雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

宇宙船の落ちた町

先日、福島第一と福島第二原発の視察というか見学にでかけた。そのとき、いっしょに原発に入った仲間に、根本聡一郎さんがいた。この本の著者だ。

原発を見た夜、その仲間の懇親会みたいなのがあって、そこで根本さんは「今日が新刊の発売日です」と発表されたもんだから、そこにいる(ほぼ)みんなが、その場で根本さんの新刊を注文することになった。

ぼくが原発見学にいったのは2回目。前回もこの仲間とでかけた。根本さんも2回目だけど、根本さんはぼくが参加できなかった前回の見学会に参加していた。そのときの経験から、この小説の構想を思いついたとのことだった。

宇宙船の落ちた町

そんなわけなので、根本さんの小説がおもしろいかどうかわからず、おつきあいのつもりで読んでみた。そしたら、これがなかなかおもしろい。SF小説なんだけど、タッチは軽い。実は最近、活字を読むのがめっきり苦手になっちゃったんだけど、久しぶりに一気に読んでしまった。タッチが軽いからというと軽い小説みたいだけど、そうじゃなくて、おもしろかったんだと思う。

軽いタッチのSFなんだけど、深いテーマもしこまれている。個人的事情としては、原発被災をネタにしたものって、フィクションでもノンフィクションでも、書いた人の思想やスタンスがちらついて素直に読めないのだけど、こちらは設定がぶっ飛んでいるので、他人事的に楽しむことができた。

と、あんまり書いちゃうとつまんないから、ここから先は、ぜひお手にとってどうぞ。根本さんとは次にいつ会えるのかわからないけど、サインがほしいから、どこかでもう一度お会いしたい。

根本さんはいわき市出身だそうで、福島県には縁がある。登場人物に円谷さんとかまんじょうめさんとかが出てくるのだけど、お若い根本さんは、はたしてウルトラQのファンだったりするのかしら?

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