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SSDT 5日目

 5日目、金曜日は恒例で、これまでとは反対方向に向けて走り、コランフェリーというボートに乗って半島に渡るコース。舗装路が多く、これまでの4日間とはちょっと趣向がちがう。とはいっても、舗装路ばっかりではないし、厳しい要素はあいかわらずだ。
 日本人勢は、神部、宮川、野牧の初出場組がすべてリタイヤとなった。猪倉さんはタイムオーバーで失格だが、賞典外で5日目のリザルトに残っている。競技者として生き残っているのは、森、杉谷、小林の3人。
 この日トップに躍り出たのはサム・コナー。パスケットが6点の失点をし、コナーはたったの1点。これでコナーは3点差のトップだ。5位までが4点差で最終日を迎えるという、なかなか接戦のSSDTとなっている。


 失格したりリタイヤした選手は、賞典外でイベントを走ることが許されているが、神部さんと宮川さんは、早々にマシンを返したということだ。それぞれ、マシンとからだがぼろぼろになっているから、最終日を走るのは無理という判断も当然かもしれない。マシンを返して、車の中で休憩したとたん、ふたりともおおいびきで何時間も爆睡してしまったとのこと。これまでの緊張感というか疲労が一気に吹き出したという感じなんだろう。お疲れさまでした。杉谷を見ていると、肉体的疲労は3ヶ月くらいでとれます。それくらいはなんとなくひきずるみたい。でもそれ以上に強烈なのは、今までやってきたトライアルは、SSDTにはあんまり通用しないという精神的プレッシャーのようです。こっちのほうが、長くかかるかもしれません。それで、杉谷は毎年SSDTに参加し続けてるんですね。
 この日は、J Bakerという選手がオールクリーンで帰ってきた。彼は総合11位。サム・コナーはたったの1点。ジャービスには5点があって、これで減点を増やし、順位を落としてしまった。6日間の長い競技で、1貝の足つきが勝負を決めるのだから、これ以上ない神経戦といえる。しかし同時に、その神経戦が、多くの人たちにとっては肉弾戦となるというところも、強烈なコントラストだ。パリダカールラリーを見ていてもおんなじようなことを思った。トップと下位グループは、同じ舞台で競技していても、まったくちがう戦いをしているのだ。
 ということでトップはサム・コナー、この日1点、トータル15点。コナーがこのまま勝利に突き進むかどうかはまだわかんないけど、世界選手権でもなんとなく線が細い彼のこと、こういったメジャータイトルを制覇できれば、ライダーとして大きな成長が期待できる。
 2位は、これもメジャータイトルがほしいジョルディ・パスケット。この日6点で18点。6点も失点して3点差だから、パスケットの逆転の逆転はまだまだ可能性がある。
 3位はベン・ヘミングウェイ。この日3点で19点。19点には3人が並んでいる。ヘミングウェイの他に、ジェームス・ダビル、アモス・ビルバオのふたり。このあたりまでは勝利の可能性があるんじゃないかと思う。ビルバオ以外は、誰が勝っても初優勝だ。
 その次、6位にはグラハム・ジャービス。ジャービスは何度も優勝経験があるし、まだ挽回のチャンスがあるといいたいところだが、上位陣がそろって5点以上の減点をとってもらわないといけないので、勝利を目指すには苦しいのは確かだ。
 ジャービスに2点差で7位は、スティーブ・コリーで総合25点。ジャービスとコリーは、SSDTの勝利を争う常連だった。彼らもちょっと失速気味というところかな。
 ジェームス・ランプキンは21位、総合62点だが、この日は6点で帰ってきた。ハリー・ランプキンは96点で28位。
 1枚目(1枚目は42位までがのっている)の最後の方、41位にカルロス・カサスさんという人がいる。この人、スペイン人なんだけど、めゃちめゃちにうまいし、この大会にはずっと出続けている。スペイン人だから、スコットランドの大地には最初はてこずったと思うけど、今や確実にこのポジションをキープするようになっている。おじさんだし、日本でいえばとっても上手なツートラおやじという感じだと思うけど、日本のツートラおやじで、カサスさん並に走れる人は、残念ながらまだ現れていない。
 2枚目も上のほう、44位にライア・サンツ。ぐんぐんリザルトがあがっている感じ。この日の減点は14点、トータルで124点だが、この調子なら、来年はもっと好成績が期待できそうだ。今から来年の話をすると鬼が笑うけど、SSDTは1年では結論が出ない。何年も出続けている杉谷は日本では変人みたいだけど、かの地ではそれが当然。日本のみなさんは、一勝の思い出に1回出場するという感覚が多いみたいだけど、カサスさんやボイタみたいにこれに出続ける人が、杉谷以外にももっといていいのになぁ(今、SSDTに熱心に参加し続けているのは、今回出場している小林由利子さんと、神奈川県スナップリングの高橋利光さんのふたり。ふたりとも、参加できるときに参加するかたちで、3年に2回ペースで出場している)。
 ライアはニューカマー(新人)クラスで5位につけているが、4位まで後3点。4位進出の可能性はある。
 2枚目、ライアのすぐ下、50位にはナイジェル・バーケット。かつては世界選手権のポイントランカーで、TYZの改造マシンを持ち込んで「このマシンを木村に見せて、新しいのを作ってもらってくれ」と熱心に語っていたのが印象的でした。今はちゃんとスコルパに乗っているのかな? それともまだ自作のマシンに乗っているんだろうか。いずれにしても、ヤマハファンの人です。彼は今年から、イギリスのスコルパのインポーターになった(去年まではマーチン・クロスウェイトがやっていた)。だから今回は自作ではなく、スコルパに乗って走っている。いずれにしても、ねっからヤマハファンの人です(この部分、アルプスヴァンの秋山さんから情報を教えてもらって、修正しました)。
