柴田暁が勝った。

1ラップ目、柴田は好調だった。2位の小川友幸にはわずか1点差ではあったが暫定トップ。ただ、柴田がこんな好調ぶりを見せるのは、これまでにも何度かあった。それが最後まで続かない。今回も、1ラップ目に1点で抜けていたセクションでふたつ5点を取った。2ラップ目に減点を減らしてきたライバルが多い中、2ラップ目の暫定順位は8位で、2ラップ小計でも4位に転落して、SSを待つことになった。
SSにいたる時点で、トップの野崎史高は22点。2位武田呼人が23点、同点クリーン数差で小川友幸。続いて柴田暁が24点。氏川政哉が26点、さらにトップと6点差で久岡孝二が6位で続く。
SSはみんなクリーンするのでは、という声もあったが、どうして難関だった。SSのスタート順は2ラップを終えた時の順位で決まる。その順番も、もしかすると勝負に大きな影響を与えていたかもしれなかった。そして今回は、計算上優勝のチャンスがあるライダーは6人、この6人の中で、真っ先にSSにトライするのは、久岡だった。

すでにクリーンが出ていたSS第1、久岡もクリーン、次のトライが氏川だった。氏川もクリーン、次の柴田もクリーン。このまま全員がクリーンすれば、2ラップ終了時点の順位で試合が決着するかと思ったその時、小川が足をついた。たった1点。しかしこの僅差での勝負の1点は大きい。小川は暫定3位から4位となった。3位に浮上したのは柴田だった。
続く武田はクリーン。2位の座は健在だ。最後のトライは野崎。ここまで6人がクリーンしているとはいえ、油断ができるセクションではない。そして最後の最後にせめ寄ってくるプレッシャーも大きい。なんと野崎は最後のポイントを攻略しきれず、5点になってしまった。

順位が大きく動いた。ここへ来て、武田がトップ、2位に柴田、3位に小川、4位氏川と来て、野崎は一気に5位に転落。久岡の6位は変わらない。ただし計算上、上位の5人の結果次第では、久岡の初優勝もあり得る。
SS第2。最後の大ブロックへのアプローチが、まっすぐではなく斜めからになっている。これが難関だ。これを初めて攻略、クリーンしたのが久岡。つまり久岡の優勝の目は残った。氏川はアプローチで失敗したものの、即座にバックして別のラインからトライ、からくもクリーンで乗り切った。この時点で久岡の勝利はなくなった。次の柴田は久岡とも氏川とも異なるラインで、これもクリーン。SS男と異名をとった柴田の、久々に力強いSSを見た。柴田がクリーンしたことで、氏川の3連勝はなくなった。
優勝候補の6人のうち3人がクリーンしたのだから、残る3人には大きなプレッシャーとなった。そしてそれがそのまま結果に出た。小川、武田、野崎、3人が続けて5点になった。野崎はすでにSS第1で5点になって5位までポジションを落としている。SS第2の5点で、野崎の最終順位は6位まで転落していた。

小川は、SS第1で1点を失ったが、野崎がポジションを失ったことで3位をキープしてSS第2に入ったのだが、この5点で5位まで転落してしまった。この僅差で、5点の追加は致命的だ。そして武田。SS第1を終えた時点では初優勝目前だったのだが、この5点ですべてがなくなった。ただし野崎や小川とちがって、5点を取ってもぎりぎり表彰台にはかかった。SSをふたつクリーンした久岡が、武田とクリーン数差で表彰台を逃している。
となると勝ったのは?

