
Photo:FIM/GoodShoot
世界的に、エレクトリックの時代が押し寄せている。
フランスから届いたのは、エレクトリック・モーション製のトライアルマシン。この写真は、Xトライアル最終戦パリ大会での一コマ。トライアルマシンでのバックフリップといえば、ジュリアン・ディポンか野本佳章か、ということになっているが、EMで華麗にバックフリップを決めたのはクリストフ・ブルオン。野崎史高とともにスコルパで世界選手権を戦っていたフランス人ライダーだ。
このマシン、スコルパの前社長のフィリップ・アレステンが開発したもので、ブルオンが乗っているのも、スコルパ時代にできたリレーションシップだ。
エンジン音もない、排気煙をあげることもないEM5.7が、ブルオンのライディングでくるりと宙を舞った時の、それを見守る世界に冠たるXトライアルのトップライダーの表情は、なかなか見物であったという。
いまのところ、2時間弱の充電で、最低40分、最大180分走行が可能というEM5.7だが、同じくクリストフ・ブルオンのライディングで、フランス選手権にもゲスト参加を始めている。フランスでは、電動トライアルマシンが急速にコンペティションの現場に進出しつつあるようだ。
電動トライアルバイクというと、小さな子ども用という印象だったが、これは21インチ/18インチのフルサイズ。通常のマシンのタンクの下の部分、シリンダーヘッドが位置するあたりは、びっしりとバッテリーが積まれている。大きなバッテリーを積んでの車重は72kg。最軽量の2ストロークモデルと比べると少し重いが、開発が始まったばかりであることを考えれば、将来には大きな期待が持てる仕様でもある。
日本でも、電動トライアルバイクの参加は打診を受けている。現状では、マシンの仕様の問題やエンスト停止足つきでの5点をどう解釈するかなど、電動トライアルマシンが実戦に参加するのは課題もあるとのことで、まずは賞典外での実験的参加が望まれている段階だ。
エレクトリック・モーションでは、市販はそう遠くないと展望している。
| EM5.7諸元表 | |
|---|---|
| モーター | 直流ブラシレス |
| 電源 | 14ch |
| トルク | 22Nm |
| ドライブ | チェーン |
| 冷却 | 空冷 |
| 最高速度 | 55km/h |
| 航続時間 | 40分から180分 |
| 電池 | 48V25Ahリチウムポリマー |
| 充電時間 | 最大110分 |
| ライフサイクル | 1000回 |
| フレーム | 鋼管25CD4S |
| フロントフォーク | 油圧式 |
| リヤサスペンション | リンク式 |
| フロントブレーキ | 油圧式182ミリ |
| リヤブレーキ | 油圧式150ミリ |
| ホイール・タイヤ | 1.5 “×21″/2.15 “×18” |
| ホイールベース | 1340ミリ |
| 地上高 | 320ミリ |
| 車重 | 72キロ |