雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

うさぎの飼い方・飼われ方

うさぎを飼うのはむずかしいのかと聞かれたので、知ったかぶりしてうちのウサギがどんなふうに飼われているのかをご紹介します。

あまり参考にしないほうがいいかもしれません。

1804ウメ(袋)

いま、うちにいるうさぎは2匹目です。初代は10年くらい人生(兎生?)を謳歌して昇天しました。うさぎは1羽2羽と数える人もいるけど、それは四つ足でないから食べてもいいんだという徳川時代の風習のような気がするので、ぼくは1匹2匹と数えるほうがいいと思っています。

うさぎは鳴きません。なんせ声帯がないから、おとなしいとかうるさいとかではなく、声が出ない。なのでおおむね、たいへん静かです。飯をくれとか遊べとか、犬やネコはわんわんニャーニャー騒ぎますが、うさぎはいたって静かです。

そしてうさぎは、臭いません。うさぎには雑菌がつかないらしい。うさぎの毛の中に鼻を突っ込んでみると、ときどきホコリの匂いがしたり日なたの匂いがしたりするのですが、おおむね無臭です。ウンコもくさくない。下痢をするうさぎもいるらしいけど、たいていコロコロと始末のいいうんこをするので、なんならそのまま指でつまめます。

強いて臭うのは、オシッコです。特に悪臭とは思わないけど、ちゃんとうさぎのオシッコの匂いがする。でもたいていのうさぎは、下の管理はそこそこできるので、トイレを用意しておけばしっかりそこで用を足します。前のやつは、寝床に呼び込むとそこでオシッコしやがったりしたのですが、あれは人間に対する嫌がらせではなかったかと思っています。

そんなわけで、うさぎはとても飼いやすい獣です。食物連鎖の最下位に位置する動物なので、押さえつけると観念しておとなしくなります。逃げようとして暴れて苦しんで死ぬより、あっさり食べられてしまったほうが安らかであると本能的に察しているのだそうですが、しかしこの本能は、飼われているうちにだんだん忘れていってしまう気もします。人間もどんどん危機感覚が衰えてきて本能を失っているような気がしますが、うさぎも同じようです。

1804ウメ(かゆい)

俗説では、さびしいと死んじゃうといいますが、そんなことはないと思われます。放置しておいたら死ぬかもしれないけど、それはさびしいからじゃなくて、餓死とか別の原因があるのでしょう。むしろ、あんまり手を出していると「うるさいな、ほっといてくれないかな」という顔をしたりします。ひとりになりたいこともあるようです。

逆に、遊んでくれと寄ってくることはあります。どうやって遊べばいいのかわかんないけど、おいかけっこをしたり毛布をかぶせて閉じこめたり、軽くいじめてやると喜んでいるような気がします。確かめてはいないから、そのうち動物虐待でどこかに訴えに行くかもしれないけど。

うさぎの死因のトップはストレスなんだそうです。ケージにずっと閉じこめておいたりすると、ストレスになりそうですが、もしかすると、さびしいというのもストレスなのかもしれません。さびしいと死んじゃうというのは、正しいとすればそういう意味です。

1804ウメ(寝る)

今のうさぎは、北海道に連れて行ったことがあります。前任者はいろいろ連れて行ったけど、クルマで遠出するのは、あんまり楽しくなさそうです。帰ってきてしばらく、家の隅でおとなしくしている。それを見ると、遠出はストレスなのかもしれないなと思い、あんまり連れて行かないようにしています。

2泊3日くらいなら、そのままでかけてしまいます。ご飯と水をたっぷり置いていくと、必要なだけ食べているようです。一気に全部食べてしまう、なんてことはしないみたいですが、別の個体だとどうなるかは、わかりません。ただしあんまり長居をすると、トイレがいっぱいになってしまいます。トイレのお掃除をしてくれる人がそばにいてくれれば完璧ですが。

そうそう、大事なことかもしれませんが、うちではうさぎは放し飼いです。というか、うさぎがぼくんちの王様です。やりたい放題。けっこう怖がりなので、ドアを開けても逃げたりはしません。これも性格によって多少ばらつきはあると思います。