柴田だ。SSをふたつともクリーンした柴田が、SSをふたつともクリーンした氏川に1点差で勝利した。柴田は、実に18年目の初勝利だった。優勝第一声は「長かったー」。チーム監督の風格も出てきた愛娘、すずちゃんの「アキラならできる!」の声援を背に浴びての悲願の初優勝だった。
| 2ラップ終了時点からSSを経て勝負が決着するまでの流れ | ||||||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Pos. | After 2Laps | Pena. | SS No.1 | Pena. | Sub Total | SS No.2 | Pena. | Total Pena. | ||
| 1 | 野崎史高 | 22 | 武田呼人 | 0 | 23 | 柴田暁 | 0 | 24 | ||
| 2 | 武田呼人 | 23 | 柴田暁 | 0 | 24 | 氏川政哉 | 0 | 25 | ||
| 3 | 小川友幸 | 23 | 小川友幸 | 1 | 24 | 武田呼人 | 5 | 28 | ||
| 4 | 柴田暁 | 24 | 氏川政哉 | 0 | 25 | 久岡孝二 | 0 | 28 | ||
| 5 | 氏川政哉 | 25 | 野崎史高 | 5 | 27 | 小川友幸 | 5 | 29 | ||
| 6 | 久岡孝二 | 28 | 久岡孝二 | 0 | 28 | 野崎史高 | 5 | 32 | ||
5点には簡単になれる油断ができないセクションながら、トップは最小限の減点でまとめてくるのではないか、が多くの見方だった。特に第1から第4はクリーン必須だった。去年、小川友幸が負傷して長く戦列を離脱することになったブロックは斜めに置かれて、ずいぶんとリスクが少なくなっていた。その分、細かいテクニックが要求されるようになっているという話もあったが、結果、高橋寛冴と平田貴裕以外で、この4セクションで5点を取ったライダーはほとんどいなかった。

そんな中、小川毅士が第4で5点。毅士は開幕戦をEVOで、世界選手権をSINCROスタンダードで、全日本第2戦をSINCROファクトリーで、と3戦それぞれマシンが変わっている。今回は初めて、2戦続けて同じマシンに乗ることになったのだが、慣れて結果がよくなるかと思えば逆だった。クリーン必須の第4で5点をとって、今回は2ラップ目の復調もなかった。この日の毅士はトップ争いに食い込むチャンスなし。同じSINCROファクトリーに乗る武井誠也とSSで7位を争うのが精一杯だった。

この3年間、全日本のトップライダーには、ケガが多い。黒山健一は今も療養中だが、去年は小川が負傷、その前年は野崎。二人ともこの和寒の大会で負傷している。小川も野崎も負傷したこの地でリベンジがしたい。そしてそのチャンスは、二人とも充分にあった。小川は1ラップ目、第5セクション終了時点でトップに立った。そして2ラップ目、第9セクションでも再びトップに立っている。2ラップ目の第9セクションは終盤も終盤だから、小川の復帰勝利は、充分に可能性のあることだった。

野崎といえば、小川以上に可能性があった。1ラップ目第6でただ一人クリーンしてトップに出て、2ラップ目にも第6セクションをクリーンしてトップに出た。第6セクションは恒例のヒューム管を渡っていく難セクションで、アプローチがせばめられていて、去年よりさらにむずかしくなっている。そこを2ラップともクリーンしたのは、野崎ただ一人だった。このクリーンは圧巻だった。2ラップ目は最終第10セクションを終えてもトップだった。勝利まで、あと2セクションだ。
去年は表彰台が遠かった武田呼人は、今シーズンになって表彰台の常連になった。しかし、表彰台の真ん中だけがない。去年は悲願の表彰台だったが、今年はそれが優勝になった。そして今回、武田もまた、そのチャンスは目前に広がっていた。序盤から、何度か同点のトップには立っていた武田だったが、単独のトップに出たのはSS第1を終えたところだった。柴田と氏川に1点差。クリーンは武田がたった一つではあったが、誰よりも多かった。だから1点を失っても、それでも優勝していたはずだった。ただ今回のセクションは、足をつけば5点を防げる、という設定ではない。直前に、大先輩の小川が5点になるのを見て揺れることがあったか。武田もまた、大先輩と同じように5点となった。
最後にトライした野崎も5点。結局、SS前にはトップ3だった3人が、ことごとく勝利を逃す結果になった。野崎はSSをふたつとも5点として、なんとトップから6位にまで転落してしまった。2ラップを終えた時点での順位と、最終結果とを見比べてみると、なんと11位高橋、10位平田以外の9人は、誰一人ポジションを維持していない(もちろんアップしたライダーも下がったライダーもいる)。
SSは大会の最後に、お客さんにダイナミックなトライアルシーンを見てもらおうというショーであるという考えから、最後の最後の逆転劇を演出する試合の重要要素という考え方まで、いろんな受け取り方がある。今回のSSほど、試合の流れを大きく変えたSSはなかった。3点の間に5人がひしめくというSSまでの試合の流れも、このSSの大逆転劇を作った重要要素ではあった。2年続いた負傷案件を払拭した今回のセクションは、素晴らしい接戦を作り上げた傑作セクション群だったのか、それとも差がつきにくい神経戦の結果、ということなのか。一番の思い出作りとなった柴田ファン一同にとっても、最後の最後まで、目が離せない思い出深い一戦となったのは、まちがいない。

