雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

部分日食

2020年6月21日。この日は部分日食だった。

9月のツートラは開催しよう、さらに予定を1日早めて、本来ツートラの日には5月にやろうとしていたクローズドのコンペもやっちゃおう、ということにしたので、いつもより早めに準備することにして(当社比)、山のチェックと行ったことない道の探検に出かけてきた。

2006畑仕事をする人たち

その帰り、T子さんが畑の手入れをしているのに出会ったので、ちょっと立ち話。隣のH爺も出てきて「一番茄子は早めにとっちまわないとがおっちゃう」なんて話を聞いた。そんとき、今日は日食があるんだよという話に。日食と甘食の区別もつかないT子さんも最後には乗ってきて、次が10年後なら、今見ておかないと生きてないかもしれないな、ということになって盛り上がりました。

時間になって、しかし空はどんよりしていて、太陽がどこにあるのかもわからない。あきらめて家で寝ていようかと思ったけど、いっしょに見ようと約束したので、8年前だかの金環日食の時に用意した太陽メガネを持ってT子さんちへ。T子さんはまだ畑の仕事をしていて、太陽は見えずだから、特に声をかけずにぼーっとしていたのだけど、ときどき、雲が切れて、薄い雲ごしに見えたりする。ちょうど最大食のあたりからなんとなく見え始めた。

2000年の部分日食2

「出たー」と大声を出したら、なにが出たのかとT子さんが飛んできた。H爺はもうちょっと状況を理解しているようで「出たか」と玄関から出てきた時には、しっかり溶接メガネから外したと思われる真っ黒のガラスを持って出ていた。「そんなの、いつも玄関に置いてあるんですか? 日食だっていうんで、倉庫かなんかから引っ張り出してきたんですか?」と聞いたんだけど「おれは溶接はうまかったんだ」とご長寿らしい返答をいただいた。

2006日食を見る人たち

厚い雲の中から、肉眼でも欠けている太陽が観察できる瞬間もあったけど、そういうときに限ってT子さんは真っ黒い太陽メガネをかけて、太陽がどこにあるのかわからないと困っている。まぁおかげさまで、10分も見ているうち、それぞれ太陽を捕捉して、貴重な天体ショーを見届けられました。

夏至の日に日食があるのは372年ぶりなんですってよ、奥様。日食を見ながら、H爺とぼくとで、T子さんに、日食はなぜ起きるのか、という解説をさせていただいたのだけど(質問を投げかけるとご長寿らしい答えをするけど、自分が話したいことはきちんと話す)、一度納得したT子さんたら「明日も見られるのか?」「夜になったらまた月が出てくるんだから、月も忙しいなぁ」と天才的な理解をしていた。太陽が雲に隠れると「月はどこに行った?」と探している。月も見てるにはちがいないけど、どうやら欠けているものは「月」と表現することになっているらしい。すばらしい。

2000年の部分日食1

最大食が終わって、太陽が元に戻り始めた時に天気がよくなって雲のない日食が見られるようになったけど、雲があるほうがかっこいい気がする(負け惜しみ)。