雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

古いレンズ、古い味わい

今年の冬は、めっきりあったかかった。雪はそれなりに降ったけれど、10度を超えるあったかい日があって、すっかりとけてしまった。そんなわけで、2月だというのに、当地でも梅の花が見られるようになった。なんせ5月になっても桜の花見が楽しめるところだから(遅咲きの桜だけど)2月の梅は、ちょっと早い春のおとずれだ。

1602エルマー35mmでうちからの早春の空。600mから標高730mの山を望む

これ、撮ったのはエルマー35mmF3.5というライカのレンズだ。ボディはα7Sだけど、この場合それはどうでもいい。このエルマーは、いつだったか新宿の中古カメラ屋さんをのぞいていて、安かったから衝動買いしたもの。買ったのはいつだか、さっぱり覚えていないけど、それからでもたっぷり20年は経っている。

ライカのレンズは製品番号から製造年が割り出せるようになっているんで調べてみたら、1935年製だった。最近はすばらしいコーティングをされているレンズが多くて、逆光にも強いのだけど、このレンズにはコーティングは施されていない。なので逆光には弱いし、全体にとろんとした写りをする。こんなレンズは、さすがにお仕事には使えないので、早春の空を撮ったりするのがちょうどいい。

エルマー35mmF3.5エルマー35mm。35mmじゃなくて3,5cmって書いてある。

コーティングがなくてぼやんとしているからかもしれないけど、なんともまろやかに写る。最近のレンズはみんなコンピュータで設計しているからか、どれもこれも優秀で、あとはいくら利益をのせるか、どこまで真剣に作るか、というところだけで勝負が決まってしまう気がする。80年前のレンズは出来は悪いけど、一生懸命作られている。それがしっかり写真に写る。

いつもなら、撮った写真は色調とか明るさとかを整えるところなんだけど、シャープネスとか足しちゃうとエルマーで撮ったものとは別物になっちゃいそうで、これは撮ったままの状態です。

このレンズでお仕事の写真が撮れるようになったらいいんだけど、使うのもめんどくさいし、現実的には趣味のレンズとして使っていくしかないんだろうな。ご近所に散歩に行くときにはいいかもしれない。

そしてこちらは春の証の梅の花。こちらはスーパーダイナレックス135mmF4.0というレンズで撮っている。このレンズは、かっこいいと思って衝動買いしてしまったものだ。ほどよいものが楽天の通販で売られていたけど、楽天の通販にはかかわらないとかたく誓っているので(最近の楽天の迷走を見ると、それは正しかったと納得している)店主にメールをして、すぐに金を振り込むから、楽天を通さずに売ってくれとお願いして手に入れた。6,000円くらいで買ったんだと思う。これはα7を買って、マウントアダプターでいろんなレンズがつくのが楽しくなってからだから、買ってから1年か2年しか経ってない。

1602スーパーD135mmで

こちらの年式はよくわかんないんだけど、1960年代らしい。先のエルマーはうちのオヤジと同世代。こちらのレンズはぼくと同世代だ。

レンズシャッター式の一眼レフ用交換レンズとして作られたもので、なんでそんな設計にしようと思ったのか、このフォクトレンダーというメーカーは、奇抜なことが大好きみたい。独創的な設計のカメラボディは当然フィルムカメラだから、持ってても使わないだろうなぁというのが残念なりだ。

で、レンズシャッターだからなんだけど、このレンズは一番近寄っても4mまでしか近づけない。4めーとる! ぜんぜん近寄れない。そんなレンズで、昔の人はなにを撮っていたんでしょうね。遠くの山とかを撮ってる分には問題ないんだろうけれど。

ところがぎっちょん、こちらは純正のボディを使うわけじゃない。ボディ側から3本縞模様のラインが見えるけど、この部分がマウントアダプターで、このアダプターにはヘリコイドがついている。これをぐるぐる回すと、レンズの設計値である4mより、もっともっと近寄れてしまう。ふつうは設計値を超えて近づくと、だんだん写りが悪くなるものだけど、このレンズはふつうに写ってしまう。

このレンズの評価は一致していて、そこそこよくできているけど、おもしろいところもない優等生レンズ、という感じ。古いレンズは、もっと写りに破綻があって、下手をするとなにも写らないけど、うまくいくとそこがおもしろいというところが楽しいものが多いのだけど、このレンズはその点ではあんまり楽しくない。逆にいえば、今でもそれなりに使えてしまうのだけど、わざわざこのレンズで撮りたいという写りもしてくれないところが、また残念なりなところだ。

マウントアダプターのレンズ側に絞りを操作する環があるけれど、これはこのレンズのデッケルマウントをM42に変換するアダプター。このレンズの絞りはボディ側から操作するので、レンズ単独では絞りの操作ができない。それでアダプターには絞り操作の機構もついているってわけだ。

その先が、レンズ本体。で、一番先頭にあるHAKUBAってのはフィルターで、その前についているフードも最近の製品。レンズ本体だけならかわいいんだけど、なんだかんだでひょろ長くなってしまって、これまた少し残念なりだ。

スーパーダイナレックス135mmα7+マウントアダプター(E->M42)+マウントアダプター(M42->デッケル)+ハクバの保護フィルター+汎用の金属製フード

今気がついたけど、ライカのレンズをGONTAXってシールを貼ったカメラにつけちゃった。で、フォクトレンダーのレンズをLIECAにつけちゃった。フォクトレンダーは世界最古のカメラメーカーで、このレンズが生まれた頃にはツァイス・グループの仲間になったらしいので、組み合わせを逆にしたらよかったなと、残念なりばっかりのオチになってしまった。

ちなみに、レンズの写真は2枚ともロシア製のインダスタール61という50mmF2.8で撮った。ウクライナだかどこだかから届いたときには、グリスが腐ったような異様な匂いをまき散らしていたものだけど、最近は少し臭わなくなった。このレンズで撮った写真は、なんとなくグリスがにじんだように写る。

ところで、古い工業製品といえば、先日こんなものに出会いました。ヤマハYDS-1。2ストロークのヤマハの原点のようなスポーツバイクで、浅間とかでは大活躍したものだ。

1602YDS11959年式だと思われるヤマハYDS-1

取材に出かけた亀岡トライアルランドの森浩二郎くんがレストアしているもので、音を聞いているだけでわくわくしてくる。ツーリーディングのフロントブレーキとかは、レース用のキットパーツなのかもしれない。現代の機能満載のオートバイもかっこいいけど、これもまたかっこいい。大昔の光学機械とおんなじ香りが感じられる。

1602YDSと森くんYDS-1の試運転。血が湧くようなサウンド

ここは森家のお庭なので、整備しているかっこうのままエンジンの調子を見ている。ヘルメットかぶらなきゃダメだとか誰かにつっこまそうだけど、時代的にはノーへルも似合いそうだ。