただしその後、なんとハイジャンプでバーを落として2点を加えて、クォリファイラップを5点で終えた。もちろん、断然トップである。
 藤波は、前回の雪辱をはたすことができたようだ。結果的に、ラガとファハルド、ガスガスのライダー以外は全員失敗したビッグステップ以外は、ラガが足をついたセクションをクリーンして、7点でオブザーブドセクションを終えた。しかし今回は、珍しくてスピード競争のダブルレーンで藤波が負けた。藤波はラガと勝負する組み合わせで、いい勝負を展開していたのだが、途中のセクションでちょっとひっかかった瞬間、ラガにリードを許して敗退した。マシンとのコンビネーションはぐんぐんよくなっている藤波だが、毎回仕様が異なるマシンに、スピードレースというトライアルとは少し次元のちがう勝負。ギヤの選択や、とっさの反応などに、慣れていない部分が出てくるのかもしれない。

カベスタニーの走り
シェルコライダーも板についたか。カベスタニー

 カベスタニーは、堅実に選手権を進めている。昨シーズンはファイナルに進出できないこともあったのだが、今年はファイナル進出率100%で、ファイナルでもランプキンに一度負けただけで2位が指定席となりつつある。マシンの乗り換えでライディングの見直しなどを迫られているはずだが、試合に対する安定感は、昨年以上のものが感じられる。安定度に欠けるのがカベスタニーの仕様だったから、今シーズンの彼には要注目だ。
 ファハルドと同点ながら、8セクションのタイム差で4位を獲得したのがフレイシャ。同点といっても、ファハルドの点数のうち5点はタイムオーバー減点だから、ファハルドにしてみれば、タイムオーバーで減点をとって、さらにそのタイムオーバーで4位の座を失うのだから、踏んだり蹴ったりというところだが、ルールだからしかたがない。フレイシャは、無事に4位を獲得しているところを見ると、トゥールーズで負った指の負傷は、大きな問題ではなかったようだ。
 さて、今回レギュラー組の中で最下位となってしまったのは、ランプキンだった。ルーキーのファハルドに6点もの差をつけられての7位で、なにがあったのかと心配される結果だが、真相はちょっとしたマシントラブルだった。
 序盤、ランプキンはとても好調だった。少なくとも、ファイナル進出を争う権利は持っていた。ところが例の、ほぼ全員が落ちたポイントで、ランプキンのマシンはアクセルホルダーがひしゃげてしまった。これ自体は、大きなトラブルではないが、持ち時間の限られているインドアでは、試合中に修理をすることはできない。即座にスペアマシンに乗り換えることになったランプキンだが、今のモンテッサは、スペアマシンと本番マシンを同一仕様にするところまで、作業が進んでいない。スペアマシンは、スタンダードだった。まったく乗り味のちがうといっていいマシンに乗り換えて、ランプキンは苦戦。結局その後のセクションをすべて5点となって、敗退していくことになる。
 ただし、そのランプキンでもハイジャンプはクリーンしている。ハイジャンプで減点したのは、5点になったベシュンのほかは、ラガの2点とカベスタニーの1点。不思議な結果となっている。

表彰台

 ファイナルでは、藤波だけが5点になったセクションがあって、これで藤波の3位が確定的となり、ラガだけしか抜けられなかったセクションがあって、これでラガの勝利が確定的になった。そして藤波は、ダブルレーンでラガにもカベスタニーにも敗退した。理由はクォリファイと同じようなことだが、藤波には珍しい競争で負けるというのも、開発途上の苦しみといったところだろうか。
 今後、マシンの開発が進んでいき、それに伴いライダーがマシンに慣れていくにしたがって、あるいは打倒ラガも夢ではないポテンシャルを持つことになるかもしれない。しかしシーズン後半にはロシア大会やアルゼンチン大会と、遠方の大会が組まれている。インドアへの参加は、チームにとっては負担が大きい。スペアマシンを含めて、ライダー一人に対して2台ずつのマシンを用意しなければいけないからだ(そういう規則になっている)。もし“勝てるマシン”が仕上がったとしても、今シーズンのインドア世界選手権に、そのマシンが投入されるかどうかは、微妙だという。チームもライダーも、目指すものはアウトドアでの世界タイトルだからだ。
インドア世界選手権第4戦結果表

ファイナル
1 アダム・ラガ 18
2 アルベルト・カベスタニー 22
3 藤波貴久 28
クォリファイ
1 アダム・ラガ 5
2 藤波貴久 8
3 アルベルト・カベスタニー 10
4 マルク・フレイシャ 17
5 ジェロニ・ファファルド 17
6 ドギー・ランプキン 23
7 ジェローム・ベシュン 44
ランキング
1 アダム・ラガ 40
2 アルベルト・カベスタニー 30
3 ドギー・ランプキン 22
4 藤波貴久 21
5 マルク・フレイシャ 15
6 ジェロニ・ファハルド 13
7 トニー・ボウ 5
8 ジェローム・ベシュン 5
9 タデウス・ブラズシアク 2
10 野崎史高 1

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