雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

アプリカについた

アプリカのホテルの窓から真下を見る

 ほんの10kmの間に1000m近く標高を稼ぐという峠道を登って到着した街は、こじんまりとしてかわいい。入り口に、スポーツ観光の街、みたいな案内看板があった。いってみればスキーリゾートなんだろうけど、雪のない今の季節でも、街の2割くらいは機能しているという感じ。


 こういうリゾートでは、マウンテンバイクで走っている人によく出会う。日本じゃ、天皇陛下の結婚ブームのころ、軽井沢を自転車で散策するのがはやったけれど、最近じゃ、貸し自転車は簡便な足となっていて、なかなかスポーツの道具にはなっていない気がする。
 お休みの日に、のんびり休もうと思ってリゾートへやってきて、急に自転車でスポーツを、なんて考えられない。テニスして遊ぶんだって、日常テニスをしている人だからできるわけで、日ごろ仕事とテレビゲームしか経験のない人は、スポーツリゾートへやってきたって、仕事のことを考えながらテレビゲームをしてしまうんじゃないかしらん。
 スポーティなかっこして自転車に乗っている人は、スペインでもアンドラでもイタリアでも、ものすごく多い。そういう人がリゾートへやってくれば、自然と自転車スポーツをやることになる。
 オートバイもそれに近い。ヨーロッパのオートバイは、楽しみの道具、スポーツの道具としての誇りを持っている。日本のオートバイは、雨風に打たれる、転べばケガをする、非行の温床ともされる、ちょっと具合の悪い移動のための道具。スポーツの道具としての認識はさらさらない。だからそこらを歩いている人に「トライアルをやりましょうよ」と誘っても、まず「オートバイに乗る」ことの障壁をといて、次に「オートバイでスポーツする」楽しさを伝えていかなきゃいけないことになる。めんどくさい。
 日本の文化といってしまえば簡単だけど、ひょっとするとこれは、移動の手段としてのオートバイを大量に販売したかったメーカーの意向がそのまま根づいているのではないか。浅間の時代まで戻って日本とオートバイの関係をリセットすれば、ひょっとしてちがう展開もあったのかもしれないぁと、山間で朝を迎えながら思いました。