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07世界選手権の布陣
2007年、世界選手権ライダーの布陣がなんとなく見えてきた。
ライダーの契約は、通常1月1日から12月31日までなので、この時期に流れている情報はほとんどはうわさなのだが、今年は一部決定している移籍話もある。
大物移籍は、すでに2006年終盤に明らかになっているトニー・ボウのモンテッサ入り。ただしボウは、2006年いっぱいはベータとの契約が残っているため、公式にはまだモンテッサに乗って姿を見せることはない。モンテッサは、ゼッケン2藤波、ゼッケン4ランプキン、ゼッケン5ボウと、有力どころを一気にそろえた。かつて、ゼッケン1から3までを独占したことがあったが、その勢いを盛り返せるか。
ベータで2005年にジュニアクラスチャンピオンとなったジェイムス・ダビルも、2007年はモンテッサに乗ることになった模様。ダビルのチームは、小川毅士のいるチーム・ボシスだそうだ。ダビルは2006年までもイタリアのトップファンチームに所属していたから、イタリアを中心に活動する点では、これまでと変わらない。
ベータからの移籍組が多いが、そんな中、新たにベータに参入することになったのが、ジェロニ・ファハルド。かねてよりうわさはあったが、古巣ガスガスとの交渉が整ったという。ファハルドの場合は、すでに移籍が完了していて、ベータでのトレーニングを開始しているという。マシンは4ストロークではなく実積のある2ストローク。4ストロークモデルを発表したベータだが、2007年シーズンはこのマシンの熟成期間となる模様で、ファハルドらが乗ることはないのではないかと予測されている。
2006年、紆余曲折の末ベータに乗ることに落ち着いたマルク・フレイシャは、2007年も引き続きベータに乗るとのこと。
ファハルドが抜けたガスガスは、そのままアダム・ラガが残って三連覇をねらう。4ストロークのうわさが聞こえてこない唯一のメーカーということになったが、トライアルの流れは確実に4ストロークへ向かっていて、唯一チャンピオンの周辺だけが2ストロークの牙城を守ることになった。ファハルドの補充はしない模様で、さらにジュニアクラスにガスガスで参戦していたダニエル・オリベラスもシェルコに乗るという。ガスガスはラガ一本に絞って全体的には戦線縮小傾向のようだ。
スコルパは、ひきつづきタデウス・ブラズシアク。全日本ではついにタイトルを獲得したスコルパだが、ヨーロッパで他メーカーに並ぶステイタスを得るには、もう少し上位の成績が必要なのかもしれない。ただしブラズシアクは、去年1年で急速に伸びた。インドア世界選手権にも出場する今年は、大きな飛躍のチャンスになるだろう。
小川毅士は、ひきつづきボシスチームでイタリア選手権と世界選手権を走る予定だ。チーム内にダビルという強力なライバルが誕生したことで、刺激も生まれると同時に、結果に対する評価もよりシビアになるのではないかと思われる。
2007年世界選手権トップライダーの一覧 | |||
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ゼッケン | ライダー | マシン | 国籍 |
1 | アダム・ラガ | ガスガス | スペイン |
2 | 藤波貴久 | モンテッサ | 日本 |
3 | アルベルト・カベスタニー | シェルコ | スペイン |
4 | ドギー・ランプキン | モンテッサ | イギリス |
5 | トニー・ボウ | モンテッサ | スペイン |
6 | ジェロニ・ファハルド | ベータ | スペイン |
7 | マルク・フレイシャ | ベータ | スペイン |
8 | タデウス・ブラズシアク | スコルパ | ポーランド |
9 | ジェイムス・ダビル | モンテッサ | イギリス |
10 | シャウン・モリス | イギリス |