放し飼いの場合、まず問題なのは、やつらはなんでもかじる、ということです。USBケーブルなんぞは、あっというまにぶつぶつにされます。かばんのストラップもあぶない。ファスナーも好き。ファスナーをかじられると服とか使い物にならなくなるので、しかたないからボタンのやつを選ぶようにしています。フリースのあちこちも穴だらけです。

そういうのが困る(ふつうそうでしょうが)というおうちでは、うさぎはケージの中で飼うことになるでしょうが、ストレスになりそうなのでおかわいそう。なんて甘やかしているうちに、たまに必要があってケージに入れたりすると、牙をむいてケージを噛みきろうとします。噛みきれませんけど。でもまぁ、15分も放置しておくと、とりあえずおとなしくなります。あきらめも早いのです。記憶力がないのかもしれません。

うさぎは雪原をぴょこぴょこ飛び回っていて狩猟の的になる印象があります。さぞや寒いのが好きなのかと思いきや、寒くても死なないけど(暑いと死ぬらしい)寒いのが好きというわけではないみたい。ストーブをつけると、とてもうれしそうにストーブの回りを走り回っています。くっついてやけどしないかと心配になりますが、さすが動物、そこまでアホではありません。

1804ウメ(おかしい)

寒い日にでかけて帰ってくると、冷たいストーブの前にすわっていて、火がつくのを待っていたりします。なんと怠惰なやつです。ストーブがつくと、斧を枕にしたり火炎バーナーを鼻でつついたりして遊んだりしています。あぶないものが好きなのは、トシがまだ若いからかもしれません。

食い物は、ペット用の乾きものを主食にしています。うさぎは水を飲まないという伝説もありますが、乾きものばかり食べていると、水をごくごく飲みます。草なんか食べていれば、そこに水分が含まれているから、水を飲まなくてもいいのかもしれませんね。

1804ウメ(枯れ葉)

草の類いは、なんでも食べます。枯れ葉も好き。果物の皮も好き。多少好き嫌いがあって、前のうさぎが好きだったものを、今度のはあんまり食べなかったりしますが、食べて食べられないことはなさそう。

段ボールも好き。こんなの食わせていいのかと最初は心配して、食べてしまった段ボールを口から引っ張り出そうとして指を噛まれて、血がぴゅーっと飛び出したことがありました。それにこりたわけじゃないんだけど、段ボールだって植物性のものだから、かじってちょっと食べちゃうくらいならいいかと思って大目に見ています。でも、amazonから配達されてきた荷物とか、油断していると丸裸になっていたりします。

1804ウメ(ふき)

うさぎがものをかじるのは、お楽しみというより、そうしないと歯が伸びて命の危険があるという理由もあるそうです。段ボールより、薪をかじってくれたほうがナチュラルだと思うんだけど、言っても聞きません。そればかりか、家の柱まで食われます。前のやつはそんなことしなかったから、やっぱり性格があるんだと思います。前のやつの方が冒険心は旺盛だったけど、性格もいろいろのようです。

家が倒れるほど食われるまでにはいたらないだろうと放置しています。こんなふうにやりたい放題なので、うちのうさぎは(いまのところ)いたって健康です。

1804ウメ(かじる)

そうそう、うさぎは声を出さないといいましたが、音をまったく出さないわけではない。まず、仲間に危険を伝えるために後ろ足で地面をダンッと叩くことがある。これ、突然やられるとびっくりするくらい大きな音が出ます。なんの危険を(誰に)伝えたいかわからないこともありますが、まぁ、うさぎですからそういうこともあるでしょう。

あと、うれしくなって鼻というかのどを鳴らしてルンルンしていることはあります。ネコがゴロゴロいうのと似たような感じ。怒ると、けっこうな勢いでブッブッということもありますが、もしかするとこれも同じかも。うれしくても怒っていても興奮しているということじゃないかと思います。手を出すとブッブッといいながら格闘して、でも次の瞬間、人間に寄り添って寝ていたりするから、怒っている、喜んでいるの区別もちょっとつけにくいのですが、しばらくいっしょに暮らしていると、平和そうにうれしそうな顔をしているかどうかは、なんとなくわかってきます。

でもうさぎにそんな顔をさせるために、人間の暮らしはそれなりに犠牲になります。ペットを飼うなんて、そんなもんですよね。