氏川は、初の3連勝はならなかった。もちろん3連勝はそんなに簡単なものではない。それでも2連勝からの敗北が、あわや5位だったかもしれないところを、最終的に2位にまで復活させてきたのは、今シーズンの氏川の強さがいよいよホンモノになってきた証ではないか。狩りに今回の結果が5位であったとしても、氏川にとっては致命的な敗北ではなく、ここまでの2戦で築いたポイントリードを振り出しに戻すくらいのダメージだっただろうが、今回の2位は数字だけで語ることができない大きな収穫となったにちがいない。シーズンが終わった時、今回5位だったか2位だったか、その差9ポイントがどうなっていたか、しっかり見届けたいものだ。
柴田暁の初優勝はIAS参戦18年目の快挙だった。2008年、1勝してIAランキング2位(チャンピオンは西元良太)でIASにステップアップした柴田は、1年目のランキング8位(参加12名)とまずまずの出だし。2011年にはランキング5位までポジションを進めたが、ここから先が長かった。2018年、2019年にランキング4位(どちらも2位と3位に1回ずつ、計4回の表彰台)となっているが、ここ数年は苦しい戦いを続けていた。IASステップアップ時はHRCクラブMITANIで7年間ホンダに乗った後、2016年からヴェルティゴに乗り換え、6年間参戦した。2022年、チームを離れてTRRSに乗り始めて現在に至る。TRRSに乗り換えてから数えても5年目の快挙だった。
初優勝までの参戦期間を比べると、氏川政哉が4年、野崎史高が6年、小川毅士が11年。今回の柴田はそれを上回っての記録になった。

田中善弘は、高橋、平田が5点になったSS第1を、豪快に攻めてクリーン。多くのお客さんが見ている下側からだと、アウトの様子が見えない。勢いよく岩に登って、そのままのスピードで墜落していったようにさえ見えたが、これがSS第1の最初のクリーンとなった。SS前の時点では9位につけていた田中だが、このクリーンで武井を逆転して、8位を得ている。大ベテランは、しぶとい。小川毅士、田中、武井はそれぞれ1点差ずつの大接戦の7位争いだった。
武井とはダブルスコアになってしまった9位は平田貴裕。全員がクリーンした第2セクション以外では、第4セクションを1回クリーンしている。ただひとりSS進出ならずとなったのは高橋寛冴。高橋も第2はクリーンしているが、それ以外に平田が2ラップともに5点だった第8でクリーンが出ている。ただし平田がクリーンした第4は、2ラップともに5点だった。8位以下の並びは、今年の全日本3戦にわたって、変わっていない。


国際A級
柴田暁が初優勝なら、こちらも初優勝だ。黒山太陽、勝負の2026年、3戦目にして、IAクラスの初優勝をつかんだ。1点を争う神経戦の中、点差は5点と大きくは見えないが、1ラップ目も2ラップ目もラップトップ、そして2ラップ目にはオールクリーンと、文句のない勝利だった。

