大きな災害が相次いでいます。災害支援にトライアルは最適。しっかり腕を磨きましょう。

2026年のMFJトライアル規則

2026年のMFJ競技規則が発表になっている。ライダーでも競技役員でも、競技に関わる人は早いところダウンロードして、新ルールのお勉強を始めましょう。

ルールは、去年もそうだったけど、規則書が発表になってからしばらくして、右と左が逆さまになる以上の大変更が施されたりする。じゃ、あわててダウンロードする必要はないかと思いきやそうじゃない。PDFで提供される規則書は、発表されたら最後、修正はされない(ことになっている。去年はこっそり修正された実績があったけど)。修正についてはブルテンという文書が発行されて、そこに記載される。なのでどんだけたくさん変更があろうとも、とりあえず現行の規則書はダウンロードしておく必要ありってわけだ。


MFJのトップページからは製本版の申し込み案内ばかりが目立つけど、製本版を買わなければいけないということはない。PDF版をダウンロードして、必要なら自分でプリントアウトすればいいんだけど、今時はスマートフォンにダウンロードしておいて閲覧するのがふつうじゃないだろうか。そっちの方が、検索も簡単だし便利。


2026年の大きな変更点

最も大きい変更点(と自然山通信が思っている部分)は、ループ(クロス)が5点になるように戻ったことだ。2024年まで、というかトライアルでループがOKという解釈は見たことがないのだが、2025年はバックしても良いと同時にループもOKになっていた。この時点でなんで? と不思議だったけど、大方の競技役員その他の皆さんは、だってバックOKなのにループできるなんておかしいでしょ、とのことだった。なのに世界選手権は、日本大会もバックOKでループNGのルールで運用された。不思議だ。

2026年は、世界選手権と同じになった、トライアル本来に戻ったということなんだが、となると、今までバックOKならループNGという教えを守ってきた日本の皆さんに対しては、もう一つ的確な解答がないままになっている。完全なループをしたあとに前輪または後輪が元の軌跡を越えた(バックも含む)ら5点、との規則がわかりにくくてもめるから、何年もの間悩み続けた結果、いっそ問題を起こす規則はなくしてしまおうと英断をふるったのが2025年規則だった。それが元に戻ったのだから、つたもめてしまうのかもしれない。規則書は規則を書けばよくて、それでもめるかどうかは運用の問題かもしれないから、規則はこれでもいい、のかもしれない。

もうひとつ、これは規則改定ではないのかもしれないが、2025年に大問題となってしまったパンチミス由来のご判定で正しい順位が反映されない案件の解消についての記述も加わっている。詳細は規則書を熟読していただきたいけれど、トライアルの精神、という新しい項目が追加されている。

ここには書いてあるのは、簡単にいうと、採点はまちがいもあるけど、決定を尊重するのがトライアルの精神であるとある。これはFIMの規則書にもあるんだけど、FIMでは用語解説みたいに解説されている。その主旨は、選手もオブザーバーも信頼の上に立たなければこの競技は成り立たないよ、と言う意味なんだろうけど、日本語に訳されると「まちがいがあってもそのまんま認めなさい、それがトライアルだ」としか読めなくなってしまう。主旨は理解できるけれど(本当にそういう主旨なのかどうかはわかんないけど)、すごい規則だと思う。

似たような文言は、競技規則の冒頭にMFJ会員行動規範として並んでいる。ものすごく短くいうとお行儀よい会員であれ、ということになる。

そして、パンチに誤りがあった場合、ライダーがそれを改めないままでいると、当該セクションに対して10点、という条文が加わった。これまでは受けたパンチを確認しろ、とだけ記述されていたが、正しいかどうかもライダーの責とすることになった。ただし暫定リザルト発表から20分(IASは10分)以内に本人から申告があった場合はこの限りではないともされていて、ばれなければ黙っていた方がお得、ばれそうなら申告すればよし、という逃げ道はつぶされていない。

