大きな災害が相次いでいます。災害支援にトライアルは最適。しっかり腕を磨きましょう。

ZWO Seestar S30 すげー

こんなのを買ってみました。ぼくが買ったんじゃないけど、こういうのがいいねと相談して、予算つけて、買ったのでした。これが、すばらしかった。

空を見よう、星を見ようとみんなにお勧めしているんだけど、お客さんに星を見せるには、まずこっちのスキルが足りない。天文台みたいに毎日星を見ているような人だったら、突然のお客様にさっと星空を見せてあげられるんだろうけど、ぼくらにはそれができない。

何人かのお客さんが来るから望遠鏡何台か並べて、1台が目標をゲットして見てもらって、なんてことをしているうちにこっちの望遠鏡が見失いました、なんてなって、なんともなさけない。現実問題として、お月さまを見る、見せてあげるのが精いっぱいという感じだった。

そんなこんなでもんもんとしていたある日、お隣町の星の村天文台の大野台長(二代目)に自慢されたのがこれだった。白かったからS30だったと思うんだけど、S30が発売されたのはまだ去年のことで、もしかしたらおととしの話かもしれないから、プロトタイプだったのかもしれない。置けば天体を見つけてくれる、これが今だけ6万円ちょっと! なんてテレビショッピングみたいな魅力ある商品解説をされて、そんとき懐に6万円あったら落ちてしまうところだった。

それきりこの望遠鏡については忘れていたんだけど、次のイベントの相談をしていて、突然これを投入しようということになった。あわててすぐ手に入るところを探して、まぁ結局はヨドバシカメラに注文して、あっという間に届きましたとさ。

ヨドバシの箱を開けるとZWOの箱、ZWOの箱を開けるとSeestarS30の箱が出てきました。S30の箱を開けると、一式が全部入るケースが出てきて、いよいよ本体が登場です。

夜になるのが待ち遠しかったので、まずは太陽を見てみた。電源を入れて(あらかじめダウンロードしておいた)スマホとつなげて、外に出る。太陽を見るには太陽観測用のソーラーフィルターをつけなければいけない(強烈な太陽光でこわれてしまうから)。S30を地面において、太陽にGOすると、ウィーンと機械が勝手に動いて、あら、太陽が画面の真ん中に現れた。ご存知のように今の季節は冬で、うちは森に囲まれているので、太陽は木にかかっている。S30は、木の枝越しに太陽をとらえてくれた。

夜になるのが待ち遠しい。最初に太陽を見たし、目視で見つけやすいのは惑星だから、と日が暮れてから木星を見てみたけど、これはあんまりうまくいかなかった。S30は視界が広くて星雲・星団向け、惑星は焦点距離の長いS50のほうが向いている、らしい。でもまぁ、この日のところは使い方がよくわかっていない、ということだ。

惑星は明るいから望遠鏡の視界にいれるのはそんなにむずかしくないんだけど、じゃってんで惑星はあきらめて、星雲・星団に挑戦することにした。星雲・星団観測の入門コースのすばるとアンドロメダ大星雲。

この機械、日本の光学メーカーであるビクセンが扱っているけど、中国製だ。アプリも機械も日本語化されているけど、奥の奥のほうは英語のまんまだったりする。日本名の「すばる」では探せない。あれはプレアデス星団といって、カタログ名ではM45という(ウルトラマンのふるさとはM78)。

設置してからS30を動かしたら対象を捕まえられなくなった、という実績があったから、ここぞと決めたところに置いたらもう動かさない、動かしたいときは一度スイッチを切る、というのを徹底して、あとはS30におまかせ。コンパスなんかのキャリブレーションのオプションもあるけど、まずは機械におまかせでやってみた。

地面にS30を置いて、横のクルマの中からスマホを操作する。そしたらお見事、すばるもアンドロメダもスマホ画面に出てきた。暗い中に置いたから、望遠鏡がどっちを向いているのかも、よくわからない。でも見えている。

3つめ、オリオン座のM43を見に行ってみた。ところがオリオン座は南の空に低すぎて(というか、うちの南側に木が多すぎる)、直接見通せない。M43を捉えたよ、と機械が言って、しばらくしてからスマホに浮かび上がったのは、木の枝越しに見えているM43だった。すごい! けなげ!

とりあえず使っちゃってみてからあちこち先人のサイトをチェックすると、置くときにはできるだけ水平を保ちなさい、とある。その代わり、それ以外はほとんど気にすることがないみたい。なんと横着な天体観測機器なんだろう。理屈を知る人にとってはなんてことない技術なのかもしれないし、画期的なテクノロジーかもしれないんだけど、なんてことない技術だとしても、製品にまとめてぼくらの前に届けてくれるのは(手の届かないお値段だったら届けてくれないのもいっしょだし)、やっぱり画期的だ。もう最近は、中国製のくせに、というより、さすが中国だけあって、という気がする。ぼくの友人にも中国のきらいな人は少なくないけど、だってモノがいいのだから、降参せざるを得ない。今の中国は60年前の日本とおんなじ状況かもしれないけど、素人がぼんやり思うに、日本製品の強みは精度だった。中国はやっぱりテクノロジーなんだなぁ。

これでお値段7万円ちょっと。天体観測入門としては、ぜひ手で望遠鏡を動かして、ピントを合わせて星空を見つめてほしいと思うけど、どれだけらくちんかといえば、こいつは百倍、二百倍簡単だ。

当初、より高倍率のS50とどっちにしようか悩んだんだけど、入門用としては倍率は低い方がよかろうというのと、S30のほうが新しいというんで、S30を選んでみた。太陽が(月も)ちょうど画面いっぱいに収まるくらいの感じ。

何がいいって、望遠鏡をぽんと置いたら、電源が入って「準備ができました」といわれるのを待つだけ。三脚を開いたり伸ばしたり、北はどっちだとかかんだとか、なーんにも悩む必要がない。もっと時間をかけて撮影すればもっと美しい写真が撮れそうだけど、今回の目的は、ぱっと向けてぱっと見せてあげる、だから、この程度見えていれば万万歳だ。

おもしろいものを手に入れさせていただきました。おまえのじゃないからよこせ、と言うことになったら、迷わず自分でも買っちゃいそうだ。