大きな災害が相次いでいます。災害支援にトライアルは最適。しっかり腕を磨きましょう。

SSDTランプキン6勝目

2012SSDT最終日

Photo:G2F

 SSDTは、12日土曜日に終了しました。月曜日から土曜日まで、6日間にわたる世界一過酷なトライアルが終わりました。送られてきた写真を見ると、最終日はお天気がちょっとよくなったようです。
 優勝はドギー・ランプキン。なんとジェイムス・ダビルと同点でした。
 日本勢は、ついにおふたりが完走しました。おめでとうございます。日本にお戻りになられてからのお土産話が、楽しみです。


 土曜日、最終日の結果は、なかなか伝わってきませんでした。というのは、土曜日の晩は、帰り支度やシャワーもそこそこに、表彰セレモニーがおこなわれます。ジェイク・ミラー報道官(世界選手権でも報道官をやっていて、もてぎにも何度か来ています。そして本人もSSDTを走ってます)も大忙しで、おまけに表彰式ではビールなんか飲んじゃったりして、明けて日曜日の朝、朝飯前に最終日の報告をあちこちに送ってから、帰り支度をして飛行場へという行動を取ったのではないかと思われます。ちょうど日本で全日本選手権第3戦の真っ最中、予選が終わった頃が、スコットランドの朝になります。
 さて今年の優勝争いですが、かなり特殊なことが起こりました。6日間、セクションは毎日30個あります。いくつかキャンセルがあったのだろうと思いますが、6日間で176セクションあって、おまけにコースは500マイル(800km)。それだけの戦いをしていて、ランプキンとダビルは、総減点が15点で同点。決着をつけるために、ではとクリーンの数を数えてみると、これも同数。ならば1点の数でと数えれば、これまた同じ。2点も3点も、全部同じ。これでは勝負になりません。
 それでどうやら、オールクリーンした日をカウントしたようで、これについては、ランプキンが2日間、ダビルが1日だけですので、これにて、2012年SSDTのウイナーが決まりました。15セクション2ラップの世界選手権では3点の数まで一緒というのはままあることですが、セクション数176ですから、これはびっくり。雲上人のやることは、計り知れません。
 最終日、ランプキンの減点は3点、ダビルは2点。きのうまでで両者は1点差だったから、これで同点になったわけです。金曜日が終わったところで、ダビルに1点差だったマイケル・ブラウンは、最終日に7点を取って21点。3位に終わっています。ブラウンは2007、2008、2010、2011とSSDTでは4回の2位を獲得していますが、まだ未勝利。今回もまた、くやしい3位になりました。
 4位はダン・ソープ。5位に1勝経験のあるアレックス・ウイグ。6位にオースターミュールが入り、7位にジョルディ・パスケット。JTGのデビュー・ウインを飾りたかったパスケットですが、3日目までのオールクリーンから、後半はちょっと減点を増やしました。でも上々の結果だといえるのではないでしょうか。
 パスケットのうしろ、8位にサム・コナー(やっぱり1勝経験あり)、9位にジャック・チャロナー、10位にサム・ハスラムと続きます。ハスラムは、ユースやジュニアではそこそこ活躍した選手で、もてぎを走ったこともある選手です。
 女子の戦いを見ると、オッサのエマ・ブリストが61位。6日間の減点が222点。1日35点平均ということになりますが、これはすごい。自然山通信杉谷は何度となくSSDTに参加しましたが(最初の頃は数えられていたが、3回以上になって記憶が怪しくなりました。ちなみに日本でもっともSSDTに参加しているのは西山俊樹さんです)、杉谷の目標が100位以内、でした。杉谷が、SSDTの女子のトップに勝てたことはありません。
 エマに破れて女子2位となったのはベッキー・クック。総減点265点、84位。これでも(全盛期の)杉谷より上位につけていることになります。
 女子ではほかにあと二人参加しています。こちらもトライアル創世記のトップライダーを父親に持つケティ・サンターは総減点343点で125位。世界選手権ではいまひとついいところを見せない彼女ですが、SSDTでは強い。このパターンは、イギリスのライダー全員に言えることで、世界選手権ではぱっとしたことがなくても、SSDTで勝負を挑まれたら要注意。並のライダーだったらこてんぱんにやられてしまいます。藤波貴久だったらどうなるのか、ぜひ藤波のSSDT挑戦を見てみたいところですが、こうやって期待されちゃうもんで、なかなかこっそり出るわけにもいかなくなるんですね。6日間走ると、世界選手権への影響もあるだろうし。ドギー・ランプキンも、そんな理由で、現役時代はSSDTへの参戦は見合わせていました。でも走らなくても何日か見物にはやって来るという礼儀も持っていました。イギリス人ライダーにとって、スコットランドはトライアル故郷なのです。
 さて、日本の偉大なるアマチュアライダー、伊藤、杉浦両氏は、見事6日間を完走しました。セカンドクラス入賞、ということになります。すごい。杉浦さんはオフロード普及に熱心なオートバイ屋さんですが、トライアルはごくふつうの実力の持ち主。でもSSDTに完走したというその一点で、格上のみなさんも彼らには最大限の尊敬を払わないといけません。それがどれだけ尊敬に値することなのか、ぜひみなさんも、SSDTにふれてみてください。日本で写真を見ると、それはきっとのどかなツーリングトライアルの風景に見えるかもしれません。実際にスコットランドを訪れてみると、その広さに感動しつつ、こんなところを走れたら、さぞ気持ちがいいだろうなぁと思うことでしょう。そしてなんの因果かSSDTのスタートラインに並んでしまったら、そこまでの自分が、いかにSSDTを見ていなかったかに気がつくのです。こんなに奥が深く、壮大で、厳しく、そして楽しい、ボイタさん言うところのハギスのようなトライアルは、ほかには絶対にありえません。
 また来年、6日間の激闘の日まで、さようなら。
 写真は最終セクションの「Town Hall Brae」。タウンホールの坂、てな意味で、今となってみれば、勾配自体はなんてことはないけれど、参加者にとっては6日間のしめくくりだから、特別な意味のある坂になる。このセクションは、もう何年も何年も、ひょっとしたら100年前から変わっていない。