雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

新しいMacBook

渋谷駅の東急5000系

新しいMacBookを買ってみました。自然山通信の二人はMac使いです。杉谷はMac以外は使ったことがない。ニシマキは昔はMS-DOSなんぞで遊んでいたこともあるけど、Windowsは使ったことがない。こだわりがあるわけじゃないし、Macはでっかくて持ち運びに不便だとか、あのソフトが使えなくて悲しいとか、いろいろ愚痴をいいながら、それでもMacでお仕事したり遊んだりするのが幸せだと感じています。でも、今回はちょっと悲しかった。そしてそれは今もなんとなーく続いているのでした。

今、MacBookは3種類あって、CPUのスピードとか筐体の材質とかキーボードが光ったり光んなかったり、いろいろ仕様がある。ぼくが買ったのは一番安いやつです。といっても、FireWire(今はIEEE 1394と呼ぶのが一般的のインターフェイス。動画や大容量ファイルをやり取りするのには便利)コネクタが、最近は省かれているのが多くて、この一番安いのには残っている。一番安いのは、要するにベースが旧型だからです。

ニシマキ的には、今まで使っていた12インチディスプレーのiBookから横長13インチディスプレーを持ったMacBookにマシンが変わると、今まで使っていたカバンに入らない。コンピュータが入るバッグを調達しなきゃいけなくなって、となると、いろんな生活パターンを見直さないといけないんで、これがたいへん。

昔は、新しいマシンを買うというのは、設定をゼロからやり直さなければいけなかったから、それだけで1日2日費やした。それで、すべての設定を移行することはできなくて、新しいマシンを買うと、古い設定や作業中のファイルのいくつかは移行し忘れたもんです。まぁ、忘れられるものというのは、ある意味忘れられてもしょうがないようなものですから、ときどきそうやってシェイプアップした方がいいのかもしれない。

ところが今、アップルのコンピュータはとても親切で(WindowsVistaにもあるかもしれないけど)新しいコンピュータを買うと、古いコンピュータのデータをするすると吸い上げ、今まで使っていた環境をそっくりそのまま実現するという機能がついている。今までの使い勝手そのままで、きれいな筐体と速い性能を手に入れられる。大喜びです。データはなんだかんだと200GBくらいあるから、おまかせしても2時間くらいはコピー作業をやってるんだけど、2時間待っていれば、今までと同じ感覚で仕事が始められる。新しいトライアルマシンを買って、ハンドルと前後サスとフットレストとブレーキペダルとフロントブレーキとクラッチのマスターをお好みに合わせて交換して、しかも半日ばかり慣らしをしたような状態が、箱から出して2時間で実現です。すごい。

でも今回のお話は、ここまでは余談。ノートパソコンだから、バッテリーがついている。バッテリーだけでも、3時間とか4時間は仕事ができるようになってます。ディスプレーをパタンと閉めれば、コンピュータはスリープモードに入って、そのときやってた仕事はメモリーに一時保存される。電車とか飛行機とか、喫茶店とかで仕事するには最高の道具です。

で、いよいよバッテリーが消耗してくると「もうすぐ電池がなくなるよ、画面が暗くなってスリープしちゃうよ」と教えてくれて、それからしばらくすると画面が暗くなってスリープする。でも、そこで電源をつなげば、メモリーに入っていたお仕事はそのまままた続けられるのが、ノートパソコンの一般的な仕様です。電池は最後まで使った方が効率がいいというのもあるし、電車の中にはコンセントがないのもあって、ぼくは最後の最後まで仕事をして、スリープして仕事が続けられなくなったら、どこかでコンセントを借りて仕事を続けるか、コンセントをつないだ状態で予備のバッテリーに交換して(コンセントつながないでバッテリーを交換するとメモリー飛んじゃうから。バッテリー、ふたつ積んであると便利なんだけどなぁ)また仕事を続けることにしてました。

ところがこのMacBook、買ってみてびっくりしたんだけど、最後まで使うと、スリープしないで電源が落ちちゃう。やってた仕事はパァ。こりゃぶっ壊れてるよとすぐ電話。とりあえずなおるかどうかわかんないけど、バッテリーを交換してみましょうと、バッテリーが送られてきた。送られてきたバッテリーを取り付けて満充電して、AC電源を外してお仕事してみる(お仕事だけじゃなくて、ネットサーフィンしたりゲームしたりもした)。やがて「もうすぐ電池がなくなるから、画面が暗くなってスリープ状態になっちゃいますよー」というメッセージが出てくる。さらにそのまま仕事し続けてると、ご警告のとおり画面が暗くなってスリープ状態になっちゃう、はずなんだけど、プチンとやっぱり電源が落ちちゃいました。

