11月8日土曜日、栃木県宇都宮市にある作新学院大学の『作新祭』がおこなわれた。この演目の一つに、トライアルデモンストレーションが登場した。大学キャンパスをトライアルバイクが駆け回った。
作新祭は今回で35回目。人ひとひとでにぎわうキャンパスに入ると、そこは若いパワーのあふれる学園祭空間。野外エリアにはプロレスのリングや声優のトークショーステージ、多数の模擬店で賑わっていた。そのプロレスリングの並びに、全日本選手権で見覚えのある「ATJ」トラックがいて、その前にいくつかのトライアルセクションがあった。

デモが始まるのはお昼前の11時25分。3人のトライアルライダーの姿があった。国際A級小野貴史選手と砂田真彦選手、そして全日本レディースライダーでもある中澤瑛真選手だ。
このイベントを企画したのは、中澤瑛真さん。実は中澤さんは作新学院大学に在学中の大学生だ。作新祭には外部団体共同企画イベントがいくつかあって、自衛隊とのイベントや栃木プロレスなどがあったが、『トライアルバイクの実演』もその枠の一つだった。
自分の通う大学キャンパス内でのトライアル企画だが、イベントの実現のためには、小野選手と砂田選手、そしてチーム「ATJ」の協力が不可欠だった。練習場仲間でもある3人のこと、中澤さんが小野、砂田両選手に相談をもちかけ、チームATJから快諾をうけたことで、イベント開催が現実的となってきた。
ATJとしても、このようなトライアルデモを通じ、二輪車開発事業に取り組む企業としての広報活動を行っているから、中澤さんの企画案はATJの活動方針とも合致したのだ。

デモンストレーション用のセクションや音響システムはATJのもの。トライアルを初めて見る人が圧倒的多数だろう大学キャンパスのデモとあって、わかりやすく、テンポのいいトークにハイレベルトライアルテクニックをまじえて、お客さんの気持ちをひきつけていく。現役大学生の中澤選手も、いっぱいの笑顔でトークとライディングを披露して、楽しいトライアルをアピールしていく。自然山通信11月号では、中澤瑛真選手に表紙になってもらったけれど、それはこの時のワンシーンだった。
東京都出身の中澤選手は、トライアルを練習しやすい環境で学生生活を送りたくて、茨城県のオフロードパークSHIRAI、真壁トライアルランドに近い大学を選んで進学した。トライアル愛がすごい。学業とアルバイトに励みつつ、トライアル練習に精を出す。一方、全日本選手権の遠征では、家族のサポートが欠かせない。瑛真さんにオートバイの楽しさを授けたのはお父さんだった。家族はいまでもしっかりつながっている。


瑛真さんの学生生活も、時間は限られている。瑛真さんは、また来年、作新祭でトライアルデモをしたい、まだトライアルを知らない多くの人に、トライアルの楽しさを知ってほしいと、夢をふくらませている。親から娘に受け継がれたトライアルを楽しむ心は、まずは大学キャンパスで花を開き始めている。

