大きな災害が相次いでいます。災害支援にトライアルは最適。しっかり腕を磨きましょう。

ランキング計算のいたずら的実験

全日本選手権が5戦終わって、今年の全日本トップクラスは、氏川政哉がランキングポイントのリードを広げて、残り3戦、まだまだチャンピオンの行方をうんぬん言うのは早いけど、流れ的には揺るぎない感じになってきた。

という今日この頃、とあるIASクラスのアシスタントさんから入れ知恵あり。ポイント計算をいろいろやってみて、どんなふうになるか見てみたいと。ポイント計算のいろいろというのは、1位25点、2位20点……、というそのポイントを変えてみるというやつだ。といっても、勝手気ままに変えるのではない。全日本では、ちょっと前まで1位20点、2位17点、3位15点のポイント制でやってきた。それだったらどうなるか。そしてそれ以前、全日本のポイント獲得は10位まで、という時代もあった。それならどうなるか。

そしてまた、去年からトライアルGPでは、1ラップ目、2ラップ目、という言い方を変えて、レース1、レース2と呼ばれるようになった。呼び方だけじゃない、シリーズポイントも、レース1、レース2、それぞれに与えられるようになった。

とりあえずまず、2026年全日本の、現在のMFJによるふつうのランキングを見てみよう。あらためてポイントを確認しておくと、こうなっている。
1位25点・2位20点・3位16点・4位13点・5位11点・6位10点・7位9点・8位8点・9位7点・10位6点・11位5点・12位4点・13位3点・14位2点・15位1点

2026年のふつうのポイント制での計算
順位No.Rider R1
愛知・
岡崎
4.12
R2
もてぎ
5.31
R3
北海道
・和寒
6.21
R4
宮崎・
えびの
7.12
R5
広島・
三次灰塚
9.(13)
R6
SUGO
10.11
R7
和歌山
・湯浅
10.25
R8
CTJ
11.29
合計
12氏川 政哉11221   115
27武田 呼人32342   85
35柴田 暁25155   78
43小川 毅士44716   70
58小川 友幸67533   62
64野崎 史高73684   56
76久岡 孝二56467   53
810武井 誠也99978   38
99田中 善弘88899   38
1011平田 貴裕1010101010   30
1112高橋 寛冴1111111111   25

このポイント制度を改造して、ちょっと前のMFJのルールに合わせて計算してみたのがこれ。
1位20点・2位17点・3位15点・4位13点・5位11点・6位10点・7位9点・8位8点・9位7点・10位6点・11位5点・12位4点・13位3点・14位2点・15位1点
ちがうのは1位から3位までだけだけど、現行制度に比べると、高順位をとったときの優位性がちょっと薄い、という感じ。

ちょっと前のMFJポイント制度で計算したもの
順位No.Rider R1
愛知・
岡崎
4.12
R2
もてぎ
5.31
R3
北海道
・和寒
6.21
R4
宮崎・
えびの
7.12
R5
広島・
三次灰塚
9.(13)
R6
SUGO
10.11
R7
和歌山
・湯浅
10.25
R8
CTJ
11.29
合計
12氏川 政哉11221   94
27武田 呼人32342   77
35柴田 暁25155   70
43小川 毅士44716   65
58小川 友幸67533   60
64野崎 史高73684   55
76久岡 孝二56467   53
810武井 誠也99978   38
99田中 善弘88899   38
1011平田 貴裕1010101010   30
1112高橋 寛冴1111111111   25

氏川政哉のポイントリードが30ポイントから17ポイントに縮まってしまった。現行ルールだと、仮に1戦を休んでもまだポイントリードは維持できるけど、このルールでは1戦休んだらポイントリードはなくなって、逆転される。氏川は現行ルールの方が優位に立てるといえそうだけど、逆に言えば、たとえば武田呼人がここから大逆転をもくろんだとしても、氏川が大きく順位を外さなければ逆転劇にはつながらない。優勝、上位入賞より、コンスタントに好成績を挙げた選手がランキングの上位に入る、というのが、長いこと親しまれていたMFJルールだったようだ。

さてしかし、MFJにはその前に10位までしかポイントが与えられないというストイックなルールもあった。それがこれだ。1位20点・2位15点・3位12点・4位10点・5位8点・6位6点・7位4点・8位3点・9位2点・10位1点。1969年から1987年までこのルールで運用されていたとAIに教えてもらった。ぼくの記憶もこんなだからたぶん合ってると思うけど、詳細に調べたわけじゃないので、まちがってたらごめん。ただ、こういう時代があったのは確かなので、いたずら的実験としてはこれで充分だろうと思う。

ルーキーの高橋寛冴はまだSS進出を果たせていないが、ということでポイントも無得点となってしまった。しかし逆に、氏川のポイントリードは26点。1位と2位のポイント差は、現行(2025年以降))ルールと同じ5ポイントだから、1位、上位入賞に手厚いポイント制度だっていうことだ。ここまでの二つの実験では、ポイント差こそちょっとずつ変わっていくものの、ランキング順位は変わっていない。強いものは強い、ということだ。

