雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

危機管理

10年6月のすみれ

 写真はちょっと古くて、6月の半ばの田んぼ。このへんは標高も高いし寒いから、田植えも遅いし稲の育ちも遅い。だから6月の半ばの田んぼも、こんな感じ。
 まぁ、植えたのと見張っているのがこんなのだから、しょうがないという一面もありだけど、田んぼの大家さんの田んぼも、そんなに変わらない育ち具合から、まぁそんなものなのでしょう。
 ちなみに大家さんは、ぼくらのぐうたら農業を見かねて、水の調節をやってくれたりしてくれている。知らない間に水が止まっていたり流れていたりして感激なのだけど、先手を打って「どうだ!」と言ってやりたいという意欲も、少し湧いてきた。今のところ、実行は伴っていない。
 ちなみにちなみに、田んぼを見張っているこんなの、というのは人間のことで、写真で見張っているふりをしているのは、ぐうたらなうさぎだ。このあと、水を飲もうとしたのか、田んぼに足を踏み入れて、尋常じゃない踏みごたえに大慌てしていた。なさけない。


 そういえば、ぼんやりテレビを見ていたら、どこかの地方のお巡りさんが「このへんでは家に鍵をかけません、平和なところです」と語っていた。平和を額面通りに受け止めてほんわかすることもできるし、テレビを見て泥棒が押し寄せたらどうするんだという心配もしないでもない。
 泥棒に押し寄せられたら困るので、我が集落の誰それさんちは鍵をかけないとか、いわんや鍵をかける家なんてひとつもないとか、そういうことはかかないけれど、とはいえ、人の目はなかなか光っている。
 だーれもいない時間帯にこっそりお散歩したり写真を撮ったりしていても「あー、この前、そこで写真撮ってた人は、あんたか」と言われたりする。ちゃんと監視されているんである。
 もちろん、若い人たちなんかには、こういうのがおせっかいでわずらわしいと思うんだろうけど、これも安全対策のひとつじゃないかと思う。そう思ってやってるわけじゃなくて、単なる好奇心かもしれないけど、結果は同じだ。
 そういえば、先日、ふらりとうちに遊びにきたFくんが、犬のMにかまれた。Fくんはよくこのへんに遊びに来るから、Mとも顔見知りである。なのにかまれた。犬は動くものが好きだから、オートバイに乗っていたりすると、足にかみついてきたりするんだけど、いたずらだから、本気でかまれたりはしない。でもFくんは、そこそこ本気でかまれちゃったんだな、これが。
 Fくん、気配を殺してそーっと移動するくせがある。元気に唄でも歌いながら歩いてくれたほうが世の中明るくなりそうなんだが、そういう性分だからしかたがない。しかたがないと思っていたけど、犬心にあやしいと思ったんだろうと思う。犬も、ちゃんと危機管理をしているんだ、きっと。
 本能的な危機管理を忘れてしまいつつある人間も、気をつけないと。おっと、その人間に育てられているうさぎも、どっこいで危機管理がない。もう田んぼには落ちるなよ。