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世界のニュース

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アメリカGP藤波優勝

日曜日の表彰台

 世界選手権第4戦アメリカ大会は、6月4日土曜日、6月5日日曜日に開催され、日曜日は藤波が優勝した。1日目はドギー・ランプキンが勝利。1日目カベスタニーが6位と低迷し、2日目はランプキンが3位。これで藤波は2点差ながらランキングトップに立った。
 黒山健一は8位と7位、野崎史高は両日ともに12位。雨で増水した川との戦いで、日本大会とは打って変わった壮絶な戦いが繰り広げられた。1日目3位は、ついに新鋭ボウが獲得している。


 アメリカ大会は、毎度おなじみとなったダルース。雨で川が増水してたいへんなことになるのも毎年おなじみの感じになっているが、今年も、3〜11、試合のほとんどすべてが川のセクションとなっていた。されど、これらのセクションは従来のものとはちがって、新たに開発されたものばかりだった。
 はたして、土曜日は雨。スペイン大会は塩水に見舞われたが、悪天候という点では今年はじめての大会となった。

藤波貴久

 雨はスタート前には止んでいたものの、トップライダーが5セクションに到着した頃、再び降り始めた。そしてこの雨は、表彰式が終わるまで、ついに止むことはなかった。「今年は替えの靴下がいらない」と思った会場をおとずれたすべての人は、また今年も試合後に靴下を履き替えることになった。
 セクションはどれもとても長くて、1分半でこれを走破するには、よほどスピーディな走りをしなければいけなかった。川、森、岩、そして雨。トライアルは自然との戦いというこの競技の基本を、アメリカ大会は思い出させてくれる。
 セクションはむずかしくて、トップライダーとて、簡単にクリーンはとれない。点数をとりあう中で、トータル減点の数点を争う展開となった。ランプキンはやや有利だが、藤波も好調。しかし藤波の背後にはわずか3点差で、ボウ、ジャービス、カベスタニーがひしめく。さらにそこから2点差で、ラガもつける。
 水の多い川セクションを走破して2ラップめ、藤波は2ラップ目のベストスコアをマークしてランプキンを追い上げるが、わずかに届かず、2位に終わった。驚くべきは、3位に入ったのがラガでもカベスタニーでもなく、ボウだったことだ。ついに、ボウがこのポジションまでやってきた。

黒山健一

ボウの活躍にちょっと隠れがちな今回の黒山だが
昨年のケガで不出場に比べると元気がなにより

 4位はラガ。ラガは、スペイン大会の優勝以来、4位が続いてしまっている。そして5位はジャービス。ランキングのリーダーだったカベスタニーは、第9セクションでの岩への飛びつきで木に右手をヒットさせ、痛みと戦いながら残るセクションを走破した。そしてリザルトは6位。ランキングトップの座を、これで一気に滑り落ちることになった。藤波はランプキン、カベスタニーに次いで、ラガと同点のランキング3位に浮上した。

日曜日

 去年、藤波はこのダルースで両日優勝を果たし、チャンピオンシップを一気に自分のものに引き寄せた。今年は残念ながら両日勝利とはいかなかったが、日曜日には確実な勝利を得た。この勝利は、藤波にとって今シーズン2勝目であるだけでなく、シーズンの流れを占う意味でも、大きな勝利となった。
 土曜日の試合をふまえて、セクションはなんと12個が変更を受けた。規則では5個までとなっているが、なぜか現在の世界選手権トライアルでは、規則が有名無実となることがよくある。よくいえば臨機応変によりよい結果を求めているのであり、悪くいえばでたらめなのだが、日本人が気にするほど、欧米人はこのあたりについて深刻には考えないようだ。
 前日勝利したランプキンは、この日はいくつかのミスを重ねていただけでなく、ひどいクラッシュを演じて腕を負傷してしまった。この手当てなどで、ランプキンはタイムを消費し、結果、5分のタイムオーバー減点をとってしまっている。
 2ラップ目、さらに大きな天変地異が起きた。突然降り出した雨は、雷さまが巨大なバケツをひっくり返したような大騒ぎで、シャワーを浴びているほうがまだ濡れないというとてつもない状況の中、試合は続いた。
 この雨で、あわやセクション内で遭難しそうになったのが藤波。敵味方関係なく、居合わせたマインダー総出で川に流されていく藤波の救出劇が演じられたという。その後、9〜11までの3セクションは、2ラップ目に限ってキャンセルという決定がされた。
 マシンも人間もずぶぬれながら、マシンを復旧し、コンセントレーションに乱れを見せることもなく、藤波は競技を続行する。そして12セクション以降を1点でぴしゃりと抑えて、カベスタニーに逆転勝利した。
 土曜日に負傷し、肩の痛みと戦っていたカベスタニーは、一転日曜日にはいい走りをしたが、アメリカと相性のいい藤波の前に、2勝目を挙げることはできなかった。カベスタニーは、ランプキンと同点ながらランキング3位でヨーロッパ大陸に帰ることになった。
 なんとも不遇が続いているのがアダム・ラガだ。日本以来、これで4戦連続の4位。トップがたびたび入れ替わるので、それほど致命的なポイントの遅れもとっていないが、4強の中では最後のポジション、それも3位と5点差となってしまった。
 アメリカ2連戦を終えて、ランキングは藤波貴久が今年はじめてトップに浮上。わずか2点差のランキングトップだが、ここへきて、ようやくニューマシンとのコンビネーションが確立されてきたようで、ライディングにも自信が戻ってきた。やはり日本、アメリカは、藤波にとって勝利を呼び込むラウンドのようだ。
 4ストロークマシンの性能の限界という説を、最近いろんな人から問いかけられる。4ストロークマシンのポテンシャルは低くないとこういうところで書いても、ホンダ関係者への遠慮だと思われるらしい。でも、ようやくマシンの性能はすでに一級品であることが証明されたのではないだろうか。ここまで、シーズン2勝をあげたのは藤波とランプキンの二人だけで、ともにモンテッサHRCの4ストロークマシンである。開発が間に合わずに、250ccのスタンダードマシンで出場したインドア世界選手権こそ、あるいはマシンのポテンシャルの劣勢があったかもしれないが(ライバルは、みな280ccや300ccを使っている)、世界選手権開幕前にほぼ完成したワークスエンジン、日本大会前にさらに熟成なったフレーム関係など、ワークスマシンの開発は刻一刻と進んでいる。問題は、シーズン前から現在まで、開発が進むマシンにライダーが慣れるための時間がほとんどとれなかったということだ。マシンとの一体感をなにより大事にするトライアルライダーにとって、これは致命的だったかもしれない。

