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藤波、ピンチ!
インドア世界選手権最終戦、マドリッド大会に、藤波貴久は指を冷やしながら現れた。
ウェアには着替えたものの、セクションにトライすることなく、1万人のギャラリーに手を振って退場した。
1週間前、アルゼンチンで負傷した左手小指は、その後順調に回復しているかに思えたのだが、一転、なおりかけの指にさらにダメージを与えてしまったようで、多少無理をして出場の予定だったマドリッド大会は実質欠場ということになった。
藤波の負傷は、左手人さし指に骨折が確認された他、指が炎症を起こしていて、炎症を取り除くため、まず切開手術がおこなわれた。骨折は手術ができるものではなく、手術の必要もないというが、問題は2週間後に控えた、アウトドアの開幕戦だ。
このタイミングまでに骨折が完治するのはまずありえないので、万全の体制でアウトドア開幕戦に臨むのは不可能となった。今は、どのような戦い方で開幕シリーズ(第1戦スペインと第2戦ポルトガルは1週続きで開催される)を乗りきるか、チームで検討が続けられている。
藤波は、かつても細かいケガで苦労しながら試合にのぞんでいたことがあり、負傷自体は最大のものではないというが、開幕戦を2週間前に控えたこの時期の負傷としては、かつてないものであることはまちがいない。
藤波貴久が、大きな試練を迎えている。