雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

放射能が撮る写真

新年、あけましておめでとうですが、まるで新年らしくなく、朝から荷物が届きました。ヤフオクで衝動買いしてしまった旭光学のスーパータクマー50mmF1.4です。このレンズ、放射能を出しています。放射性物質を含んだガラスを使ったレンズがあるという話はずいぶん前から聞いていましたけど、そういえばぼくは線量計を持っているのだと気がついて、ぜひ手に入れてみたくなってしまった、というわけです。

まずは、写真を撮ってみました。1.4の開放で撮ってます。ボケ味というより、ボケてるところはボケボケになるのが特徴のレンズのようです。レンズの中にはゴミとかカビがありましたけど、まぁそのうちレンズの分解整備ができるようになったらお掃除してあげようと思います。お値段は3,500円ほどでした。

1501スーパータクマー

放射能を出すガラスというのは、放射性トリウムが含まれているものです。酸化トリウムとかいう物質らしいけど、物理学の解説ができる脳みそはないのではしょります。1940年代にアメリカで開発というか発見された事象だそうで、このガラスをレンズに使うと屈折率が高くなって、レンズ設計に自由度ができるということらしいです。

旭光学がスーパータクマーにこのトリウム・ガラスを使ったのは1965年からということみたいで、1977年までこのガラスを使ったレンズの生産を続けていたとされています。当時はそれは罪でも悪でもなくて、革新的技術を駆使したレンズ設計の証しだったのでしょう。でも1980年代には放射能を出すレンズの生産がなくなったということは、やっぱりやばかったのか、世間の風当たりが強くなったのか、まぁ時代ということなのだと思います。

1501スーパータクマー

サイトを検索したところ、トリウムガラスはレンズ後部に使われているようなので、村民みんなに配られたエステーのエア・カウンターSを近づけてみたところ、ご覧のような数字が出ました。なかなか素晴らしい数字です。

ちなみにレンズを計測したぼくんちの部屋は、0.1μSv/hほどの数値です。

思えば小学生の時、初めて買ってもらったのはアサヒペンタックスK型という古いカメラで、これに55mmF2.0というレンズがついていました。もしかしたら、これにもトリウムが使われていた可能性はあって、ぼくは小学生時代に被曝しながら写真を撮っていたということになります。まぁ、レンズに目をくっつけていたわけじゃないし、カメラ越しの被曝なんてたいしたことなく、カメラメーカーも消費者側も、危険のリスクなんて考えてもいなかったのだと思います。

今、みんなに知識ができて危険意識が芽生えているけれど、このレンズは危険なものなのかどうか、めんどくさい時代になりました。少なくとも今なお放射能を出し続けるレンズは、古き時代の遺産であることは確かです。