 3枚目。上から2番目が森進太郎。86位。本日51点で総合248点。このへんは1点減点がちがうと順位が5番くらいちがうから、超神経戦です。神経戦だと思って走れているかどうか、現場の状況はよくわからないけれど。
 イリス・クラマーは107位。この日62点、総合285点。
 杉谷は、この日は4日間の疲労がたまりにたまって、クリーンセクションでポロポロ足を出したとのこと。足が出なくてそのままポテンと転ぶことも多かったという。本人は「ずいぶん順位を落とした気がする」と報告してきたが、きのうよりポジションは5つ上がっている。みんなくたびれているのだ。
 杉谷の疲労は特に両手首にきていて、痛みと戦いながら走っている。だからムーアは遅いしセクションは行く気で攻められない。けっこう弱気だということだ。弱気でも、走り続けていればいいことがあるよ。
 杉谷はゼッケン48で、ゼッケン50がライア。ビルバオが69番。周囲には、イギリス人のうまいやつがひしめいている。いつもは、もうちょっとなさけないやつとかが入り乱れて組まれていたんだけど、今年はたまたまなのか、杉谷はじょうずな中に放り込まれてしまったわけだ。だからみんなといっしょに走れるものだと思って突っ込んでいくと杉谷だけはまっておいてけぼりになるという悲しい状況が続いているようだ。はまるだけならいいけど「おれってへたっぴだなぁ」と、気持ちもどんどん落ち込んでくるにちがいない。杉谷ばかりどたばたで、調子が出ないと嘆いている。みんなすすスッと行くから、僕もそのつもりで行くとえらいことになる。ライダーのレベルを考えれば、当然なのだけれど、こういうのは、理屈じゃない。ツートラでは、初心者を上手な人が連れて参加する光景を見るけど、へたな人がまわりにいると、自分がことさらうまくなった気がして、気分よくトライアルできる効果ってのも、あるかもしれません。初心者はベテランの人といっしょに走るのは安心なんだけど、実は今回の杉谷のような状況に落ち込んでいるかもしれないなーと、スコットランドに思いをはせながら思ってしまいました。
 5枚目には、きのう紹介したボイタがいる。184位。タイムオーバーはなく、本日81点でトータル469点。
 この日は、時間設定には比較的余裕があるから、この日のタイムオーバーはほとんどない。といっても、らくちんじゃないし、これまでの疲労があるから、いちがいに楽だといってしまうと、走っているひとから怒られそうだ。
 半島巡りのこの日のコースは、舗装路が多いが、細くてクネクネ。アップダウンもあってなかなかエキサイティングな道のりだったとのこと。ベテラン参加者たちはこういうところもリヤを流しながらガンガンいく。同じペースでついていくとあぶないったらないという杉谷の感想だ。もともと湿地帯だったところに苦労して道路を造り、やがて舗装した道だから、舗装路といってもムーアの丘をクネクネ激しく駆けめぐる。イギリス人やトップライダーたちは、おっかなびっくり走る杉谷を尻目に、がんがん走る。
 杉谷の観察によると、イギリス人はコーナーのずっとその先が見えているようだという。すごい勢いで杉谷を抜かし、次の瞬時、杉谷の前の四輪車を抜かしていく。乗用車も絶妙のタイミングで道をゆずる。こういう舗装路バトルもSSDTの内容のうちなので、ある程度こういう中に身を投じていかないとオンタイムはむずかしい。SSDTには、エンデューロ、モトクロスにロードの要素もあるのではないかと杉谷は言うが、もともと、SSDTが発展してエンデューロに枝分かれしたことを考えると(当時はロードレースという感覚はなかったと思う。舗装路なんかなかったはずだから)そのとおりなのだろう。それで得た杉谷の結論は「イギリスのモータースポーツに参加するのに、日本の交通事情の中で育ったことが、すでにハンディ」というものだった。そう、SSDTは、日本の感覚でいえば、トライアルではない。世界の感覚でいえば、日本のトライアルは、ほとんどの場合、トライアルじゃないのかもしれない。
 リザルト6枚目、最下位は241位。30人がリタイヤしている。それでも、日本人のリタイヤ率を考えると、ずいぶん少ないという感じだ。みんな、SSDT慣れしているんですね。
 小林由利子さんは231位。この日131点、トータル701点。きのう60分ぴたりのタイムオーバーだった失格の危機は、どうやら無事だった模様。やっぱり、60分以上のタイムオーバーは失格という判断基準が、日本とヨーロッパではちがうようです。小林さんは大喜びで元気に5日目をスタートしていったということでした。この日もオンタイムでゴールした。
 きのう失格した4人の日本人の中では、唯一猪倉さんだけが5日目に出走した様子。猪倉さんには賞典外の印がついているが、リザルトにも名前は残されている。この日は137点でタイムオーバーはなし、トータルは779点だが、もちろん、最終結果では、猪倉さんは削除されてしまう。 
 40歳以上クラスでは、杉谷は26位、由利子さんは75位。失格者がまわりにうろうろいるから、最終結果はもう少し上位になるはずだ。
 女性クラスの4人は、それぞれまったく別の道を歩んでいる感じ。ライア・サンツは124点(この日までのトータル、以下同じ)、イリス・クラマー285点、ケティ・サンター481点、小林由利子701点。それでも、出走した4人がそのまま走り続けているというのは、すばらしいことだ。
 さて、いよいよあすは最終日。しかし最後だから楽をさせてあげようなんてコース設定はなくて、最後の最後にまたびっくりのコースが用意されているのがいつものこと。後1日、みなさん、走り続けてください。

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