雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

year2009 , ガスガス

09ガスガス

09ガスガスラガ

TXT Pro 300 Raga

 ガスガスの2009年モデル。先にサイドバルブ式4ストロークの諸元をご紹介したが、4ストロークの登場は望み薄。
 ということで、2ストロークのラインナップのご紹介。実はというか意外にもというか、125cc以下のモデルの充実が光っている。
 2009年モデルはフレームが丸パイプとなりさらに軽量化が進んだ。それにより、エンジンの搭載位置も若干変更されている。


 ラガ300は、マグネシウム含量の多いクランクケースなどを多用して軽量化に努めているが、2009年モデルの写真からは、(少なくとも)リヤホイールにDID製リムを採用したのが見てとれる。ラガのマシンには、2007年からDID製(HRC/モンテッサが従来より使っていたもの)を使っていたが、ラガモデルのみとはいえ、市販マシンにもDID製リムが採用されることになった。
 チタン製エキゾーストパイプなども使用されて(オプションで販売されているものと同じと思われる)、ラガモデルはフラッグシップマシンとして、充実した内容を誇っている。
 丸パイプのフレームは、ラガのワークスマシンで最初に使用され、次いで08年からガスガス入りしたフレイシャが先行テストしてきたものだ。フレーム単体で1kgの軽量化を実現し、この軽くなったフレームに合わせて、エンジン位置は若干下に下がり、後方方向にやや回転したという。このフレームまわりの変更は、全車共通だ。

09ガスガス125

TXT Pro 125 R

 そのラガモデルと、内容的には変わらないのが125のレーシングモデル。マグネシウム使用量を増やして軽量化し、昨今先鋭化しているユース125クラス用マシンとして特化した諸元となっている。
 エンジンのチューニングもユースクラスに合わせたものとなっていて、鋭い吹け上がり、高回転のパワーなど、一昔前の“入門用”125ccマシンの印象はない。さらに2009年モデルは、従来モデルよりも低速域のトルクが増大している印象。一時、125といえば少ない排気量から徹底してパワーを絞り出している印象だったが、これなら再び初心者・入門者にも安心して乗れるマシンとなっている。
 もちろんこの125ccが最適なのは初級者だけではない。なんせレーシングモデルはユース125クラスでも大活躍しているのだから、そうとうなポテンシャルを持っているのは誰の目にも明らかだろう。ヨーロッパで、次世代を担う若手ライダーを次々と輩出している125ccマシン。その教育的存在意義に触れてみるのは、乗り手がたとえ若くなくても、大きな意味を持っている。

09ガスガス250

TXT pro 250

 日本では主力機種の250。海外(特にイタリアやスペイン、フランスなどの南ヨーロッパ)で人気の280とはほぼ同じスペックを持つ。素材が一部異なるだけで、ラガモデルや125レーシングなどとも基本構成は同じ。
 125同様、全体にトルクがアップした印象はある。走らせてみての印象はやはり軽いこと。諸元上の軽量ぶりも一番なのだが、ガスガスは乗り味を軽く見せることに長けている。軽さを手っ取り早く実感したいのだったら、ガスガスは最右翼となるだろう。

09ガスガスカデット

TXT Cadet 80

 さて、これが新機種。これまで、ガスガスの入門用カテゴリーとしてはボーイとルーキーがあったが、このカデットはその両者を埋めるべきカテゴリーのマシン。ルーキー(今回は写真がない)はフルスペックのシャーシ(21インチと18インチのホイールを持つ)に50ccや80ccのエンジンを積んだもので、エンジンが小さい以外は兄貴分のTXTシリーズと同じ雰囲気を醸しだしていた。
 カデットはルーキーのエンジンはそのままに、少し小さなホイール径のシャーシに搭載した。ボーイは自動遠心クラッチが装備されているが、カデットはマニュアルクラッチだから、ボーイでオートバイを走らせることに慣れた子どもが、クラッチワークを覚えようとするには最適のマシンだ(ボーイからルーキーだと、車格が大きくて、背の小さな子どもでは持て余すことが多い)。
 こういうマシンが、日本でたくさん売れるようになると、トライアルの世界も楽しくなるし、ひいては次の世代の世界のトップランカーも育つようになるのだが……。

09ガスガスボーイ

TXT Boy 50

 従来より販売されていた小さな小さなトライアルマシン。といっても、ブレーキやサスペンションは本格的トライアル指向。このマシンの特色は、クラッチが遠心式で、ミッションが2段しかないこと。2段といっても手動で切り替えるものだから、トライアルに使うのは、実質シングルスピードになる。
 遠心クラッチだが、クラッチレバーがついている。エンストの心配はないけれど、必要に応じて半クラッチを使ってパワーを引きだすことができるという、大人の初心者にもつけてあげたいような装備だ(ボーイはなんせサスセッティングが子ども用だから、いかにダイエットしたおねえさんでも、まともに乗れる仕様ではない。念のため)
各マシンのお値段は次の通り

マシン 車両本体価格 消費税込
TXT 300 Raga 838000 879900
TXT 280 831000 872550
TXT 250 819000 859950
TXT 125 Racing 850000 892500
TXT 125 765000 803250
TXT ROOKIE 70 546000 573300
TXT KADET 70 516000 541800
TXT ROOKIE 50 539000 565950
TXT KADET 50 493000 517650
TXT BOY 50 389000 408450

関連記事