野崎史高

難セクションにてこずったか
ブラズシアクやコナーなど
いつものライバルに今回は完敗の野崎

 日本で乗り込み時間をとり、マシンの仕様もどんどんよくなっている現在、藤波とランプキンの成績が証明しているとおり、彼らは再び世界の頂点に返り咲いた。そこに、マシンの劣勢要素はない。

今回、よろしくない記録が更新された。世界選手権への参加者数だ。その数、たったの15人。スペイン人が大量に欠場となったおととしのルクセンブルグ大会の記録を更新して、史上最少となった。つまり、出場すれば誰でもポイントを獲得できることになる。ブルース・レリチェはAMAライセンスを持つ南アフリカ人。アフリカ出身のライダーのポイント獲得はこれがはじめてではなかったろうか(ただしカワサキのロードレースチャンピオン、コーク・バリントンやモトクロスのグレッグ・アルバーチンなど南アフリカ出身のライダーは少なくない)。悪天候にもめげず、観客動員は悪くなかった。土曜日には3000人、日曜日には2000人というのが目測での観客数。多くのヨーロッパラウンドと比較しても、けっして少なくはない。

世界選手権アメリカ大会
ダルース

順位 ライダー マシン 1ラップ 2ラップ タイムオーバー 減点 クリーン
日曜日
1 Dougie Lampkin Montesa 29 42 1 72 8
2 Takahisa Fujinami Honda 38 38 0 76 5
3 Toni Bou Beta 41 47 0 88 6
4 Adam Raga Gas Gas 43 45 0 88 3
5 Graham Jarvis Sherco 41 52 0 93 1
6 Albert Cabestany Sherco 41 53 3 97 4
7 Marc Freixa Montesa 47 53 3 103 1
8 Kenichi Kuroyama Beta 52 60 0 112 1
9 Blazusiak Tadeusz Gas Gas 60 57 0 117 2
10 Jordi Pascuet Gas Gas 57 65 0 122 0
11 Sam Connor Sherco 61 64 0 125 1
12 Fumitaka Nozaki Scorpa 63 69 0 132 0
13 Jose-Maria Juan Montesa 75 69 0 144 0
14 Chris Florin Gas Gas 73 73 0 146 0
15 Bruce Le Riche Sherco 75 73 1 149 0
日曜日
1 Takahisa Fujinami Honda 26 18 0 44 11
2 Albert Cabestany Sherco 29 20 0 49 8
3 Dougie Lampkin Montesa 33 15 5 53 11
4 Adam Raga Gas Gas 32 21 0 53 6
5 Graham Jarvis Sherco 33 27 0 60 3
6 Marc Freixa Montesa 41 30 3 74 5
7 Kenichi Kuroyama Beta 39 32 3 74 5
8 Toni Bou Beta 48 27 0 75 4
9 Blazusiak Tadeusz Gas Gas 61 34 0 95 1
10 Jordi Pascuet Gas Gas 54 43 1 98 1
11 Sam Connor Sherco 54 49 0 103 2
12 Fumitaka Nozaki Scorpa 60 49 0 109 0
13 Jose-Maria Juan Montesa 63 48 0 111 0
14 Bruce Le Riche Sherco 71 54 0 125 0
15 Chris Florin Gas Gas 73 58 0 131 0
ランキング
1 藤波 貴久 96
2 Dougie Lampkin 94
3 Albert Cabestany 94
4 Adam Raga 89
5 Marc Freixa 70
6 Antonio Bou 66
7 Graham Jarvis 54
8 黒山 健一 54
9 Jordi Pascuet 32
10 野崎 史高 29
11 Tadeusz Blazusiak 29
12 Sam Connor 19
13 田中 太一 12
14 Jeroni Fajardo 11
15 小川 友幸 7
16 渋谷 勲 7
17 Jose-Maria Juan 6
18 Shaun Morris 5
19 Bruce Le Riche 3
20 Christopher Florin 3
21 Jerome Bethune 3
22 Christopher Florin 2
23 Daniele Maurino 2
24 Bruce Le Riche 1
25 Fabio Lenzi 1

Phoro:Mario Candellone

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