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フレイシャ、ベータに
2006年シーズンも始まっているが、ここへきて世界のトップライダーの移動が伝わってきた。
モンテッサから離れてスコルパのライダーとなったマルク・フレイシャが、世界選手権2戦を終えたところで、マシンをベータにすることを決断したのだ。
フレイシャといえば、ガスガスで世界選手権にデビューし、その才を買われてシェルコ入り、ゼッケン3をつけたところでモンテッサに招聘され、ここでもゼッケン3を獲得。しかし4ストロークマシンとの相性がよくないのかランキングを落とし、今度はスコルパにマシンをスイッチ、さらにベータにマシンを変えたことで、現存するトライアルメーカーすべてのマシンを乗り継いだライダー、ということになる。
Spanish rider Marc Freixa and Beta Motor Italia, trough Beta Trueba Espana arrives to an agreement to go together at Spanish Championship and World Championship for next 2 years after Freixa finished his contract with other make.
At this point, Marc Freixa (27 years old, 6th at 2005 World Championship) will have as a minder Victor Echevarria and he will pass to reinforce the Beta Factory Team current structure after the retirement of the japanese rider Kenichi Kuroyama. Beta Motor Italia had only the young rider Toni Bou -second at World Championship- as a rider.
【日本語訳】
スペイン人ライダー、マルク・フレイシャおよびベータ・モータ・イタリアは、スペインのインポーター、ベータ・トレーバ経由を通じて、スペインの選手権と世界選手権において2年間の契約を交わした。
マルク・フレイシャ(27歳。2005年世界選手権ランキング6位)はマインダーひきつづきビクトル・エカバリアを任命。フレイシャは日本人ライダー黒山健一の引退で若いトニー・ボウひとりとなったベータのファクトリー・チームの強化の任につくことになる。
(誤訳御免)
これはベータのスペインインポーター“トレーバー”が発表したフレイシャ・ベータ入りのプレスリリース。
すでにスペイン選手権第2戦にはベータで出場していて、結局スコルパのフレイシャは世界選手権2戦とスペイン選手権1戦のみで姿を消すことになった。
スペイン選手権第2戦は、世界選手権第2戦の2週間後だから、ベータへの慣熟はまだまだの段階。成績もトップ5に離されての6位となっているが、さて、次なるアメリカ・日本大会ではどうなるか。
フレイシャは、2006年からスコルパに乗ることになったが、実はスコルパとの直接の契約ではなく、スペインのフェデレーションチームに属していて、フェデレーション経由でスコルパに乗る契約がされていたようだ。
開幕戦スペイン、第2戦ポルトガルでも、フレイシャはスペインチームのマインダーとともに、スコルパのメカニックをマインダーとして走っていたが、練習中はスペインチームのマインダーのみがつくという状況で、トップライダーの体制としてはいささか心もとないものがあった。
現在の世界選手権では、ライダーが自らマインダーを雇用して体制を整えるチームと、ライダーは単独でチームと契約し、チームがマインダーを用意している体制とがある。前者はライダーがメーカーを移籍してもマインダーはそのままライダーについていくことが多いが、後者はメーカーの移籍と同時にマインダーもがらりと変わる。藤波(ジョセップ)、ランプキン(甥のジェームスと父親)、ボウ(先輩のダニー)、カベスタニー(父親)、ブラズシアク(兄貴がメインだが、兄貴は現在病気療養中)などはライダーがマインダーと直接契約している関係。黒山健一などもこの仲間だった。ラガ、ファハルド、フレイシャは前者のタイプ。フレイシャはモンテッサ時代からモンテッサのメカニックがマインダーを担当していたから、このやりかたのちがいはチームの方針というより、ライダーのやりかたのちがいなのかもしれない。
無頼漢というか他力本願というか、現地に着いてから「誰かマインダーをやってくれないかなー」というノリのパスケットなんてライダーもいるが、これは特別(開幕シリーズでは、マルセル・ジュストリボがパスケットのマインダーをやっていた)。
開幕シリーズでのフレイシャは、マインダーが頼りないからか、なかなかトップライダーの練習にも参加できず、この一面だけでフレイシャがトップライダーから脱落してしまった印象があったほどだ。マインダーの処遇については、長くスコルパで戦っていた野崎史高も、マインダーとのコミュニケーションには苦労していた一時期があった。また、かつて同じようにスコルパのフェデレーションチーム経由でスコルパに乗っていたイサク・ポンスも、シーズン途中でマシンを乗り換えるということがあった。スペインフェデレーションとスコルパの間にも、あまり仲良しになれない理由があるのかもしれない。
ちなみに、メインマインダーの兄が3ヶ月の絶対安静という入院生活を送っていて戦力を欠くブラズシアクは、スコルパとの相性もなかなかよいようだ。
【プレスリリースの英訳】
Today, April 18th, Scorpa, S.A. and Marc Freixa decided, both parts, finish the contract as SCORPA official rider.
After analyse the results to get until this date, both parts decided finish their proffesional relationship, understanding that it’s the best for Scorpa and Marc Freixa sporting projection.
【英訳の日本語訳】
4月18日、スコルパとマルク・フレイシャは双方の契約を解消することを決定した。
双方の熟慮の結果であり、これが最良の決断であると確信する。
(誤訳御免)