雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

満月祭

09満月祭ポスター

 8月の満月の日をはさんで、わが川内村では、不思議なイベントが開催されます。満月祭。その名のとおり、つまり今年は8月6日をはさんで6日間の開催(月曜日は主にお片づけ)。
 開催場所は福島県双葉郡川内村ばく。なんだか人を食ったようなというか、夢を食ったような地名だけど、正しい地名がなんなのかはさておき、この地へきてばくはどこだと聞いてくれれば、誰でも知っている。そこは(山の中の過疎といえども)村で唯一、電気も電話も通じていない山奥の中の山奥なのであった。

08満月祭氷売り

 この、不便を遠心分離機にかけてエッセンスだけを抽出したようなエリアには、今二世帯が住んでいる。ここへきてもう30年になる風見さん夫婦は、ばくから子どもたちを独立させて、今はまた二人だけで暮らしている。ただしばくでは、風見さんというよりマサイさんとボケさんといったほうがとおりがいい。
 マサイさんたちに土地を借りて(まぁ土地は基本的にはいくらでもあるわけだけど)暮らしているのが、大塚尚幹と愛ちゃん夫婦(尚幹と結婚してたまたま大塚愛になっちゃたけど、歌手の大塚愛とはもちろん別もの)。楽人(らくと)と彩來(さら)の二人の子どもがいる。彩來ちゃんは、電気のないばくで生まれた。愛ちゃんは大工さんで、尚幹さんは建築士。尚幹さんは都会のおしゃれな家を設計するのが本業だけど、その建築士がよもや電気のないところに暮らしているとは思うまい。
 マサイさんたちと大塚家についてはいっぱいお話があるんで、またおいおいやっていきたいと思います。とりあえず満月祭だ。

08満月祭受付

 この、ふだんは二世帯しか住んでいない部落に、8月の満月のときに1000人とも3000人ともいわれるお客さんがやってくる。民族音楽がそこここで演奏され、みんなが思い思いの場所でキャンプしている。不思議な民族料理を提供する人もいる。目玉となる演奏プログラムとかもあるのだが、どちらかというと、集まったみんなが醸し出す空気を、そこにいるみんなが楽しむという時間と空間です。もともとは、満月の夜にマサイさんの友人が集まって、太鼓をたたきながら月見をしたのがはじまりだったらしい。
 入村料は通しチケットで5,000円。前売りは4,000円。今年は日曜日1日だけ有効の1日券も用意されるという。こちらは2,000円。

08満月祭ティピー

 常磐線富岡駅からバス約40分。もよりの下川内バス停から先は公共交通機関がないので、村人にヒッチハイクでさらに近所まで連れてきてもらってください。
 キャンプ道具を積んで、オートバイでも走らせてくるのが似合っている。国道399号線から最後の4kmは林道。
 夏の、ちょっとそそられる集いのご案内でした。
●原人村満月祭
●ばく原人村地図