雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

富岡漁港

0306富岡漁港の水

富岡漁港で水を汲んできました。

震災1年目くらいに、有害化学物質削減ネットワークというNPO団体のご協力で、行政が測ってくれない(その理由はいろいろあって、納得できるものも納得できないものもある。予算を付けたオカミの所轄の問題が大きいみたい。少なくとも、住民の安心とか事実の追求、というスタンスはない)いろんなものを測ってもらっている。といっても、サンプルの収集もなかなか手間がかかって、その気で出かけないとなかなかサンプル収集に至らない。

今回はふと思い立って、車を探したら2リットルのペットボトルがあったので、とってみました。

富岡漁港は、日本一小さな漁港だった小良ヶ浜漁港の廃止とともに誕生した港で、いまふうの、まぁそっけない漁港です。小良ヶ浜漁港の存在はうかつにも震災のあと知ったので、ぜひ行ってみたいと思いつつ、今はバリケードの中になってしまった(小良ヶ浜漁港については、こちらがていねいに紹介してくれています)。

富岡漁港はもちろん津波の直撃を受けてなんにもなくなってしまったけれど、問題はそこにあったはずの海洋資源。なんせすぐ数km先には汚染水を垂れ流している福島第一原子力発電所がある。

震災前は、ここでは盛んに水揚げがされていたし、そうそう、漁港の横では、サーフィーンをやる人の姿もよく見かけた。なかなかいい波が来るんである。つまり福島のこのあたりは、海も山もなんでもあったステキなところだった。ついでに原子力発電所もあったけれどね(まぁ日本全国、おんなじだけど)。

ぼくらが住む川内村にとって、富岡町というのはお父さんみたいな存在で(いい意味でね)、いろいろと頼りがいのある存在だった。職場も、買い物も、市場も、免許の書き換えも、ハローワークも、電気の契約も、みんな富岡へ出かけていった。だから富岡が崩壊した今、川内村も崩壊するしかないのだと考えているひとは少なくない。

海もすっかり汚染されてしまって、と肩を落としている人は多い。まぁ、そうなんだろうけど、水ってのは、放射能にけっこう強いということもあったりして、もしかすると海の表面なんかは意外にきれいだったりするんじゃないの? なんて思ったりしていた。ヒラメとかにとんでもない汚染が発見されたりして話題になったけど、放射性物質は海底に沈んでいる。海底をつつくような魚はそこそこ放射能を食べちゃってるかもしれないけど、ゆらゆらと海を泳いでいるだけならどうなのかなー?なんてね。

ほんとはじゃぶじゃぶと海に入っていって水を収集してくればかっこいいんだけど、つい思い立ってやったので、着替えも持ってない。おっかなびっくり、こんな感じでやってきました。2リットルのペットボトルには、1リットルくらいしか入りませんでした。

そして試料を送ってしばし。結果が届きました。検出限界2Bq/kgでNDだった。試料質量1000gを54000秒測定しての結果です。

このデータを持って富岡漁港が安全とか、そういうことをいうつもりはまったくないけど、世の中が福島はあぶない、あぶないとばっかり言っているので、ちょっとやってみた。次は海岸の砂浜を測ってみたいし、ここで釣ったお魚も測ってみたいけど、そっち方面はついでには収集できそうにないから(少なくとも長靴は持っていかないと)いつになるやらという、根性のない測定屋日記でした。