雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

MacBookのその後のその後、と

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 ググれカス。
 なーんていわれちゃうんだろうなぁという結末だった。
 ぼくが買った新しいMacBookは、3台目になって、ようやくまともに動きはじめた。ただしくは、最初っからまともに動いてたんだけど、ようやく使い方を把握したってところだ。
 なさけないのは、もちろんぼくもなさけないんだけど、せっせと電話サポートをして、それでも3台も交換しなければいけないというサポート側の対応も、相当なさけない。どうしてこんなことになったのか、今となってはだいたい把握できるんだけど、そもそも無知が招いた種だから、本当のところはよくわかっていないのであった。


 アップルの電話サポートのMさんは、いつもとても親切だった。親切だったけれど、こちらが希望する情報を出してきてくれることはなかった。そもそも今回の問題は、アップルがあんまり公にしないで実装したスリープ(Windowsではスタンバイとか休止とか呼ばれる機能)についてだったので、公式の技術解説がされていないみたいなんですね。Mさんも、インターネットを検索して、動向を探った、なんて話をしてくれた。
 最初に電話サポートを受けたとき、どうもらちがあきそうにないから、アップルストアに出かけていって、症状を確認してもらった。電池がなくなると、本来ならメモリーをバックアップして静かに動作を止めるのに、こいつときたら、いきなりストンと電源が落ちてしまう。それは、アップルストアのジーニアス(天才とか熟練者という意味だそうですね。ほんとか)たちにも確認してもらった。
 あいつら「こういう仕様じゃないのかな」なんて言ってやがった。自分のところの製品仕様も知らないってんだから、なさけない。いや、ここでも、彼ら個人個人はとても感じがいい人たちだった。みんながみんな知らないんだから、ぼくが持っていった症状は、よっぽど重箱の隅のトラブルだったのか、アップルの教育機関では教えていないものだったってわけだ。
 その時点で、マシンは一度交換になっていた。新しいのになるといっても、環境を移し替えるのだけで半日やそこらかかるんであんまりうれしくない。自分がかったのが、最初からすんなり動いてくれるのが一番いい。
 そのうえ、どうも「預かって検証したい」なんて話になりそうだったから「2台もらって2台とも同じ症状というのは製品の問題じゃないか。検証するんだったら、そっちのマシンでやってくれ。ぼくがお金を出してものを横取りして検証するな」とお話しして「じゃ、時間がかかるかもしれないけど、お返事します」というところで話は終わった。
 以後は、Mさんとのやりとりになる。
 その後、セーフスリープという、Windowsでは当たり前になりつつあるスリープの機能が、最近のMacのノートパソコンにはひそかに装備されていたということを知る。ところがこいつの使い方が、あんまりきっちり解説されていない。最近のMacには説明書なんてのがないから、説明書読んでないというのはユーザー側の瑕疵になりにくい。説明書読まなくてもふつうに使うにはふつうに使えるというのが売り文句ですからね。
 サポートさんから教えてもらったのは、新しいのがきたら、まずバッテリーの調整をしてくださいってことで、このページを読めということだった。
http://support.apple.com/kb/HT1490?viewlocale=ja_JP&locale=ja_JP
 このページのおまけみたいなところに、スリープモードについてのこんな解説がある。

ヒント:バッテリーが「空の状態」になると、コンピュータは強制的にスリープモードに移行します。実際には、まったくの「空」の状態になるわけではなく、一定時間、コンピュータのスリープ状態を維持するだけの残量はあります。バッテリーが完全に枯渇してしまうと、コンピュータは強制的にシャットダウンされます。この時点で、PowerBook G4 (15-inch Double-Layer SD) コンピュータに組み込まれたセーフスリープ機能により、コンピュータのメモリ内容はハードディスクドライブに保存されています。電源が復旧したら、コンピュータはハードディスク上のセーフスリープイメージを使用して、スリープ前の状態に自動的に戻ります。

