雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

ユーロが安い

081001シベリアの空
 ユーロが安くなっているのを、人から聞いて知りました。一時は1ユーロ160円ほどだったのに、今見たら137円だった。これくらいだったら、ヨーロッパ旅行も楽しいのになぁ。つい最近、5ユーロの昼食で書いた愚痴を、神様が読んでてくれたのかどうかわかんないけど、お見事な相場の転身。
 おっと、しまった。今回は珍しく、レンタカーを借りるのに日本語のページからアクセスして、円建てでレンタカーを借りてしまった。ユーロ建てだったら、決済した日の相場で計算するから、少しお得だったかもしれないのに。あー、損した。


 ユーロが値下がりすると(円が高くなったのかもしれない)、日本からヨーロッパに旅に出る人にとっては極楽で、同じくヨーロッパの品々を日本に輸入する人たちにとっても、極楽になる。今までは、ヨーロッパから日本に旅する人が極楽で、日本の品々をヨーロッパに輸出する人たちが極楽だった。正直、ここんところ数年のトライアルマシンのインポーターのみなさんは、お気の毒な限りだった。思えば、スコルパTY-S125Fは、当初ぎりぎり40万円を切る価格設定で世に出てきた。当時の相場がいくらだったか忘れたけど、それがいまや、四捨五入すれば60万円。お値段が高くなっても、実はマシンを売っているほうにはてんでもうけにならないというお気の毒な状況だった。もちろんこれは、スコルパだけじゃない。インポーターはその名の通り輸入業者だから、円安は死活問題になる。実際のところ、みなさん、たいへんだったのだ。
 ガソリンが高いなんてのも、もともとの石油屋さんが値段を上げているというのもあるけど、円が安いからとばっちりをくっているというのもある。自然山通信やトライアルはトヨタとかソニーとかの輸出産業にはあんまり(読者のみなさんには大いに関わりがあるかとは思うけど)関係ないので、できるならずっと円高でいてくれると、海外取材はお財布を(あんまり)気にしないで出かけられるし、おみやげも買ってきやすい。円高バンザイだ。
 と、ユーロが安くなったから、マシンはもっと安くなるべきだという声を、中部大会で聞いた。まぁごもっとも。マシンのお値段が高いから、トライアルの普及もままならないという図式は根強い。ちなみに、スコルパTY-S125Fがどんぶりで1ユーロ160円時代に56万円だとすると、140円になった今は50万円を切るお値段になるって計算になる。100万円を超えるマシンだと、10万円近く安くなってもおかしくないってことになる。
 でも、これがまたお気の毒だなぁと、ぼくはインポーターでもないけど、思うのだった。円相場とは関係ないけど、今、TY-S125Fに入手難が続いている。エンジンが人気で供給が間に合わないんじゃないかというのがぼくの観測だけど、ともあれ注文しても、何ヶ月待ちという事態が続いている。最寄りのお店に在庫がないんじゃなくて、日本のどこにも在庫がないんだから、どうしようもない。
 バックオーダーってのがどういうシステムになっているのかよくわかんないけど、仮に契約書を交わして注文していたとしたら、注文書通りに請求書が回ってきても文句はいえない。そしたら、1ユーロ140円の今のご時世に、160円の時代の請求が来ちゃう? じゃいいよ、キャンセルして注文しなおすよ、となったら「次の出荷は2年後になります」なんてことになったりして。踏んだり蹴ったりだ。
 ものは安いにこしたことはないと思うけど、安いのバンザイとはしゃいでいたら、農薬たっぷりのお米を食べさせられていた。農薬入りお米を食べたくなかったら、あんまりものの値段を叩かないことだと思うけど、お財布の中身を見てしまうと、安いのにこしたことがないと思ってしまうんでしょう。
 トライアルマシンは、安くても高くても農薬入りということはないけれど、レンタカーを借りるだけでも円相場の影響をもろに受けてうろうろしている身としては、スペイン人やフランス人やイタリア人を相手に契約書を取り交わし、いつくるともわからない荷物を待ちわびて、パーツの在庫も管理し、パーツリストや使用説明書の日本語訳もつくって(これをつくらないと、PL法違反になっちゃうらしい)、なおかつユーロの相場を日々見つめているみなさんのご心労を察すると、つくづくストレスフルだなぁと思ってしまう。ユーロ安が続いたら、なるべく早いところマシンの値段が下がってほしいものだけど、そんなわけだから、今日ユーロが下がったから明日マシンのお値段が下がるとは思わないでね。
 インポーターさんから袖の下つかまされているわけじゃないけど、珍しくこんなこと書いてみたのは、某インポーターさんがメーカーまで出かけていって、高速道路のガソリンスタンドでパスポートからなにからごっそり盗まれてたいへんだったという悲劇を聞いて、インポーターさんにちょっと同情してしまったからでした。
 写真は、シベリア上空で見た夜明け。ヨーロッパから日本に帰ってくるときだから、日の出はあっという間。左翼で日の出が見えるということは、成田に向けて機首をだいぶ南に振っている時間帯ですね。デジカメのデータを見てみたら、日本時間の5時39分となっていた。