大きな災害が相次いでいます。災害支援にトライアルは最適。しっかり腕を磨きましょう。

ペルチェ素子は炎天下の救いになるのか

このところ、毎年夏になるとぼくの前に広告みたいなのが現れるんだけど、どうなのかなと思って検索すると賛否両論。悩んでいるうちに売り切れてしまうというのが続いていた。そんで今年、ヨドバシのポイントがそこそこたまっていたので、えいやとポチってみた。けっこう高いもんだから、ポイントがなければ買う気にならなかったかもしれない。

REON POCKETってのが商品名。SONYの製品なんだけど、ソニーぎらいのぼくが、ソニーのカメラを使い始めたからソニーが好きになったわけじゃない。ソニー以外にもこの手のデバイスはあるんだけど、いかにもまがいものみたいなのが多くて、ちゃんとした製品然としているのは唯一の存在なんだなぁ。

ソニーの社員発案のアイデアが製品化されて、この4月にはソニーサーモテクノロジー株式会社として独立したみたい。

と、そんな解説はどうでもよくて、REON POCKETがなんだそりゃ、という話だ。空調服とかハンディ扇風機とか、最近はこの手の暑さ対策グッズはいろいろある。空調服は高いもんだと3万円くらいするのもあるみたいだけど、安いのは100円ショップでも売ってるから、悩ましい。安定して評価が高いのは空調服だけど、空調服は草刈り機やカメラバックなんかを背負うと服の中の空気の流れが遮断されてしまってもったいない。それに、傍で見ていてなんか暑苦しい。それで、その他グッズの中ではもっとも効果な部類であるこいつに手を出してしまった。

*ソニーの着るクーラー「REON POCKET」はなぜ生まれたのか、2号機はもっと冷える
*開発者インタビュー

これを見ると、開発者の伊藤さんは、カメラの開発をされていたんだそうな。ぼくはこの人のプロダクト策略にはまってしまったのかと思うと、ちょっとくやしい。そしてこの開発者物語をいまさら読んだら(買う前に読めばいいのに、たいてい買ってから読むんだよね)REONって「冷温」なんだって。なんだ、ダジャレだったのかー。

否定的なレビューの筆頭は、まず涼しくない、効き目がないというもんだ。ぼくもまぁ、同感である。劇的に涼しいというわけじゃない。たとえば炎天下から、エアコンぎんぎんにきかせたクルマに飛び込んだら、そりゃ涼しい。そういう感激は、ない。それをして、この商品に効果なしと評価を下すのは、まぁまちがってはいないと思う。

使い方の解説通り、首の後ろにセットする。すると、氷のうをくっつけたみたいに、きゅっと冷たい感触がある。そしてこのキカイがしてくれるのは、基本的にはこれだけだ。連動するスマートフォンアプリを見ると、衣服内の温度などを検知して動作をコントロールしているのだけど、要はどんなふうに冷たくするか、だ。

そもそもこんな小さなものが、ガソリンや電力を山ほど使う部屋ごとエアコンと同じ結果を生むかいな。それで気がついたのだ。これはハンディカイロの冷たい版だ。カイロは手に持ったりポケットに入れたりするとほんのりあったかくて幸せになれるけど、それで服を脱いじゃおうかと思うほどにはあったかくはならない。大きさ的にも、これはカイロだ。カイロは全身をあっためないけど、あるとないとではぜんぜんちがう。REON POCKETもそういうものだ。

REON POCKET4の時代から、オプションで外部アンテナみたいな温度センサーが用意されるようになったけど、それは買わなかった。かばんや胸ポケットに入れて温度をスマートに計測するものらしくて、あればあったで効果があるのかもしれないけど、一番心配なのは絶対なくすだろうなというところで、4,000円近いものだし、セットで買っても差額分2,000円はするものだから、なくして泣くより最初から買わないことにした。

説明書には、熱中症対策には使うなと書いてある。PL法上そう書かないといけないのか、そこまでのパワーがないのかはわかんない。想定されているのはオフィスワークで、大汗をかくような労働やスポーツには向いてないとある。そうは言っても汗はかくもので、ためしに草刈りするときに使ってみた。

最初はきゅっと冷たい感触だけど、そのうち慣れてしまう。草刈り機を止めて耳を澄ますと、ファンが回っている音がするけど、まず気にならない。気にならないというか、ちゃんと仕事してるのか効果がないのか、使っているぞという実感がない。