当該セクションに対して10点、ということは、クリーンでも5点でもまちがったままにしておくと10点になるということだと思われるが、もしかするとペナルティとしてプラス10点かもしれない。このへんが、規則書を読む限り、はっきりしない。クリーンなのに5点にパンチされてしまった、という悲劇はこれまでにも少なからずあった事例だが、規則書通りだと、これもこのまま見落として、さらに誰かがこれに対して不正だと申告したら、クリーンなのに10点(もしかしたらプラス10点で15点!)になってしまう可能性も、規則書からは読み取れてしまう。

2026年の全日本選手権では、ライダーは慎重の上にも慎重に、パンチを受ける時には「本当に2点ですか? 1点とか3点とか5点とかクリーンではないですか? メインオブザーバーにももう一度確認してくれませんか?」と念を押した方が確実かと思われる。全員がこんなことをしていたら、競技の進行上はとても困るが、競技者は自分の成績を少しでもよくするために全力を尽くすのが使命だから、進行が遅れるのはしかたあるまい。そういうふうに規則書に書いてある。

誤りのあったスコアは、その場でオブザーバーが修正できるほか、誤りを確認できた場合は競技監督が修正できる他、スコアカードを提出後は競技監督または大会審査委員会が確認したのちに修正できる、と記された。スコアカードに誤ったスコアが記録された場合、カード提出20分後以降(IASは10分後)は、ライダーはもうなす術がないから、まちがいがありませんように、仮にまちがいがあっても指摘されませんように、とお祈りしながら正式結果を待つ必要が出てきた。

細かくは、マグネットキルスイッチを装着しなかった場合の5点について、これまでストラップが外れた場合、と記されていたが、これがもうちょっと詳細に規則になった。規則書にある通り、ストラップが切れて事実上マグネットキルスイッチが機能しなくなっても、ストラップと手首がつながっていたら5点にはならない、という矛盾の解消を狙ったものだと思われる。


ゲートマーカーについては、これまで自分のクラスのゲートは接触NG(5点)、他クラスゲートは接触はOKだが動かしたらNGとなっていた。これが世界選手権と同様に、どちらも修正が必要なほどに変形した場合(動かした場合)にのみNG(5点)となった。ゲートに触った、触らないは、採点がもめる大きな要因の一つだったが、少しはこれが緩和されるだろうか。

問題は、今回復活したラインクロスについての解釈だ。規則では(12-2-3-15)「完全なループをしたあとに前輪または後輪が元の軌跡を越えた」ら5点とある。一方、用語解説の部で「ループ」を見ると「前進状態の車両が輪を描くことを指す」とある。ということは、前進状態の車両が輪を描いた後、前輪または後輪が元の軌跡を越えたら5点ということになるのだが、これはちょっと意味がわからない。これでは8の字を描くように輪をふたつ描かなければ5点にならない。輪を一つ描くだけだと、それは12-2-3-15のペナルティとはならないように読める。不思議だ。

たぶん規則が言いたいのは、バックしたりホッピングして軌跡が元の軌跡を越えた場合は不問だが、ぐるっと輪を描くように走った際に軌跡が軌跡を越えた場合はラインクロスとして5点とする、という意味だと思う。思うけれど、規則を読む限りはそうじゃないかもしれない。

一説には、こういった条文が解釈の揺らぎを誘う点についてはトライアル委員会でも検討に入っているということで、今後、規則書について修正が入る可能性はある。そもそも、2025年のパンチミス問題は、規則書の解釈が難しい(記述があやふや)であるところが発端だったのだが、そのあやふやさは2026年版も変わっていなかった。シーズンオフの反省がちゃんとは生かされていなかった、ということでなんとも残念なり。

シーズンオフまであと3ヶ月、ちゃんとした競技ができるようにブルテンを100ページくらい発行してほしいなぁ。ネガイマス。

競技規則総則


ということで、紙に印刷された規則書(電子版も同様だけど)は、たぶんあちこち修正した上で競技に(あるいはオブザーバー業務に)望むことになるはず。ややこしいシーズンオフは、年が明けても、続いています。

*規則書の内容については、一部のみを紹介したりしていますので、必ず原文を総則を含めてお読みください。
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 ロードレースは2,000円、ロードレース以外は合本で2,500円、なくなり次第販売終了とのこと。