大きな災害が相次いでいます。災害支援にトライアルは最適。しっかり腕を磨きましょう。

ロングライドのタンクを2.5cmバックさせる方法

ロングライドでもっと小回りしたい
タンクを2.5cmバックさせる方法

 今年登場したスコルパのTY-S125Fロングライドは、潜在性能と5リットルタンク搭載による足の長さ、また価格の安さをもって、なかなかの好評を博している。ただ、トライアル練習に使おうとすると、大きなタンクが災いしてハンドル切れ角が少ないのが残念。
 軽いトレッキングマシンを求めていた人には充分な切れ角でもあり、初心者にはあまり大きなハンドル切れ角は危険という説もあるのだが、望んでも切れないのはちょっと悲しい。そこで、タンクを少し後ろに下げて、ハンドル切れ角を稼ぐ方法を伝授します。写真左がノーマル。右がタンクを下げたもの。フロントフォークとの間隔やサブフレームとの位置関係で、タンクが後退しているのがおわかりかと思います。


 一部には、タンクを工業用ドライヤーであぶって干渉する部分を凹ませるという方策をとっていらっしゃる方もいるが、どれくらいあぶるとタンクの強度がどうなるのかなど、保証できない部分が多い。だもんで、スコルパに関しては黒山健一からサンデーライダーの要望まで一手に引き受けるヤマハの木村治男さんとアルプスヴァンの秋山さんと共同開発したのがこの策。ただしもちろん、マシンへの加工が必要だから、機械加工の知識がまったくない人が手を出せるものではないってことはご了承ください。

 加工に必要な部品は、部品番号「5010」のM6ナット一つ。タンクをサブフレームに固定するボルトを止めるナットがひとつだけ。スタンダードの位置から2.5cmほど後方に穴を開け、このナットをかしめて固定する。サブフレームに穴を開けることでもあり、穴の位置がタンクの位置も決定するので、仮止めをして位置を確認してください。この作業には、穴を開けちゃってから「言うとおりにしたけどうまくいかなかったぞ」と言ってこられても「お気の毒に」としか言えません。
 写真の左側のナット、マシンの前側のボルトがスタンダードの位置。これに対して後ろにナットを新設して、タンクを止めるように加工する。ナットが移動した分だけ、タンクが後退してくることになる。ほんとうは、ナットのかしめには専用の工具を使うようなのだが、手近の工具を使ってうんしょうんしょとかしめればなんとかなるそうである。
 さて、こんな感じでタンクが後退してきたので、そのままではリヤフェンダーが長すぎてとりつけられない。なので、長すぎる部分をカットする。フェンダーを割らないように、手を切らないように、カッターなどで切断すべし。これも、切ってしまったらもとには戻らないから、後悔したくない人は慎重に作業されたし。

 以上で完成。シートは長いままだけど、なぜか後退したタンクとは干渉しない。シートのやわらかい部分がなんとか吸収してくれるのと、どうしても長すぎちゃった部分は、タンクの上に逃げるように変形してくれているのだと思われる。なおタンク全部にあるラバーの位置決めは、そのままで大丈夫。スタンダードは奥までしっかり差し込むが、後退仕様では位置決めにずいぶん余裕がある状態でタンクが固定されることになる。前後の位置決めはナットが担うから、ラバーブッシュはタンクを上下に止めてくれれば使命は果たしている。
 初心者にとっては、それほど致命的なハンドル切れ角の不足とは思えないかもしれないが、トライアルマシンの切れ角に慣れてしまっていると、ハンドルが切れないのは時におっかない思いをしたりする。トライアルを始めたばかりの人は最初の訓練期間はこのままでもいいかと思うが、上達とともにハンドル切れ各派確保するようにしておきましょう。なお ナットをかしめたりアルミに穴を開けたりフェンダーを切ったりが自信ない人は、トライアルショップにやってもらいましょうね。
 ちなみにスコルパでは、現在ハンドル切れ角対策をした少し容量の小さいタンクを開発中とのことで、早ければ年明けに登場するとのこと。ハンドルが切れないよーとの悩みは、もうすぐ解消されるわけだ。でもすでにロングライドをお持ちの方、大容量5リットルタンクのままトライアル遊びをしたい人は、この方法をおためしあれ。