 これが、アップルが教えてくれる公式のスリープについての解説の、ほぼすべてだ。
 今、少し知識を身につけてみると、検索のやり方もわかってきて、いろんな有益な情報を(今さら)得ることができた。素人ってのは、そもそもどういうキーワードで検索したら答えが見つかるかがわかんないから、ググれカスと言われてもそういわずに教えてくださいとうなだれるしかないんですね、かわいそう。
 ぼくの場合、Mさんという強い味方がいた。Mさんに、インターネットでかろうじて得た知識を確認しても、はっきりとは答えない。公式に答えられる範疇ってのがあるんだろうなと思うけど、もともとぼくは非公開のなにかをさわっちゃっておかしくしちゃったんじゃない。古い(セーフスリープモードを備えていない)ノートパソコンから環境を一式移行してきたときに、なぜかスリープのモードがおかしな設定になっちゃったんじゃないかと、今にしてみれば推測できる。
 これは隠しコマンドみたいのを使ってモードを確認して、設定を変更すればいいんだけど、それはアップルのサポートでは教えてくれない。そもそもぼくは、そういう状況になってるかもしれないなんてさっぱりわからなかった。
 3台目のMacBookが届いたとき、返すべき1台と新しいのと2台並べて、どこがどうちがうのか、調べながら動かしてみて、ようやくこれだと納得できた。
 ターミナルというUNIXのコマンド画面を開いて
# pmset -g
 と打つと、パワーマネージメントの設定が確認できる。
# hibernatemode 3
 これが標準状態なんだけど、ぼくのは0だったり7だったり、いろんな数字になっていた。はじめてこの状態を確認したときには、ぼくはこの設定をいじる方法なんて知らなかったから、何者かが勝手にいじっていたわけだ(何者かというのは、ぼくの古いコンピュータに入っていたなにかのソフトかなんかだと思うけど、どのソフトも、悪気があったわけじゃない)。で、0ってなんですか? 7ってなんですか? って質問にサポートさんは答えてくれなかったのだ。
 標準状態に戻すのは
# sudo pmset -a hibernatemode 3
 さらに悪いことに、ぼくは最近、お気に入りのキーボードがあって、それをつなげている。で、どうもこのキーボードがつながっているときには、アップルのやりたいようなアクションにならないみたいなんだ。そこに気がつくのにも、ずいぶん時間がかかった。問題がキーボードだけの問題だったらもっと早く到達したんだろうけど、そもそもキーボードをつなげていないときにも症状が出ていたわけだから、キーボードのことは疑っていなかったのだ。
 てなわけで、ともあれクレーマーとしてくだをまいたつもりはぜんぜんないけど、結果として2台の新品MacBookを汚しただけでアップルさんにお返しすることになった。
 なんだかもうしわけなかったなぁと思うけど、最初からスリープの問題なんだから、スリープの肝をどすんとついてきて調査させてくれれば、お互いもっと早く決着したのになと、この期に及んでアップル側の対応にちょっと納得いかないものを感じていたりもする。
 兄貴のやることにはとりあえずケチを付けてみるうちの弟に言わせると「バッテリーを最後の最後まで使い切ろうなんてケチな考えをおこすからそんな目に遭うんだよ。早めに電源につなげよ」
 てことになる。それはそのとおりなんだけどね。
 で、そうこうしているうちに、ぼくはiPhoneがほしくなった。今まで、これをほしくなってしまうと引っ込みがつかなくなると思って、見ないふりしていたものだけど、とある人に見せびらかされて、どうしようもなくなった。
 さて日本のiPhoneはソフトバンクが販売している。ぼくの住んでるあたりだと、ソフトバンクの電波は皆無。なので持っていてもいまいちおもしろくない。電話として使えなくても、機能的にはおもしろいから買っちゃうという思いきりもあるのかもしれないけど、ソフトバンクに毎月2,500円がとこ払うとすると、2年で(2年は解約させてもらえない)50,000円からの出費になる。しかも、今持っているお気に入りのノキアは、iPhoneとはいっしょに使えない。これがどうも許せない。
 調べたら、香港ではSIMロックのないiPhoneを売っているらしい。これを買ってくればdocomoのSIMを入れても、とりあえず通話することくらいならできる。でもこれは、80,000円もした。
 ここで、どうせ電波がないところにすんでいるなら、iPodTouchでもいっしょではないかという意見が出てきた。iPodTouchなら、27,000円。電話はできないけど、無線LANでインターネットに接続すれば、メールもやりとりできる。コンピュータを広げるより、気軽。
 こんなことに1週間ほど悩んで、MacBookのお悩みついでにアップルさんに聞いてみると、30,000円お買い物してくれるなら、9,000円のクーポン券さしあげましょうということになった。3割引? すごい。
 それで結局、罪滅ぼしという大義名分(おもちゃを買ってしまった自分を納得させる理由)もあって、iPodTouchの一番安いやつにケースとか液晶保護フィルムとかかって、34,000円ほどのお買い物。クーポン使って、25,000円也。
 勝負してたわけじゃないけど、ぼくとアップルの勝負は、結局引き分けみたいなのだった。
 写真は、毎朝5時にiPodに配信される産經新聞。ネットのニュースもいいけど、新聞を広げる感覚で文字を追えるのはやっぱりいいもんだ。新聞をうまくたためないニシマキ的には、iPodの画面で読む新聞がとても快適です。これで無料なんだから、くりびつてんぎょう(ちなみに写真はスクリーンショットと製品写真を合成しました)。