今シーズンは、とにかく手ごわいライバルが多い。ただのライバルではない、百戦錬磨のIAS経験者ばっかりだ。その通り、開幕戦、第2戦と、IAS経験者が勝利した。第1戦は宮澤陽斗、第2戦は浦山瑞希。二人は共にチャンピオンにならないままIASを経験し、さらにはIAの優勝経験もなかった。一度IASを経験して、IAに舞い戻ってきたらいきなり勝利、という流れが、IASを走ることの意義を如実に現わしている気がする。
元IASは宮澤と浦山だけではない。平田雅裕、磯谷兄弟、岡村将敏と目白押し。必殺優勝引受人の本多元治も、元IASの一人だ。
IAS未経験のたたき上げIAには目の上のたんこぶが多すぎる。ポイントを獲得するだけでもよくやった状況だが、そんな中、10位圏内に入り、6位入賞し、さらに表彰台に駒を進めてきたのが、黒山だった。
ランキングトップの宮澤は今回は2位。黒山はそのにランキングでも1ポイント差に迫っている。14歳の若手が並み居るライバルを相手にどこまで踏ん張るか、ずらりと揃った強豪が今後も強さを維持するのか、IAS残留10人制限の規則の余波で、IAのライダーには厳しい戦いとなっているが、IAだけを見るなら見ごたえ充分。もしかしたら、本当に強いIAライダーを育て上げるには、これくらい強敵が多い方がいいのかもしれない。
2位となった宮澤にすれば、たったひとつの5点で勝利を逃した神経戦に恨みの一つも言いたいところだが、リザルトを見るとその5点をクリーンにしても黒山と同点だったから、今回の黒山の勝利は揺るぎないものだったと思われる。3位は平田雅裕が入った。


今回は17名参加で、たった二人がポイントを逃すという下位争いのほうでも厳しい戦いとなった。下位争いとはいえ、神経戦とあってポイント獲得常連ライダーにも油断ができない戦いだった。金曜日に降った雨がまだ乾かないうちにセクションの最終決定をしたのだが、乾き具合が予想以上だった、というのがセクション設定のむずかしさでもあった。
レディース
3名のみの参加。北海道だから参加者が少ないのはあんまり不思議はないが、関東での開催と参加者が同数というのは、北海道的には参加者多数ということかもしれない。負傷欠場しているメンバーもいて、いたしかたなしの一面もあるが、そもそもこのクラス、地方選手権に参戦しているNB以上に参戦資格があるとされているのに、現れるセクションはIBと同等のものが多い(そういうキマリがある)。NBライダーにとってはびっくりで、よほど向上心旺盛でないと出場は危険だ。そういう印象がすっかり根づいた結果が、この参加者に現れている気がする。もちろん全日本選手権ということで、草大会のビギナークラスのセクションとは一線を画さなければいけない面もあるから、むずかしいところだ。

前回、初優勝を果たした中学生の寺澤心結は、しかし2連勝に向けてスタートした直後、第1セクションで転倒して5点となってしまう。このクラスもセクションはやさしめで、神経戦が予想されたから、この5点は致命的かと思われた。しかし今度は、最終セクションで中川瑠菜が5点。5点一つずつで条件が揃い両者は3点差。2ラップ目、寺澤は今度は第6セクションでテープを切って万事休す。それでも寺澤は中川に6点差に迫っていた。もしももしも、ふたつの5点の一つがなければ(第6はテープを切りながらクリーンでセクションを走破していた)中川は1点差の辛勝だった、ということだ。

ケガなく走れるのがなによりというソアレス米澤ジェシカは、寺澤より5点が一つ多く、減点は寺澤より20点多かったが、笑顔で完走を果たした。参加者はごく少ないが、今年のタイトル争いはとてもとても興味深い。

国際B級
IAS、IAと初優勝となったが、IBも初優勝になった。4クラス中、3クラスで初優勝というのも、全日本では珍しいと思われる(LTRでジェシカが優勝していれば全クラス初優勝になった)。

IB初優勝は楠貴裕。第2戦で3位となり、これが地震初ポイント獲得、初表彰台だったのだが、続く今大会で初優勝となった。開幕戦時は無得点ライダーだったのだが、2ヶ月の間に一躍2026年のチャンピオン候補の一画となった。
楠の減点は2点。1ラップ目第1セクションと2ラップ目最終セクションで、それぞれ1点ずつを失ったが、途中は18連続クリーンだからすごい。ちなみに楠は、2022年LTRチャンピオンの楠(当時は山中)玲美の夫氏。その当時は、貴裕氏がアシスタントを務めていた。全日本の北海道大会を夫婦で勝利したのは初めての記録(本人調べ)とのこと。


