雪は降ったって春は春。シーズンは開幕してます。えいえいおー

倒れる稲と倒れない稲

1309倒れる稲と

 台風がきて、例年にない豊作だという田んぼのお米を、ばったばったと倒していってしまった。台風はけっして想定外ではないので、農業をやってる限りしょうがないことなんだけど、倒れちゃった稲のすぐ隣で、しゃっきっと立っている稲が並んでいるのを見ると、人間社会の負け組勝ち組とか格差社会とか、なんだかつまんないことを考えてしまうのだった。


「なんで倒れる稲と倒れない稲があるの?」
 近くにいたMさんに聞いてみた。村の奥様でも、土いじりをまったくしない人も少なくないから、農業方面の質問は、誰にでもできるもんじゃない。
 Mさんは、うーんと悩んで、まず局地的な突風みたいのが吹いて、それで稲をなぎ倒す可能性を話してくれた。そしてその時、稲がどれくらいの密度で田んぼに植わっているかも、運命の分かれ道なんだそうだ。株が多けりゃしっかり立つような気もするけど、そういうばっかりでないらしい。共倒れってのもあるのかもしれないし、栄養をとりあって倒れやすい稲になっちゃうのかもしれないけど、稲に聞いたわけではないので、わからない。
 肥料の量も関係あるらしい。そしてこれも、肥料をやりすぎると、倒れやすくなったりするそうだ。肥料をあげすぎて、ひょろひょろ育ちすぎちゃうっていうことなのかなあ?
 そしてもちろん、当然ではあるけど、土質の影響は大きい。地盤がゆるいところに立ってる家は地震ですぐ倒れちゃったりするから、稲だっておんなじなんだろう。
 でもね、と最後にMさんは言う。肥料を調整したりいろいろやっても、倒れる田んぼは決まっていて、嵐がくると決まってそこの稲が倒れるんだそうな。いろんな台風があっても、風はいつもおんなじところに吹いているということなんだろうか。なんだか、いよいよ人間社会の宿命と共通するものを感じてしまうのだけど、どうなんだろう?