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ベルティゴ、世界戦デビュー
1月3日、Xトライアル(インドア世界選手権)が開幕し、2015年シーズンからベルティゴに乗ることが決まっていたジェイムス・ダビルが、初めて実戦でその姿を見せた。結果は6位。さて、この結果はなにを物語るのだろうか。
Xトライアルは、最後にファイナリスト4名が勝敗を競う。しかしこの4名に入るのが、まず大きな難関になる。いま、スペイン人のトップライダーが4名いる。ボウ、カベスタニー、ラガ、ファハルドだ。これにいつもなら藤波がいて、この5人がファイナルを争う代表格となる。ボウがファイナルに出られないことはまずないけれど、どのライダーとてファイナルに進出できずに試合が終わるという可能性はある。
こんな中でダビルは、2014年のXトライアルで4度ファイナルに残り、ランキング4位を獲得している。インドアといえばスペイン人が強いというご時勢にあって、ダビルはイギリス人ながらインドアに強いライダーでもある。
今シーズンのインドアは、クォリファイのあと、すぐにファイナルに突入する。これまでクォリファイはテレビ中継がされず、クォリファイで敗退するとテレビを見ているファンには存在しないことになってしまうから、その点でライダーからの不満は少なくなかった。セミファイナルをなくすことで、クォリファイから中継を可能にしたタイムスケジュールなのだろう。
クォリファイは6セクションで競われる。8人の参加者が、ゲストライダーから順にトライして、上位4名に残るべく戦うのだが、上位ライダーはあとからトライするから、その時点で好成績でも油断はできない。スキー競技やフィギアスケートなど、順番にやるスポーツでは共通するむずかしさだ。
今回のトップバッターはマイケル・ブラウン。次がエディ・カールソン、アレッシャンドレ・フェレール、そして4番目がダビルになる。
クォリファイはふたりずつ走り、まずブラウンとカールソン。ブラウンは6セクションを26点(5点4つと1点一つ)、カールソンはオール5点で30点だった。
次のふたりがフェレールとダビル。ダビルはベルティゴでの最初のセクションをクリーンして、フェレールに対してリードを奪った。フェレールは足つき減点1点にタイムオーバー減点1点で2点。第2セクションは両者そろって5点、第3セクションはふたりともクリーン、第4セクションはふたりとも5点と勝負はつかない。
ダビルの痛恨は第5セクションだった。ここをフェレールは1点、ダビルが5点で、ダビルの2点リードはひっくり返ってフェレールの2点リードに代わった。最終第6セクションはふたりとも5点。これでクォリファイはダビルが20点、フェレールが18点で、上位4名のクォリファイを待つことになった。
結果、上位4名はボウ1点、カベスタニー5点、ラガ9点、ファハルド10点で、ダビルはファイナル進出までに10点及ばずのベルティゴ・デビュー戦となった。
去年の勢いならトップ争いをしているかもしれなかったダビルがこのスコアということは、それがベルティゴのポテンシャルなのか、あるいはベルティゴに乗り始めたばかりのダビルがまだポテンシャルを引き出しきれていないか、それともまた、ベルティゴそのものが自らのポテンシャルを引き出すベストセッティングを出せていないのか、その答えは、まだもう少し戦いを見ていないとわからない。
少なくともデビューしたてのニューマシンが、過酷なセクションのオンパレードであるXトライアルで、立派に戦うだけのポテンシャルを持っている点は確かのようだ。