雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

三七三の再開にうれし涙なう

三七三が帰ってきた。震災前からやっている食べ物屋さんは、ここ数年どこも閉まっちゃっていて、とってもさびしかったのだけど、そのひとつが戻ってきた。もとのまんま、というのがなによりうれしい。

震災前、村で食事をしようと思うと、いくつかの選択肢があった。といってもたいてい選べるほどではなくて、定休日とか行ってみたらなぜかやってないとか、それでもなんとかご飯が食べられていた。

そんな中、震災前も今も、三七三は村の貴重な食事どころだった。ところがね、ここもなかなか食べるのがむずかしい。お昼を食べようと思って12時お店に行くと、混んでて入れない。用事を済ませてもう一度行ってみると、もう閉まっている。13時ぴったりには閉まっちゃうから、こういうことになる。ちゃんと時間通りに行かないのが悪い。

このお店、震災後にずっとお休みしてたわけじゃなくて、一度ちゃんと復活している。今回の復活は、店主病気療養中につき長期休業だったのが復活した、というお話だった。

2012年の三七三

これは2012年、震災後1年4ヶ月を経て復活したときのお店。このときもうれしかったなぁ。ご主人は「脂のってます」というTシャツが大好きで、見てのとおり脂がのっているのだけど、震災で避難を続けていたらどんどん太っちゃって、体調も崩しがちだった。鍋をふったら、それだけで体重が2kg落ちたという話を聞きながら、復活を喜んだものだった。

三七三のラーメンは、震災前からけっこうおいしいとは思っていたのだけど、なくなってみると、このラーメンは川内村のソウルフードではないか、なんて気がするほど、食べたくてしょうがなくなっていた。以前はラーメンばっかり食べてるのもなぁと、野菜炒め定食だの頼んでいたこともあったけど、復活したときにまだ注文したのは、ラーメンだった。ぼくはネギ味噌が好き。ちなみにこの写真は、ネギ塩ラーメンです。

2018三七三のラーメン

今回は、花輪のたぐいは見かけなかったから、ひっそりと業務再開したということらしい。4月3日に行ってみたら、今日で4日目、ということだった。土曜日・日曜日はお休みだから、再開したのは3月の末の、えらく中途半端な日だったということになる。それはそれで、なんとなくらしいな、という気がする。

震災以来、それまで縁のなかったいろんな人や団体や企業が村にやってきて、いろんな事業に取り組んでくれている。おかげで、村はかろうじて村としての元気を維持しているような気がする。

そのうち、もともとの村人は年をとって誰もいなくなるから、これからの村は新しい住民たちの手によって作られるべきだと思うのだけど、その前に、もともとの村人はもともとの村が戻ってくるのを望んでいる。三七三のラーメンは、そんなぼくらにとっては、なによりの朗報だ。

2012年の三七三の3人

この写真も2012年の再開の時のものだけど、今もお店に行くと、この3人がそのまま迎えてくれる。なんにも変わっていないというところが、なによりうれしい。

三七三のラーメンは、そんなわけで土曜日・日曜日には食べられないから、もしそのおつもりがあるなら、平日にしっかり狙いをさだめてお出でください。底までする価値があるかどうかはわかんない。ぼくらにとっては、わざわざ遠くから食べに行くラーメンではなくて、村の中で食べられるおいしいラーメンなのだから。