1969年から1987年までの10位までにポイントが与えられた制度での計算
順位No.Rider R1
愛知・
岡崎
4.12
R2
もてぎ
5.31
R3
北海道
・和寒
6.21
R4
宮崎・
えびの
7.12
R5
広島・
三次灰塚
9.(13)
R6
SUGO
10.11
R7
和歌山
・湯浅
10.25
R8
CTJ
11.29
合計
12氏川 政哉11221   90
27武田 呼人32342   64
35柴田 暁25155   59
43小川 毅士44716   50
58小川 友幸67533   42
64野崎 史高73684   35
76久岡 孝二56467   34
810武井 誠也99978   13
99田中 善弘88899   13
1011平田 貴裕1010101010   5
1112高橋 寛冴1111111111   0


さてここで、FIMの1日2レース制を導入してみる。1ラップ目も2ラップ目も、コンスタントに結果を出すライダーばかりかというと、そんなことはない。1ラップ目は調子よくて2ラップ目に崩れるライダーやら、その逆のライダーやら、その時の状況でたまたまそうなる場合もあり、なんとなくいつもそうなっちゃうライダーもいたりして、それがこのルールで計算してみると、ちょっと見えてくる。これはおもしろい実験だった。

氏川のポイントリードはわずか11ポイントになってしまった。氏川はここまでの5戦で3勝しているけど、このルールではここまで10戦を走ったことになる。なのに勝ちは4回しかない。表彰台(3位まで)をはずしたのも4回ある。対してランキング2位の武田は、表彰台を外したのが3回だけ。安定して上位に入る対象だと、まちがいなく武田が優勝だ。しかし武田には、それでも勝利がない。初優勝が待たれている武田だけど、いまだラップトップも果たせていない、ということだ。

2025年からの、FIMトライアルGPでの2レースポイント制度での計算
順位No.Rider R1
愛知
・岡崎
4.12
R2
もてぎ
5.31
R3
北海道
・和寒
6.21
R4
宮崎
・えびの
7.12
R5
広島・
三次灰塚
9.(13)
R6
SUGO
10.11
R7
和歌山
・湯浅
10.25
R8
CTJ
11.29
合計
12氏川 政哉1411536216      180
27武田 呼人3224322424      171
33小川 毅士5173871163      154
45柴田 暁2357183535      143
54野崎 史高4742418752      141
68小川 友幸7535264371      140
76久岡 孝二6666645648      105
810武井 誠也8998957987      81
99田中 善弘9889799899      75
1011平田 貴裕10101110101110101010      58
1112高橋 寛冴11111011111011101111      53

書き忘れていた。このランキング表では、SSは含まれていない。実際の全日本では、SSで大逆転劇が起きたことが少なくないのだけど、この実験の提案者のアシスタントさんが「SSはなしでいいっしょ」というので、それに甘えさせてもらった。世界選手権でもSSみたいなのが導入されたけど、ライダーからの反対もあって、選手権ポイントは与えられないことになって現在に至っている。氏川は大外しした試合でSS逆転をして2位を獲得、この強さが選手権では優位に働くだろうなと思ったものだったが、その逆転SSがなくなったから、ポイントリードも削られてしまった、ということになる。

そしてランキング3位と4位、ランキング5位と6位が入れ替わった。小川毅士と柴田暁は今シーズン1勝ずつしているけど、優勝した大会でも柴田は2ラップ目を8位と大外ししている(柴田もSSで大逆転を果たした)のに対して、小川が優勝した時は両ラップともにトップ。しかも小川は、全大会を通じて2ラップ目に調子を上げる。開幕戦も2ラップ目はトップだし、6位となってしまった第5戦も2ラップ目は3位になっている。ランキング5位争いの野崎と小川友幸は、どちらも1ラップずつトップをとっている。

第4戦の2ラップ目、10位が二人いるけど、オール5点で順位つかず。本当はタイム差で順位がつくはずだけど、今の全日本では(これが発表されていないのはリザルト事務局の手抜きとしか言いようがない)競技タイムが発表されないので、どっちが10位でどっちが11位だかわからない。なので二人とも10位になっている。

そして最後は、この1日2レース制度を、10位までしかポイントがもらえないルールと合体して計算してみた。

2025年からの2レースポイント制を10位までのポイント制度で計算したもの
順位No.Rider R1
愛知
・岡崎
4.12
R2
もてぎ
5.31
R3
北海道
・和寒
6.21
R4
宮崎
・えびの
7.12
R5
広島・
三次灰塚
9.(13)
R6
SUGO
10.11
R7
和歌山
・湯浅
10.25
R8
CTJ
11.29
合計
12氏川 政哉1411536216      140
27武田 呼人3224322424      134
33小川 毅士5173871163      114
45柴田 暁2357183535      106
54野崎 史高4742418752      104
68小川 友幸7535264371      103
76久岡 孝二6666645648      71
810武井 誠也8998957987      38
99田中 善弘9889799899      30
1011平田 貴裕10101110101110101010      13
1112高橋 寛冴11111011111011101111      8

氏川のポイントリードは6ポイントにまで縮まった。4回も勝っている氏川が、1回も勝っていない武田にこんなにつめよられるのは、上位入賞も大事だが、下位に落ちないのも大事だという証明でもある。

ということで、こんな計算をしてもなにかいいことがあるとは思えないのだけど、言われたからやってみました。本当はこんなよけいなことをやる前に、第5戦のレポートでも書けよ、ということなんだろうけど、これからは(今まで以上に)おもしろいと思ったことから手をつけていこうと思ったので、これはその第一弾なのであります。

このランキング、最終戦まで終わった時にまたやルカもしれないし、やらないかもしれません。とりあえず、せっかく作ったので、お楽しみいただければと思います。