2位は米澤健。こちらは同一大会で夫婦揃って表彰台、ということになった。ジェシカの順位より上へ行くのはむずかしいから、貴重なリザルト、とのこと。3位に林大作。林はもてぎ大会は欠場したが、はるばる岡山からの遠征だ。ランキングは楠が2位、林が4位。ランキングトップの辻本雄河は10位、ランキング2位だった岩間隆介は惜しい16位で無得点、ランキングは3位に後退している。
オープントロフィーNA
全日本選手権に併催されてNAライダーが出場するオープントロフィー。だいたい地元のライダーが参加することが多いのだけど、今回は秋田と栃木から参加ということで、北海道ライダーは参加せずだった。セクションはIBクラスとは別で、セクション内は自由(併催クラスということもあってか、他ゲートへの進入も含めてラインは自由、ということだった。もちろんループはNG)。なので減点数を見て、IBに出ていたら何位くらいだった、という皮算用は今回はできず。

今回、開催時期がいつもの7月から6月に移ったのは、このところ7月の北海道もけっこうな猛暑で、毎回熱中症が心配されているのも一因になっている。とはいえ、第4戦は7月の九州だし(高原だからいくらか涼しいのかもしれないけど、あんまり期待はしないことにする)、いまや暑さの心配をしたら7月から9月は屋外スポーツの解散なんて不可能なんじゃないかと思ったりする。その一方、高校野球はあいかわらず真夏のクソ暑い時期に開催されている(鍛練を積んだ高校球児より、そのときだけ応援に駆けつけるおじさんおばさんの健康がたいへんに心配)。正解がどこにあるのか、よくわからない。
今回、参加者が少なめだったのが、実は6月開催に起因するのではないか、という見方もあるようだ。もともと北海道の全日本大会は7月の海の日の三連休に開催されていて、連休を使って参加や観戦に来ていた人は少なくない。そういう見方からすると、6月のふつうの週末に開催される遠方の大会は参加しにくいということになる。個人的感想としては、三連休はフェリーも飛行機も宿もとりにくいし高い。三連休が外れてくれてよかったと思っているクチなのだけど、ここにもいろんな考えがありそうだ。
今年は関東でも参加者は例年ほどには多くなかった。全日本は何戦かのスポットと決めている人も多いだろうけど、全戦参加でがんばっている人も多い。そんな人たちに撮っては、関東をさぼってしまったから北海道まで行くことはなかろう、という流れにもなってるんじゃないかなぁ。もちろん関東キャンセルで北海道だけ参加の人もいるから、ここでも考え方はいろいろ。
参加者が少ないメリットといえば、渋滞がない(少ない)点が大きい。これまで、IBのスタートは1分に2台ずつというスケジューリングが圧倒的だったけれど、今回は全クラス1分1台になった。セクションの設定(難度の行程ではなく、失敗したライダーがいかに早くセクションから離脱できるか、のような気がする)にもよるけれど、IBの進行はIAやIASよりも圧倒的に早いのがふつう。だから1分に2台ずつスタートでも、IBだけを見ればそれほどの混雑には至らないとも思うのだが、だいたい問題は、IBの2ラップ目とIA、IASの1ラップ目が交錯する時間帯に発生する。持ち時間が30秒ならともかく、持ち時間が1分ある競技で1分に二人ずつ出しては計算が合わない(混雑必至)、世界選手権などでそんな過密スタートは見たことがない(参加者が多ければ第一スタートが早くなる。なんなら夜明け前からスタートすることもあった)。1分に一人ずつスタートは、参加者現象の消極的理由だったかもしれないけど、歓迎すべき革命的変化だったと思う。ただ、それがゆえに渋滞が減ったかどうかは、そもそもの参加者が少ないので、検証するには材料が少ない。参加者は多い方がいいのか、渋滞はどうやって防ぐのか、大会運営はどうあるべきか、全日本選手権ならずとも、トライアル大会が開催される限り、この命題はずっと続くんじゃないかしらん。
