雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

メガネ

1201メガネ

 この前まで、かけるメガネがなくなって、なんとも似合わない(と、ぼくは思っている)青いフレームのをかけていたんだけど、いろいろ策を講じたら、今度は一気にこんなにたくさんのメガネ持ちになってしまった。バランスよく生きていくというのは、むずかしいものです。


 似合わない(と、ぼくは思っている)のは左から二番目のやつ。これは下北沢あたりで発祥したTシャツみたいに安いメガネをかけかえてファッションしよう、というノリのメガネ屋さんで作ったもので、5,000円くらい。安い。
 申し遅れましたが、ぼくはもういいおっさんなので、老眼である。もともと高校生の時から近視なんだど、それに老眼が入った。近視の方は、一時写真のピントが合わなくなったときに検査を繰り返したんだけど、何度検査しても変わっていなかった。なのでレンズの度そのものは、高校生の時から同じものを使っている。でもそれだと、近くが見えないんですね。
 仕事をするときには、パソコンのディスプレーが見えればいいので、その距離専用のレンズを作ろうと思った。これだと、ふつうの近視用ですむ。このメガネを作った頃は、遠近両用のレンズって、ふつうの近視用だけとかいうより、ずいぶん高かったんです。なので近視専用のを5,000円で作って、仕事してたわけです。どうせ仕事用だし、世の中に出ることはないから、思いきり自分らしくないのを作ってみようと思って、いまどきの若者みたいな青いフレームにしてみました。安いフレームだから、塗装が剥げてきちゃって、ぜんぜんファッションぽくないけど。
 そう、捨てられないの。レンズが割れたとか、傷だらけで前が見えないとなったら考えるけど、まだまだ見えるんだもの。けちなんですね、基本的に。もったいない精神ともいう。
 そんなことをしているうち、持ってるレンズがそれぞれ、痛み始めた。たいてい、メガネのツル(セルっていうらしい)がダメになる。しばらくはダメになったのをがまんしてかけてるんだけど、やっぱり具合悪いので、かけなくなる。そのうち、いつでも青いのをかけて出歩くようになって、去年の全日本の後半戦では、みんなに「らしくない」なんて言われたりしたもんでした。
 こいつの問題はらしくないだけじゃなくて、ディスプレーを見る専用だから、遠くがイマイチ見えにくい(かけないより断然いい)。それで仕事するときには遠く専用の、やっぱり5,000円くらいで作ったやつをかけてました。速報で文字を入力するときには、メガネ外さなきゃいけないんだけど、まぁこれはいつものことだ。オートバイ乗るときにも近くは見えなくていいし、転んだりしてぶっ壊すこともあるんで、そういうときにもこれをかけます。でもこれも、ぜんぜんお気に入りじゃない。それが、左の一番下のやつ。
 5,000円のメガネをふたつ持ってるだけ、しかもどっちも特にお気に入りじゃなく、ほしくて買ったもんじゃないというのが悲しくて、新しいメガネも作りました。左の一番上のやつ。これ、ツルが折り畳まれない。形状記憶のb-チタニウムとかで、とにかく軽い。メガネ市場で18,500円。5,000円よりずいぶん高いけど、これで遠近両用だから、安くなったもんです。軽さもダントツ。ただ、レンズが小さいんで、いまひとつ、遠近両用としては見えは良くない。最近のメガネはどれもおしゃれになってちいさくなってるけど、遠近両用としてみたら、なるべく縦にでっかいほうがいい。遠近両用は、視線を上下に動かすことでピントを変えますから。
 で、右に並んでいるのがフレームにトラブルをかかえた3本。このうち真ん中のは5,000円のやつで、Zoffってところのやつ。上のはニコンのフレームなんだけど、どこで作ったか忘れてしまいました。ツルの根本の部分が折れかけていてぶらぶら。踏んづけたのを修正しようとして曲げたりしているうちに、限界になっちゃったって感じ。
 一番下のやつは、これが一番お気に入り。なんといっても、レンズがでかい。これは和真メガネというところで、子供用として並んでたやつなんだけど、お子様ランチじゃないから、大人が買ってったっていいよね、と作ってもらったものだ。フレームは、マルマン製だった。
 ニコンのとマルマンのは、どちらも遠近両用で、どちらも合わせて6万円くらいしたんじゃなかったかと思う。6万円のも5,000円のも、フレームが壊れたらおしまいです。新しいの作ろうと思っても、なかなか気に入ったのがない。形状記憶のチタンフレームは軽くていいけど、見え具合はやっぱり前にかけてたのがいいなぁというわけで、フレーム修理の道を探り始めました。
 メガネを作った和真メガネは町田店だったけど、郡山にも和真メガネがあった。それで、あるのでなおせるんだったらなおしてちょうだいとお願いした。最初は部品交換ができそうだというんで待ってたら、届いたパーツは部品番号こそ同じだったけど、ぜんぜんちがうカタチのだったそうだ。それで、修理をするということになった。できあがってきたメガネは、もともとのカタチとは少しちがっていたけど、使用上は問題なし。修理費は4,000円ほどだった。
 残ったのは、やっぱりツルが折れてしまった5,000円のと6万円のやつ。あちこちさがして、結局お願いしたのはメガネ修理のタムラさん。多少溶接跡が目立ったりしてもまぁいいやと思って、修理をお願いしました。5,000円のメガネにお金をかけて修理するというのもバカだなぁと思いつつ、新しい別なのは変えるけど、同じもので新しいのは変えないから、これがいいと思ったら、修理するしかないと思ってしまいました。お金ないのに、我ながら、お金の使い方がヘタだなぁと思ってしまいました。
 でも届いてびっくり。修理の跡がさっぱりわからない。これは素晴らしい。この修理屋さんは福井県の鯖江なんだけど、鯖江というところはメガネが地場産業で、日本中のメガネはほとんどここで作られているんだという話だけど、メガネのことなら鯖江に持ち込め、という感じです。修理代はざっと5,000円ずつ。5,000円のメガネを5,000円かけて修理したわけですか、修理されたものをみたら、お金の使い方がヘタだとは思えませんでした。
 過去に、フレームがぽっきり折れてしまって捨ててしまったやつもあるんたけど、金属疲労というのは、折れたところにはきているけど、そのまわりは意外に大丈夫みたいだから、ぽっきり折れたやつでも、なおしてもらったら元気に活躍できたかもしれないなぁと、いまさら惜しくなって次第でした。
 サイトを見ると、タムラさんには跡継ぎ(どうも、まだ小学生のようだ)がいらっしゃるようなので、メガネは末長くタムラさんにお世話になることにしたい。今まで40年近くメガネをかけてきたわけだけど、もっと早く知っていればよかった。
 タムラさんにお願いするとすると、ぼくの場合、もうメガネのフレームは死ぬまで買わなくていいかもしれない。