大きな災害が相次いでいます。災害支援にトライアルは最適。しっかり腕を磨きましょう。

イギリスGP、藤波怒濤の3連勝

 一時の不調は、すでに完全に払拭された。藤波貴久、絶好調で今シーズン4勝目。2位にはチャンピオンへの道程を計算しはじめているであろう、アダム・ラガ。3位はそのラガに最後の最後で敗れたアルベルト・カベスタニー。世界選手権は残り2戦で、ランキングトップをいくラガは164ポイント。ランキング2位の藤波は152ポイント。そのポイント差は、どちらの陣営にとっても、微妙なものとなっている。
 ジュニアクラスでは、序盤の好調から一転、不調に陥っていたマイケル・ブラウンが地元の大会で久々に勝利を得た。しかし相変わらず、トップ3の闘いはし烈だ。
 ユースは、これもイギリス人、アレックス・ウィグが勝利。ポイントリーダー、ロリス・グビアンは4位で、そろそろ有効得点製の結果のポイント争いが気になってきた。


 今シーズン、これまでに勝利したのは藤波を入れて5人。トニー・ボウとアダム・ラガが2勝ずつ、ドギー・ランプキンとアルベルト・カベスタニーが1勝ずつ。藤波の4勝がずば抜けているのがわかる。
 しかしそれでも、藤波とポイントリーダー、ラガの間には(イギリス大会終了時点で)12点の開きがある。残りあと2戦。6点ずつつめるには、藤波が優勝してラガが4位以下である必要がある。藤波がどんなにがんばっても、自力でタイトルを獲得するのは不可能だが、藤波が勝ち続けることで、ラガを精神的においつめることができるかもしれない。
 藤波は、そしてタイトル争いには思いを置くことなく、勝利に向かって走り続ける。

 イギリスのホークストンパークは、古いモトクロスコース。といっても、コースの周囲には大きな岩や岩盤があって、トライアルにはかっこうのロケーションだ。昨年は設定がむずかしすぎて過酷な大会となったが、今年はいくぶんやさしめに設定され、さらに前日の雨でよりやさしく手直しをされていた。見る限りは簡単そうだったが、しかし走ってみればまたむずかしい。
 ここまで雨が少なかったイギリス。土はぱさぱさに乾いて、滑りやすい。しかも当日はときおり激しく雨が降る気まぐれな天候だった。降れば滑るし、止めばあっという間に乾いて、またぱさぱさになる。ころころと変化するセクションコンディションは、ライダーたちの悩みの種だ。

 藤波は、1ラップ目はカベスタニーと競り合いながら、快調にトップをキープした。終盤一瞬追いつかれるも、最終セクションをクリーンして、5点差でトップ。いいペースで走り続けている。
 今シーズン、藤波が負けらしい負けを喫したのは、日本大会のあとのフランス大会のみ。このときはランプキンに同点クリーン差で敗れている。開幕戦スペインは指の骨折で優勝争いどころではなく、アメリカ大会と日本大会は、突然の体調不良に悩まされた。集中力を失い、体力を奪われた状態で、これもやはり優勝争いどころではないコンディションだった。
 骨折の影響は第2戦ポルトガル大会のときも残っていたし、体調の不良は今も少し残っている。しかしこの5戦以外は、藤波は常に優勝戦線に加わり、フランス大会以外のすべての大会で優勝している。
 骨折と体調不良がなんとも悔やまれる2006年シーズンだが「それがあったから今があるのかもしれない」と藤波は言った。過去に思いをはせている時間は、藤波にはない。

 2ラップ目、藤波にミスが出てきた。1ラップ目にリードした要因となったセクションで5点を続けて、カベスタニーや、さらに2ラップ目に調子を上げてきたラガに追いつかれている。しかし藤波は、点差を気にすることなく、自分のトライに集中して最後まで走りきった。結果、ラガに1点差で勝利。前回と同じく薄氷の勝利でもあったが、藤波自身は勝利への自信がなかったから、優勝の喜びはひとしおだった。

 カベスタニーは、前半の勢いがやや衰えたか、最後はラガの追い上げの前に、 1点差で2位の座を譲ってしまった。藤波、ラガ、カベスタニーが1点差ずつで並んだ表彰台だった。カベスタニーが2位に入っていれば、タイトル争いで藤波が優位に立ったわけなのだが、さすがに現役チャンピオン。今シーズンは、最後の最後に試合をまとめて2位に入るラガの戦いぶりが、光っている。

 地元の英雄、ドギー・ランプキンは、1ラップ目の5位から、なんとか4位まで復活した。ランプキンも精神力は人一倍すぐれているのだが、動きの切れなどは、往年のそれにはかなわない。逆に、ボウやファハルド、さらにカベスタニーを相手に、ランキング3番を守っているのが大健闘といっていいのかもしれない。

 イギリスGPとあって、久々にグラハム・ジャービスがトライアル会場に姿を見せた。後輩ジェームス・ダビルには遅れをとったが、シャウン・モリスには勝っている。10位という成績はジャービスにとって、妥当なものだったのかどうか。トライアルは、やはり競技に参加し続けなければいけないなにかもあるような気がする。

 ジュニア/ユースでは、それぞれイギリス人が勝利した。特にジュニアのマイケル・ブラウンは久々の勝利だ。この両クラスは有効得点制で、現在のポイントは見掛け上のもの。終盤に向かって、得点の低いポイントからノーカウントとなって、上位10試合のポイントによってタイトル争いが展開されるから、現在のポイントで将来を占っていると、どんでん返しが起こる。ジュニアでは、マイケル・ブラウンがふたりのダニエルに2点差で遅れをとっているが、勝利数は4勝と彼らに勝っている。事実上、この3人の争いは、ここから先の2戦で誰が勝つかにかかっている。ユースでは、今の時点で8試合分のハイスコアを抽出してみると、ランキングトップはグビアンではなくウィグになる。しかしそのポイント差はわずかに2点。これも、終盤2戦が楽しみな戦いとなっている(見掛け上のランキング2位のマティオ・グラッタローラは、タイトルの可能性はごく少なそう。ウィグは、日本大会を欠場しているから、見掛け上のポイントが少ない)。

●世界選手権●

Pos. Rider Lap1 Lap2 Point Clean Ranking
1 藤波貴久 14 18 32 18 154
2 アダム・ラガ 21 12 33 18 166
3 アルベルト・カベスタニー 19 15 34 17 140
4 ドギー・ランプキン 30 19 49 12 146
5 トニー・ボウ 26 25 51 12 144
6 マルク・フレイシャ 30+1 31 62 10 87

●ジュニアクラス●

Pos. Rider Point Clean Ranking
1 マイケル・ブラウン 36 14 172
2 ダニエル・ジベール 43 13 174
3 ダニエル・オリベラス 49 13 174

●ユースクラス●

Pos. Rider Point Clean Ranking
1 アレックス・ウィグ 31 18 141
2 サム・ハスラム 38 17 86
3 マティオ・グラッタローラ 39 16 141
4 ロリス・グビアン 43 15 160