雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

eBay、楽しややこし

1502チルトアダプターの箱

 eBayというオークションサイトは、玉石混淆で、たいへんにおもしろい。人間なんてのは、だいたい玉石混淆なんだから、それでいいと思う。玉石混淆の人間が、ショップやメーカーに完全無欠を求めるのは、ずいぶん虫がいいと思うのだけど、でもまぁ、政治や行政や大企業や、力のある人たちが、石たる庶民を見下して政治や業務を遂行するのは許しがたい。そういう話じゃなくて、eBayの玉石混淆のお話。いやー、おもしろかった。くたびれた。

 eBayでなにを買っているのかというと、現状はほとんど中国製のあやしい工業製品だ。移軸ってのはなんだべと日本語に訳してみると、チルトってことなんですね。こんなふうに使います。

1502チルトアダプター

 くっついてるレンズはアサヒペンタックスのタクマー24mmF3.5。カビが生えてて、このままでは使いものにならない。でもとりあえず、これをソニーα7にくっつけるために、なんかアダプターを買わなきゃいけなくて、どうせ買うならへんな物を買ってみようと注文してみたのがこのチルトアダプター。光軸をひん曲げることで、写るものがちょっとちがってくる。
 ぼくは建物を撮る写真屋さんではないから、だからなんだって代物ではあるんだけど、そのうちなにかに使ってみようかと思う。この機能を使わなければ、ちょっと高いだけのふつうのアダプターでもあるし。
 で、今回のテーマはこのチルト・アダプターの解説ではなくて、こんなふうに3,000円から500円くらいのものをポコポコと買っている。レンズの後ろのキャップとか、ちゃんと買えば安物だって300円くらいはするもんだけど、中国製のわけわかんない買い物なら5個で500円くらい。しかも送料無料だったりするもんだ。
 問題は、素早くは到着しない、ということだ。ヤフオクで落札したものは、2日、3日すれば送られてくる。それがeBayだと、納期は2週間から1ヶ月半なんてなっている。なんとものんびりしたもので、これに慣れると、ヤフオクの迅速な対応は、ちょっと息がつまるような気さえしてくる。
 それでもときどき、1ヶ月半の納期にさえ遅れて、ものが届かないという事態もある。

1502デッケルの氷70年前のデッケル135mmで撮った池の氷

 正月早々、そういうことがあったので、eBayのしかるべきところに「届かないんだけどー」と連絡をしてみた。言語は英語だから、ややこしい説明はできない。「約束の日までに届かない。私、別の商品を探すある。お金返してほしいあるよ」と連絡する。するとしばらくして「了解したある。あなたの払ったもの、PayPal経由で払い戻すあるよ」と連絡が来て、そのとおり、PayPal(国を越えた送金システムで、自然山通信でも電子版の販売に使ってます。メールアドレスとクレジットカードがあれば登録できて、支払いができるようになりますが、支払いを受け取るには、本人確認など、ちょっとめんどくさい手続きが必要になります)に何百円かが払い戻された。
 ほんとに届いてないのかとか、もうちょっと手続きが必要なのかと思ったけど、あっさりしたもんだ。100万円の買い物をしたならともかく、何百円の取引ならあっさり払い戻ししちゃったほうがeBayの信用確保としては簡単なのかもしれない。
 そしたら、続けてもう一つ、期日に届かないのが出てきちゃった。今度も「届かないあるよ、よろしく頼むよろし」と連絡した。連絡して、すぐに気がついた。ぼくは、すでに商品を受け取った相手に対して「届いてないあるよ」と連絡しちゃったのだ。なんだかんだと細かい買い物をいっぱいしちゃったもんだから、件の取引と別の取引をまちがえちゃったんだね。こりゃ申し訳ないことをした。すぐにeBayに「さっきのはまちがえたある。お金戻すことないあるよ。あいやー、どうもすいません」と連絡をしたんだが、少しすると「おめでとう。あなたの申し立ての通り、eBayはあなたに代金を戻すことにしたあるよ」と返事が来ちゃった。あちゃー!
 そうこうしているうちに(その間、どんなふうにやりとりをしたのかよく覚えてないんだけど)、本人から直接「あんたなに言うてはりますの。意味わかんないまんねん」と連絡がきた。どうもお金を返すのはeBayで、品物を送った本人から直接返してもらったのではないらしい。
 かくかくしかじか、ぼくはまちがえたんだ。だからぼくはお金を返したいんだけど、どうしたらよかんべーか、と切々と訴えたんだけど、どうも通じない。ぼくの英語もひどいんだろうけど、相手も中国人だろうから、どっちもイマイチの言語でなかなか話が通じない。
 ざっと10往復くらいのやりとりをして、ぼくもいろんなシステムに疎いもんだから、最後にようやく、ぼくの口座から相手のPayPal宛てに直接送金すればいいってことになって、それで(たかが)700円くらい送金をして、それで一件落着とあいなった。いやはや、700円の取引に、とんと時間がかかったものだった。
 それでも、届けられる郵便がその都度いろんな梱包がされていて、書留になってたり普通郵便だったりと、そんなバリエーションもおもしろい。何百円、数千円の中国工業製品が、意外にしっかり作られていることに感激したり、届かないと返金してもらったものが、さらに1ヶ月くらいしてからポロンと届いちゃったりする。あらゆる点で、日本のせわしないシステムとはばちがいだけど、今はこんなぬるい取引がすっかり楽しい。人に聞かれたら、英語の勉強をしてると答えておこうっと。
 そんなこんなで、ぼくの机の上は、一本一本、微妙に個性がちがう、中国やロシアやウクライナからやってきた、おんなじようなレンズがごろごろしてしまっているのでした。でもキャベツを左手に持ちながら、片手で写真を撮ろうと思うと、やっぱり純正のオートフォーカスレンズが便利なんだなぁ。

1502のうさぎ