最近、健康指向のテレビ番組なんかで取り上げられて品薄になっているといううわさのアブラがこれ。えごま油です。これを、ご近所の85歳のじいさまが作りまして、ほしい人がいたらお譲りしたいというので、ご紹介します。たいへん効率が悪くて手間もかかるものなので、安くないですけど。
えごまって、ごまの仲間だと思っちゃいますが、シソ科の草です。なるほど、葉っぱを見ると、シソによく似ています。えごまはこのあたりではじゅうねんなどと呼ばれることもあります。じゅうねんとはなんぞやといいますと、十年なんだそうで、これを食すれば十年長生きするといういわれがあるそうですが、真偽のほどは定かではありません。でも、巷で人気になっているのは、みんな元気で長生きしたいと思っているのではないかと思います。この油、油のくせに熱に弱いということで、生のままサラダやおひたしにたらしたり、そのまま毎日スプーン一杯飲むなどして摂取されている方が多いようです。
オントシ85歳のじいさまは、特にじゅうねんが好きだったわけでもなく、この地域の習慣として、なんとなくじゅうねんを食しておりました。緑内障の発症に気がついたのがとき遅しで、目がだいぶ悪いのと、耳が遠い。でも健脚で頭脳明晰。10年ほど前に前立腺がんをやって、今も通院中ですが、病院の先生には「あんたはそのうち死ぬのだろうけど、死因ががんということはない」と太鼓判を押されています。ずいぶんな物言いの先生ですが、この発言はじいさまに聞いたのではなく、直接聞いてきました。へんな先生で、つきそいでやってきた人もみんな診察室に入れて話をします。ぼくとじいさまは赤の他人なんだけど、目の悪いじいさまを病院まで連れてきたのだから、まんざら他人でもなかろうと、いっしょにお話しを聞かせていただいています。最近では「じいさん、なんだか来るたびに若返ってる気がするぞ」なんてことまで言われています。
ぼくらと遊ぶようになってから、全日本トライアルを見に出かけたり、村でやるイベントの手伝いと称して山歩きをしたり、時にはコース開拓に知恵を貸してくれたりと大活躍のじいさまですが、そんなことしてるから若返っちゃうんじゃないかと思うんですが、いやいや、ここはじゅうねんのおかげということにしておきましょう。そんなおいしい食品が、えごま油なのです。
じいさまは、もう年が年ですから、生産者として身を立てようなんて思っていません。テレビを見て1日を過ごしているとぼけちゃうからと、ぼけ防止にえごまの栽培と収穫と加工をやっているのです。えごまというのは、さっきも書いた通りシソ科の仲間なのですが、油を搾るのはこれのタネであります。これがとても小さい。刈り取っているうちにばらばらと地面に落ちてしまうので、先に地面にブルーシートを敷いて、こぼれた種を拾い集められるようにして収穫します。お米を収穫する際には、いまやコンバインなど便利な道具があるのですが、えごまの収穫にはなかなかいい道具がありません。誰に聞いても、えごまは手間がかかるといいます。
収穫したえごまは、しばらくビニールハウスなどに入れて乾燥させます。乾燥中も種が落ちるといけないので、ずっとブルーシートを敷いたままです。ある程度乾燥したところで種を落とし、これを集めて収穫です。
油は、専用の機械で搾ります。じいさまはそんな機械は持っていないので、えごま油をせっせと作っている知り合いのところに収穫したえごま種子を持っていって、絞ってもらっています。ここで瓶詰めにして、きっちり封をしてできあがったのが、このえごま油です。
1本の内容量115gで2,000円。別に送料を、何本お買い上げいただいても1,000円いただきます(ただし、そんなに大量のご注文にはお応えできないと思われます)。amazonなどを見ると、半額以下のえごま油も売っているので、こんな高くていいのかと思うのですが、じいさまの手間賃はとってなくて、かかった経費分だけちょうだい、というお値段で、同じような作り方をしているえごま油は、だいたいこんなお値段になっています。搾って瓶詰めをしたのは笹谷搾油所(福島県福島市笹谷字前三本木27-1)。えごまそのものの生産、そして今回の販売人であるじいさまは遠藤一司さん(福島県双葉郡川内村大字上川内字下原8)です。安い焼酎が好きで、ときどき高くておいしい焼酎を持っていくと、次にいったときにもそのまま残っていたりします。
こんな高いものをほしいといってくれる人がいるのかなぁと半信半疑ではありますが、じいさまは耳が遠いし、ニシマキが代理でお受けして発送いたします。電話(090-6149-0402)でもお受けしますが、できればE-Mail(nishimaki@shizenyama.comにてご連絡ください。ニシマキんところには一銭も入らない予定ですが、そのうち焼肉するから食べにこいとお呼びがかかるはずなので、それでよしとしています。
ではでは、あまり期待しないで、ご注文をお待ちしています。