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小川毅士、イタリアでの緒戦
小川毅士が渡欧しているイタリアでは、2月5日、イタリアインドア選手権が開催された。会場はジェノバ。小川も元気な姿を見せている。
優勝はすでにベテランライダーであるファビオ・レンツィ(モンテッサ・ボシス)、2位は若手ダニエレ・マウリノ(ガスガス)、そしてミケーレ・オリツィオ(スコルパ)と続いた。
オリツィオに続くはデエゴ・ボシス。ボシスといえば、タレスの黄金時代にタレスを脅かすほとんど唯一の存在だったイタリアの最強ライダーだが、その時代、全日本は伊藤敦志の時代。伊藤敦志と小川毅士のお父さんはほぼ同世代だから、ボシスの息の長さにはびっくり。イタリアは1987年に最初のトライアル・デ・ナシオンに勝利しているが、ボシスはこの時のイタリア代表選手だった。そして2005年のトライアル・デ・ナシオンでも、ボシスはやっぱりイタリア代表。ボシスのず抜けた長寿もさることながら、この世代交替しないイタリアの世情が、若い小川毅士を呼び込んだ要因かもしれない。
毅士は、ボシス、ジェームス・ダビルに続く6位の位置につけた。ちなみにダビルは、トップファンチームなるベータのサブチームに所属しているイギリス人。ある意味、小川毅士とは同じような境遇とも言えるかもしれない。去年、ダビルはジュニアカップでチャンピオンとなり、イタリア人ではないながら、イタリアにはちょっとうれしいニュースとなった。
小川が所属するチームボシスはTRWというスポンサーの元で活動していて、小川もこのスポンサーのお世話になって今年1年イタリアを中心にヨーロッパを走る。今回小川は6位のポジションを得たが(14人参加)イタリアのライセンスの発給手続きがまだ終わっていないため、正式リザルトには名前は残らないことになった(MFJからFIMへのスポーツ国籍の移籍中。スポーツ国籍がFIMに移るということは、イタリア以外で開催される大会は、国際格式のもののみ参加ができる。小川毅士の全日本参加はむずかしい状況になった)。しかし元気あふれる若い日本人の評価は、イタリアでもなかなか高いようだ。日本人ライダーは、圧倒的にインドアトライアル経験が少ないから、毅士のライディングと結果は、これからどんどんよくなるにちがいない。
この後ライセンスを取得して、本格的にイタリア選手権を転戦する小川の1年がスタートする。