そんな検証をしている頃「送ったバッテリーはちゃんと返してくれましたか?」というメールが届きました。手続き通りなんだろうけど、ちょっとこのやろうと思う。すぐ電話して「ぜんぜんなおってないんですけど」と泣きつく。向こうは、故障だかなんだか事態がつかめていないらしくて、おんなじのをもう一度送ってくることになった。一度売ったものは、修理扱いになって、なかなか交換にはならないらしいから、これは不幸中の幸いでした。

ぼくが買ったのは、ハードディスクとかメモリをアップル側で増設してもらったもので(けっこう割高だけど、すこんと使い始めたかったので、こういうのを選びました)代替え品も、またアメリカで組み替えをして送られてくるんだそうだ。サポートするのもたいへんです。

待つこと1週間弱、新しいのが届いた。ここでまた問題。本来、交換なんだから配達に来たときに古いのをその場で返せということなんだけど、ここはちょっとごねさせていただきました。

「仕事するためにお金だして買ったんだから、ものがあるうちは仕事したい。Macには、古い機械から新しい機械にデータや環境を移せる便利な道具があるから、交換をするときに半日でいいから2台を預かってデータの移行をしたい。そもそもこんな時間と労力は、ぼくはしなくていいはずだったんだからね」

向こうは悩んでいたけど、調べたらそういうシステムもあるんだそうだ。なんだ、最初からあったんだったら、知っててよ。アップルのサポートも、意外に無知でした。で、そのシステムというのは、とりあえずクレジットカードに2台購入の手続きをとって、1台返ってきたら決済をキャンセルするんだという。返さなかったら、2台お買い上げということですね。まぁいいや、それでお願いしますと、とりあえず一件落着。

新しいのが来て、古いのからデータを移行して、古いデータをばっさり削除しながら新しいのを使い始める。AC電源使わずに使っていると、やがて「電池がなくなるよー」の警告のあと……、ぶつん。おんなじだ。

すぐ電話。おんなじでした。どうしましょう。ぼくが買ったのはアルミニウムボディの新型が出ている現在、旧型の安物の白いやつ。サポートセンターでは、手近に症状を検証できる同型の機械がないってことで、ちょいと調べてお返事するから、待っててくださいという結論になりました。ご迷惑かけて申し訳ないみたいに低姿勢なので怒る気にならないけど、結局なんの役にも立っていないわけです。

その後、ふと気がついて、移行したぼくのシステムが悪さをしているのかと思って、一度ハードディスクを初期化して、すっぴんのシステムで検証してみました。おんなじ。ぷつん。ちなみに今時のMacには、タイムマシンというシステムがあって、ハードディスクをつなげておけば、日々バックアップをとってくれて、過去のデータにアクセスできるというすばらしい機能を持ってました。これの使い方を知ってたら、2台並べてデータを移行しなくてもよかったのになぁ。なんだか、いろいろ回り道。

その後、自然山通信の発送の際に(3月号、遅れてごめんなさい)、渋谷のアップルストアをたずねてみました。ここにはジーニアス・バーという日本人にはよくわかんない相談コーナーがあります。ジーニアスって天才だそうです。これは期待できます。時間を予約して、行ってきました。ジーニアス・バーでは、すでにぼくが電話サポートでクダを撒いているのもデータが入っているので、話もスムーズ。こちらの言いたいことはとりあえず伝わったみたいでした。ところが天才さん、誰かに電話して「MacBookって、電池が切れるまで使ったら、スリープに入るんですか? 電源が落ちるんですか?」なんて聞いている。天才さん、よろしくお願いしますよ。今までMacのノートパソコンを代々使っていて(10台くらい使ったかもしれない)、電池切れでスリープに入らなかった機種はひとつもございません。その質問は「ひとは夜、おなかぺこぺこになるまで働いたら、眠くなっちゃうんですか? 死んじゃうんですか?」とどっこいの質問に思えます。とほほ。まぁ、手続き場の質問なんだろうけど。

当然、スリープに入るということで天才さんは了解してくれたけど、ぼくの症状はなんだかわかんないということだった。想定外、って感じです。

ぼくの主張はこんな感じ。

・2台続けて同じということは、ぼくの買った個体の問題ではないと思うが、事実はどうか。
・トラブルだったら、なおしてほしい。
・仕様なら、仕様だといってほしい。でもスリープしない仕様だったら、ぼくは買わなかったかもしれない(ちょっと脅し)