それでもだ。30分ほど草刈りをして、いつもと暑がり感とかまいった感を比べると、なんとなく元気な気がする。もしかすると、効果があるのかもしれない。

オフィースワークに、ということなので、座って仕事するときにも使ってみた。ただ、首の後ろに装着するから、背もたれの高いイスに座ると、背中と背もたれにはさんでしまって、ちゃんと空気が流れているのかどうか、心配になっちゃったりする。背中を起こして仕事する人にはいいデバイスかもしれない。

外仕事をするとき、これを持っていくのを忘れちゃったときがあって、そしたら(たぶんに気のせいかもしれないけど)なんだか暑さでぼんやりしちゃったから、実は劇的に冷え冷えにはならなくても、じわじわ暑くなりすぎた首筋を冷やしてくれていたのかもしれない。一度こういうことに気がついてしまうと、これなしで暑いところに出て行くのはおっかなくなってしまった。すっかりはめられてしまった。


REON POCKETは初期型が登場したのは2020年で、以後毎年新型が登場しているから、2024年型の今年のやつは5型になる。去年あたり、ちょっと興味があったんだけど、買おうかと思ったらもう売り切れていた。売れ行き好調なら増産すればようそうなもんだけど、売り切れごめんなんだね。それが無用に人気を起こしてるのかもしれない。毎年、なにが進化しているか、きっと冷却効率もよくなってるんだろうけど、5型しか使ってないからどれくらいよくなっているのかはわかんない。サイトを見ると、初期型では4時間使えたのが、最新型では17時間使えるようになっているだそうだ。最強モードだと、最新型が7.5時間使えるところ、初期型では1時間しか持たない。充電式で、電池を交換して使い続けるわけにはいかないから、1時間では使い物にならない。4型でも4時間で最新型が7.5時間だから、倍近い電池持続力の工場ってわけだ。


いかん。なんだかよいしょの紹介記事を書いてるみたいになってきた。このデバイスのもうひとつおいしいところは、冷却だけじゃなくて、あっためることもできるってことだ。

このキカイはペルチェ素子ってのが使われていて、こいつは電気を流すと片側が冷えて、片側があったまるものなんだそうだ。冷やすときとあっためるときは、通電をさかさまにするのかな? 冷やすのと同様、あんまり絶大な役には立ちそうにないけど、この時期、カイロを持って外に出ることは絶対にない。でもなんかの拍子にばかみたいに冷房が効いた部屋に入れられちゃって寒くて困っちゃうなんて時に、これがあると九死に一生を得るかもしれない(きっと死なないとは思うけど)。

冷却グッズは100均ショップにもよくあるし、ざっと2万円近い(REON POCKET単体でぼくが買ったのは17,600円だった)ものを買って、はたしてそれだけの効果があるのか、買っちまったぼくとしては効果ありということにするけど、買おうかどうか迷ってる人的にはやっぱり悩ましいと思う。それに今からほしいと思っても、市場にあるのはプレミアムのついたちょっと高いのしかない(ソニーの公式サイトでは売り切れ)。

勧めておいて効果がないと怒られるから、人にはお勧めしないで、こっそりぼくだけ涼しい思いをしておこうっと。

このところ、毎年夏になるとぼくの前に広告みたいなのが現れるんだけど、どうなのかなと思って検索すると賛否両論。悩んでいるうちに売り切れてしまうというのが続いていた。そんで今年、ヨドバシのポイントがそこそこたまっていたので、えいやとポチってみた。けっこう高いもんだから、ポイントがなければ買う気にならなかったかもしれない。

【追記】
暑い季節が終わって、当地は暑いといってもそれほど凶暴な高温にはならないので、意外に使用頻度は少なかったなぁと思っていたのだけど、そのままあっという間に秋がすぎ冬になって、ふと思えば、これは暖房にもなるのだったと思い立って、使ってみた。あったかい。首筋が暖かくなるから、たぶん血流が暖められて全身に回るんだろう。つま先まではさすがに温かくはならなかったけど、満足満足。

レベル1から4まであって、4だと暑すぎる。クーラーの場合は自動的にオンになって自動的にオフになるんだけど、暖房だと自動オンが効きにくい気がするので、自分でオンにして、レベル1にしている。

1時間連続使用すると自動的にオフにする機能は活きているので、1時間に1回、スイッチを入れ直す必要があるけど、暑いとき用に買ったものだけど、意外や寒いときの方が使用頻度は高そうな感じ。