雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

宝の山

1408はつおさん

 大雨が降って、道が崩れました。といっても、クルマなんか通さない、崖みたいな急斜面の道ですが、コンディションがいいときには半分おもしろがって4WDの軽トラで降りたり登ったりしている、立派な道です。大家さんが、ちょっと気まぐれで地形をいじったのが災いしたんだけど、といったって、被害が出ているわけではないから、大きな問題ではない。でもこのまんまでは、土が流失して、もったいない。
 というわけで修理を始めたんだけど、間もなく作業は中断。キャタピラがはずれてしまった。キャタピラってのは商標だから、クボタのキャタピラはなんていえばいいんだかわかんないけど、とにかくはずれてしまったのでした。

 単に外れたなら元に戻せばいいんだけど、どうやらテンショナーが減っちゃって、まともに噛んでない。だから何度かけても、すぐ外れる。ベアリングがだめになっているから、ベアリングを交換すればいいんだけど、ふつうの規格のベアリングじゃなくて、パーツを注文するとテンショナーがまるごととどいて、すげー高いんだそうだ。
 で、探しに行きます。大家さんちは、うちに来ようとしてまちがって入り込んだ人が「まちがって、解体屋さんにいっちゃって」と言い訳したりするようなところで、失礼なのになると「ごみ捨て場に迷い込んだ」なんていう人もいる。失礼はともかく、実際のところ、そう見えるようなところであります。

1408はつおさん

 で、ゴミの山から探すでもなく、あっという間にブツを見つけてくるところはさすがにオーナー。錆びついていて、ほしいところだけとり出すのはちょっと苦労だったけど、叩いたりなだめたりすかしたりしてとりだしてきたのが新しい、もとい、別の古いテンショナー。錆の出方だけ見れば、古いほうが新しく見えます。いや、どっちが新しいんだかわかんないけど、とにかくくっつきました。
 失礼な人の言うごみ捨て場は、大家さんにとっては宝の山で、ぼくもときどき宝の恩恵に授かってます。ブレーキパッドが減ってディスクから音が出はじめたときも、つぶれたクルマから外してきて装着してばっちり。油圧の草刈り機がオイル漏れしていてうまく動かないときも、ポンコツのフォークリフトから作動油をいただいてきてばっちり動きました。うちで活躍している薪割り機は、前世はお米を収穫するコンバインでした。
 古いものを大事にするという感覚とはちがうんだけど、使い捨ての社会から目を背けてみれば、とりあえずいろいろ楽しいことが見えてくる。ゴミの山は、宝の山なのであります。
 あ、キャタピラはキャタピラ社の商標で、その他の会社がこれを呼ぶときには、クローラーというんだそうで。クロールじゃなくて、平泳ぎするキャタピラも作ってほしかったわ。