ところがまず、仕様かどうかはわからないという。MacBookはぼくひとりが買ったわけでもないだろうけど、こういう報告はどこからもあがってないという。なのにぼくのところに届いた2台はまったく同じ症状です。

「みんな、そういう使い方はしないのかもしれませんね」

アップルストアのジーニアスも、スリープのこの仕様は知らなかったから、みんながこういう使い方をしないのも少し納得できます。でもそれとこれとは別問題で、本来動くはずのものが動かないんだったら、なんとかしてくださいよ。

ジーニアス・バーでもアップルストーの電話サポートでも「では預かって調べてみます」という展開に持ち込もうとする。明らかにトラブルがわかっているならパーツの交換だけで早いだろうけど、この場合、原因もつかめないから預かって調べたいという。

ちょっと待ってください。ぼくの個体のトラブルだったらそれもそうかもしれないけど、2台続けてトラブルで、これが仕様だっていうんだったら、メーカーの方で勝手に調査して、リコールでもしてください。お客様が買ったもので検証しないでください。もしも2台続けて、たまたまトラブルだっていうんだったら、3台めをください。

たぶん、ジーニアスや電話サポートも、そこまでのサポート権限は持ってないんでしょう。困ってしまっておしまいです。電源さえつないでおくか、バッテリー残量が少ないときには気をつければ問題なく仕事はできるので、ぼくはこのまま仕事を続けるから、時間はかかってもいいんで、そちらで検証して、仕様通りの機械にしてくださいとお願いしておきました。「MacBookの仕様は電池が切れたらスリープに入ること」は向こうも納得しているんだけど、アップル側から「MacBookを検証して、その仕様通りに動いている」という報告はもらってません。知り合いのMacBook使いには検証をお願いしたけど、みんな少し古いのを使っているから、ぼくの問題の検証にはならないんですね。

そうこうするうち、これまた気がつかなかったんだけど、今、Macには3種類のスリープがあって、メモリーにすべてを記録するのと、ハードディスクに記録するもの、メモリーとハードディスクの両方に記録するもの。ぼくが知っているのはメモリーに記録するスリープで、これだと、わずかながら電気を使う。ハードディスクに記録するスリープだと、電気は使いません。このスリープの種類のことは、サポートでは教えてくれませんでした。電池が残り少なくなったら、とりあえずハードディスクにデータを記録してスリープさせておけば、作業中のデータも失わないんで、この3種類のスリープを選べる道具を調達して実験もしてみた。ハードディスクにメモリー状況を保存するディープスリープは、起き上がるのに時間がかかるけれど、ハードディスクに保存するのだから、メモリー空間に保存するより安心です。

こんなことをしているうち、アップルのサポートから電話がかかってきました。ちなみに電話サポートのご担当はうら若き(と思われる)乙女のムカイさんです。声の調子は頼りなげだけど、声の調子で人を判断しては行けません。渋谷の天才さんたちも知らないことは知らなかったしね。電話の用件は、バッテリーアップデートが出たんで、これを実験してみてちょうだいということでした。

ぼくも、年がら年中、バッテリーの最後の一滴まで使い切るわけではございません。外出したとき、たまたまそういう状況になることが人より多いのと、バッテリーのためには、中途半端な充電を繰り返すより、きっちり使い切ってから充電した方がよかろうというってことで、機会があればそういうことになっているというだけでございます。でも、サポートのムカイさんにお願いされちゃったので、検証してみた。

あれ? 今度は電池を使い切ると、ディープスリープに入りました。なんか、様子が変わっている。バッテリーアップデートの問題なのか、それ以前にぼくがスリープについていじったからなのか、真相は謎です。ともあれぼくは、100%は納得してないけど、90%は満足できる状況になりました。アップルはバッテリーを交換しマシンを交換するという費用と労を執ったのに、なんの解決にもなりませんでした。なにやってるんだというか、本当にご苦労様です。
 あー、そういえば、自然山通信もDVDがうまく再生できないということで、何度か代替え品を送らせてもらうことがあります。だからサポートのご苦労は少しはわかってるつもりなんだけど、今回のアップルになんだかなぁという感想を持ってしまいました。アップルのOSはかっこよくて、WindowsのOSを使う気にはなれないぼくみたいな人のために、アップルもかっこいいだけじゃなくて、ちゃんとした機械を作ってほしいなぁ。

その一方、自分のコンピュータの使い方が、人とちがう不思議な使い方なのかなぁと、これも少し悩みです。

以上、コンピュータをへんな具合に使っているニシマキの、愚痴でした。

写真は、渋谷ハチ公前に現れたる東急5000系車両。ちょっとした待合室になっていて、いい感じ。