
藤波貴久のいない表彰台。左が3位のトニー・ボウ。右が2位のジェロニ・ファハルド、そして真ん中がボウにポイントで5点差まで迫ったアダム・ラガ
8月31日土曜日、世界選手権も最終戦。会場はフランスのスキー場のIsola2000だった。
チャンピオン争いは前戦イギリスまでにトニー・ボウがややリードを広げて、今シーズン本当にがんばっているアダム・ラガに対して若干優位に立っている。
いっぽうランキング3位争いは、藤波貴久がその座を守っているが、終盤になってアルベルト・カベスタニーとジェロニ・ファハルドの追撃を受けているという戦況だった。
最終戦の土曜日になって、その戦況に異変が生じかけていた。
勝利したのはアダム・ラガ。今シーズン5勝目。ボウはすでに6勝をあげているが、今年のラガはこのボウに一歩もひけを取らずにくいついている。
ボウは、しかしラガに商利を譲ったばかりか、開幕戦の日曜日に続く3位。ラガに5点ポイントを縮められることになった。日曜日にもう一度同じことが起きれば、ボウとラガのポイントは同点となるばかりか、2位入賞回数の差でラガがチャンピオンとなることになる。2位となればボウのタイトルは問答無用で決まるも、ボウにとってはなかなかプレッシャーのかかる最終戦となった。
今回も、セクションはクリーンセクションが多い。クリーンセクションが多いのが簡単かといえば、そういう設定ではなにがなんでもクリーンをしなければ勝機はないので、あたってくだけたりうまくいったりして勝敗を決していく戦いより、ある意味、ライダーにとってはずっと苦しい。土曜日は、優勝したラガと2位のファハルドが5点ひとつなのに対して、ボウは3個の5点を献上した。これがボウを勝利の座から引き下ろした要因だが、特にノンストップルール採用の今年は、一瞬の油断、本のわずかな不運が5点を呼ぶ。あるいは、チャンピオン争いのプレッシャーがそれを呼び込んでいるのかもしれなかった。
そういった点では、ランキング3位争いも同じだった。開幕戦日本で勝利して、これが大きなアドバンテージとなってランキング3位を堅持している藤波貴久に対し、ファハルドとアルベルト・カベスタニーのプッシュはそうとうに強い。土曜日は、まだファハルドが2位にはいって大躍進。藤波にわずか1点差まで詰め寄ってきた。カベスタニーは不調で、ジェイムス・ダビルに4胃を譲って5位。しかしそれよりさらに不調だったのが藤波だった。
藤波は6位。例年、最終戦の藤波はその実力を発揮することができない。藤波らしい思い切りのいいライディングが見られたのは、日本が最終戦となった2002年だけだったのではないだろうか。今回も、また最終戦の罠にはまってしまった。
ファハルドに1点、カベスタニーに6点差。藤波は日曜日に向けて、とにかくライバル二人より上位に出る必要がある。
2位にはいらなければいけないボウと、ライバル二人に負けられない藤波。攻めるラガ、そしてファハルドとカベスタニーは、はたしてどんな戦いを見せるか、世界選手権最終戦は、残り1日となった。
