雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

大雨、トイレ、モリアオガエル、と除染

かわうちトライアルの開催を目前にして、いろいろどたばたやってます。そんなさなか、火曜日の夜にけっこうな雷がなって、雨が降りました。一部テープも張っていたから、こりゃ、流れたり切れたりしてるんじゃないかなと、でかけてきました。

つづく

水曜日は、トイレが届く日でもありました。去年までトイレは3基お借りしてたんだけど、今年は参加者が多くなったので、ひとつ増やして4基にしました。

1606トイレの設置

レンタルトイレは、持ってきてくれて設置してくれます。使い終わったら、くみ取りをしておけば、持って帰ってくれる。イベントを開催するときには、まずおしっことうんちの量を計算しろと、最初に忠告をいただきました。大事なことです。

それにしてもいつも感心するのは、レンタルトイレ屋さんのお仕事。この場所は今年で3回目ですが、彼らにとってトイレを設置する場所は毎回ちがうはず。現場を見て、どんな角度でどんなふうに置こうかと思案して、そして設置作業をする。その間、ほんの5分くらい。てきぱきと、たった一人で作業していきます。職人技です。

さて、参加者の皆さんにお願いとご連絡。このあたり、今ごろになっていっしょうけんめい除染が行われています。除染については思うところもあるのですが、徹底的な除染がお題目になっていますから。いまは牧草地の周囲などが、今回の除染の対象になってます。

1606草地のフレコンパック

で、会場へ向かう道すがら、こんな光景を見てしまうことになります。青い袋の中には除染の産物である、放射性廃棄物ってやつが入ってます。初めて来る人は、ちょっとびびるかもしれませんけど、特に隠す予定はありませんので、すいません。

今回のセクションは12個用意しましたが、セクション入口の空間線量を簡易的にですが計ってあります。一番高いところで0.3μSv/hくらい、一番低いところで0.15μSv/hでした。

世の中にはいろんな人がいるので、こんなところでお客さんを遊ばせるなんて、と憤る人もいるでしょうけど、来たい人だけに来てもらってます。

こういう比較対象を持ってくるのはちょっといやらしいけど、http://radioactivity.nsr.go.jp/map/ja/の計測データによると、たとえば福島市の信夫山子供の森公園では0.339μSv/h、郡山駅東口は0.213μSv/hありました。

この数値を見て高いと思うか、それほどでもないと思うか、判断はいろいろだと思いますが、かわうちトライアルの会場は除染作業はやってません。除染しないでこれくらいの数値になっているというのは、放射線の増減を考えるうえで、興味深いデータではないかと思います。

福島市や郡山市は当然除染作業をやっています。除染は放射線地の高いところ、人の住むところ、人の多く往来するところから手をつけて、今、草地などに順番が回ってきているということです(正確には草地そのものは農業従事者にまかされていて、その周辺の除染を行っています)。

1606草地の除染

通りすがりに看板を見たら、このあたりの土は100ベクレル(/kg)ちょっとと表示してありました。100ベクレルといえば、国の基準で食べてもいい、食品として出荷してもいいという基準です。100ベクレルを超えているから食べてはいけないのでしょうが、土を食べようと思う人はいないでしょう。でも、放射脳的には食べてもいいぎりぎりくらいの数値を、今せっせと除染していますということです。

いやいや、除染の話をしたかったのではなくて、今回はトイレの設置の立ち会いと、大雨の被害を見に来たのだけど、コーステープなどは前日の雨くらいではへっちゃらだった。打ち込みが甘い悔いが1本倒れていただけで、ちょっと拍子抜け。丸一日作業してもしょうがないなという気でいたから、ちょうど6月になったことでもあり、平伏沼に寄り道して帰ることにしました。

1606平伏沼遠景

平伏沼というのは、モリアオガエルが産卵することで、国の天然記念物に指定されている沼です。どこからも水の入口がない。雨水と周囲からの水を蓄えて沼になってます。

モリアオガエルの卵は、かわうちトライアルのコース状でも散見できます。でも時期がちょっとちがって、平伏沼の方が早い。コース脇の沼には、まだ卵は確認できなかったけど、平伏沼では5つくらいの卵がありました。

1606モリアオガエルの卵

でも実は、もう15個くらいの卵が確認されているんだそうで。素人には見えない卵があるんですね。

沼の水は、少し少なめ。この沼、けっこうひんぱんに干上がって、カエルが死んじゃうとあわてさせるんだけど、今年は雪が少なかったから、水が少ないのもしょうがないみたい。

カエルがいつごろ姿を見せるのかとか、彼らの生態とかは、管理人さんみたいな方がいて、ていねいに教えてもらえます。モリアオガエルは木の上で産卵をするんだけど、メスは気に入ったオスを背中に乗せて木に登っていくんだそうで。木に登ってから相手を探すのかと思ってたけど、出会いの場は別に用意されているんですね。

1606管理人さんの

彼は週に3日ほど沼に来て管理、観察を続けているようです。入口の駐車場にこんなのが止まっていたら、詳しいお話が聞けるラッキーな日です。

ほんのちょっと来て、今日はカエルがいないやと帰っちゃうようでは、なかなかモリアオガエルさんには出会えないようですけど、でも帰っちゃうことにした。お昼ご飯食べたいからね。

帰り道には、こんなのがあります。クルマを止めて見上げると、ブウンブウンという音がします。風力発電は低周波音被害の元凶なのかエコエネルギーの源なのかはわかんないけど、目の前にこんなのが現われると、ぎょっとするのは確かであります。

1606風車近景

この風力発電の風車は、7年くらい前に建ったものだ。でも所在地は隣の町で、村には建ってない。隣町に建っているのに、不気味な景観だけもらうのは損しちゃう感じがする。まして低周波音被害なんてのがあったら、目も当てられない、耳も当てられない。

んなことを思いながら高原地帯のくねくね道を走っていると、こんな光景に出会います。

1606太陽光発電

ここは村の中でも、ぼくの好きだった光景が広がっている一帯でした。震災前までは牧草を育てていたのだけど、牧草から出る線量が高いということで、草を育てなくなっちゃった。地主は村なので、村は使われなくなった草地をソーラー発電所に変身させたわけです。

風力発電も太陽光発電も、原子力発電に代わって明るい未来のエコエネルギーのはずなんだけど、どちらも目の前にしてみると、なんとなく不気味なのはどうしてなんだろうなぁ。ぼくがへそ曲がりだから、という理由だったら、それなら一安心なのですけれど。

1606風車遠景