雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

2018年産のえごま油、できました

2018年に作ったえごまを収穫して、えごま油に搾りました。今年のえごま油づくりは、ちょっとほろ苦い思い出になりました。

2018えごま(苔)

えごま油は、去年、ここでご紹介して、ご希望の方にはお頒けしたのですが、今年もざっとのあらましは同様です。去年、好評だったので、畑をちょっと増やして、増産したみたいです。その去年の記事はこちらです。

実は、というか、この話は1行や2行で終わらせられる話ではないのだけど、今回はえごまの話なので簡単に書くと、えごまの製作者が突然亡くなってしまった。亡くなる4日前、倒れる寸前までまるで元気だったので、みんなびっくりだった。

で、葬儀も納骨も終えて、さて、じいちゃんの残したえごまをどうしようという話になった。いつもは、ときどき「手伝いさ来ぉー」と連絡が入って、不器用な手つきを笑われながらいろいろ手ほどきを受けつつ、まぁ手伝った気になっていたものなんだけど、主がいなくなってしまっては、全部ゴミにするか、なんとかしてカタチにするかしかない。ここは満場一致で、カタチにすることにした。

2018えごま落とし

地面に植わったエゴマを収穫して、小屋の中で干すところまでは、主が作業を進めていた。そのあと、種子を落としてまとめて、ゴミを落としてきれいに洗って、油搾り屋さんに持っていくのが作業のあらまし。

じいさまは、毎日少しずつ、種子を落としてはまた収穫した枝を干し戻して、落としそこねがないようにゆっくり作業していたんだと思う。しかしぼくらには、降って湧いた作業だから、そんなじっくりした作業はできないので、収穫量が多少落ちるのを覚悟で、全部やってしまおうということになった。じいさまは女性の知り合いのことを、十把一からげに「彼女」と呼んでいた。それでじいさまにお世話になった彼女たちの何人に声をかけて、北は仙台から南は東京、西は新潟まで、片手では数えられない彼女たちが終結して、一気に作業を進めることにあいなった。

2018えごま(とうみ)

これは唐箕(とうみ)という道具を使って、ゴミと種子をよりわけているところ。風で種子とゴミをいっしょに飛ばすと、重たい種子を選ることができるというしかけ。もともとはお米づくりでもこんなのを使っていたんですね。この唐箕も、じいさまがこつこつと修理して、うつく機能するように手入れしてあった。

2018えごま種子

ゴミを飛ばしても、種子には泥とかついている場合があるので、お水できれいに洗う。洗った種子は洗濯ネットみたいなのに入れて、自然乾燥させて搾油所に持っていって、巨大な機械で搾ってもらう。えごまのおいしい部分は熱に弱いので、収穫から搾油まで、加熱は現金。だからあんまり機械化ができずに、手間ばっかりかかる。作業にかかわってくれた彼女たちは、えごま油が高いのにも納得していたけど、世の中にはもっと安いえごま油もある。うまく効率的に作業しているからなのか、熱が発生するのに目をつぶって高速の機械に入れているからなのかは、よくわからない。ぼくらはじいさまに教えられたままの、昔ながらのやり方しかわからない。

集まった彼女たちは、数はいっぱいいても、みんな素人だから、そうそう仕事は進まない。もともと1日で終わらせる仕事ではなくて、たぶんじいさまは毎日少しずつ、1週間から半月くらいかけて終わらせようと思ってたんじゃないかと思う。倒れた頃にも、作業はいくらか進めてあったから、あんまり寝かせておくわけにも行かないし、暗くなっても作業が終われない突貫工事になってしまった。

2018えごま夜の作業

じいさま、さぞや草葉の陰で、そんなに急いで作業してもろくなことがない、今日はそこまでにして、家に入って肉でも焼いて一杯やるべ、と言っていたにちがいないけど、そんなことを聞いている場合ではないのである。

2018えごま油

そしてかくして、えごま油は搾られました。去年よりたくさんできあがってきたけど、もっとていねいに(時間をかけて)種子落としをしていたら、もっと量を稼げたかもしれないけど、しかたない。

1本の内容量115gで2,000円。送料はこれとは別に、何本お買い上げいただいても1,000円いただきます(なんせ割れ物なので、あんまり安い送り方では不安なので)。数に限りがございますので、お一人さま3本までとさせていただきます。

搾って瓶詰めをしたのは昨年同様、福島市の笹谷搾油所さん。もともと浪江町でえごま油を生産していた方がやってます。えごまそのものの生産は亡くなった遠藤一司さん。販売人は、息子さんの昭一さん(福島県双葉郡川内村大字上川内字下原8)です。遠藤家にはインターネット設備とノウハウがないので、ニシマキが代理でご注文を受けて発送します。電話(090-6149-0402)でもお受けしますが、できればE-Mail(nishimaki@shizenyama.com)にてご連絡ください。

2018えごま油(アップ)

ではでは、あまり期待しないで、ご注文をお待ちしています。賞味期限は瓶に貼ってありますが、時間を置くと酸化してきて味が変わってきます。熱を加えず、スプーンで毎日少しずつ飲むのが、いいそうです。